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第134回事業年度(平成30年度)決算等について

2019年5月29日
日本銀行

1.第134回事業年度(平成30年度)決算

(1)資産・負債の状況

平成30年度末における資産・負債の状況をみると、総資産残高は、国債を中心に前年度末と比べ28兆7,386億円増加(+5.4%)し、557兆243億円となった。また、総負債残高は、預金(当座預金)を中心に前年度末と比べ28兆8,782億円増加(+5.5%)し、553兆2,146億円となった。

こうした日本銀行の資産・負債の変化を詳しくみると以下のとおりである。まず、資産の部をみると、国債が、買入れを進めるなか、469兆9,538億円と前年度末を21兆6,277億円上回った(+4.8%)。また、貸出金は、「貸出支援基金」による貸付けが増加したこと等から、47兆4,361億円と前年度末を1兆242億円上回った。金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)は、買入れを進めるなか、24兆7,848億円と前年度末を5兆8,500億円上回った。

次に、負債の部をみると、当座預金が、国債の買入れ等を通じた資金供給により、393兆8,836億円と前年度末を15兆6,457億円上回った(+4.1%)。この間、日本銀行券の発行残高は、107兆5,592億円と前年度末を3兆5,587億円上回った(+3.4%)。

(2)損益の状況

平成30年度の損益の状況についてみると、経常利益は、前年度比7,721億円増益の2兆9億円となった。これは、為替円安に伴い外国為替関係損益が益超に転化したことや、金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益が増収となったこと等によるものである。

特別損益は、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の実施に伴って生じ得る収益の振幅を平準化する観点から、債券取引損失引当金の積立てを行ったほか、外国為替関係損益が益超となったことを受け、外国為替等取引損失引当金の積立てを行ったこと等から、▲9,261億円となった。

以上の結果、税引前当期剰余金は、前年度比1,848億円増加の1兆748億円となり、法人税、住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は、前年度比1,778億円減少の5,869億円となった。

(3)剰余金処分の状況

剰余金の処分については、日本銀行法第53条第1項に基づき、法定準備金を293億円(当期剰余金の5%)積み立てたほか、同条第4項に基づき、財務大臣の認可を受け、配当金(500万円、払込出資金額の年5%の割合)を支払うこととし、この結果、残余の5,576億円を国庫に納付することとした。

(4)自己資本の状況

平成30年度末の自己資本比率(剰余金処分後)は、8.71%と、前年度末(8.09%)に比べ上昇した。

2.第134回事業年度(平成30年度)経費決算

第134回事業年度(平成30年度)経費決算は、「一般事務費」が増加したものの、「固定資産取得費」が減少したこと等から、全体では前年度比0.2%減少(▲4億円)し、総額1,926億円となった。

照会先

政策委員会室

森口
Tel : 03-3279-1111

1.平成30年度末の資産、負債及び純資産の状況

平成29年度末の資産、負債及び純資産の状況(単位:億円)
平成29年度末
(A)
平成30年度末
(B)
比較
(B) - (A)
前年度比%
(資産の部)
金地金 4,412 4,412 ―― ――
現金 2,743 2,500 ▲ 242 ▲ 8.8
国債 4,483,261 4,699,538 +216,277 +4.8
(うち長期国債) 4,265,674 4,595,862 +330,188 +7.7
コマーシャル・ペーパー等 20,574 20,420 ▲ 154 ▲ 0.7
社債 31,921 32,066 +145 +0.5
金銭の信託
(信託財産株式)
10,488 8,970 ▲ 1,518 ▲ 14.5
金銭の信託
(信託財産指数連動型上場投資信託)
189,348 247,848 +58,500 +30.9
金銭の信託
(信託財産不動産投資信託)
4,761 5,178 +417 +8.8
貸出金 464,119 474,361 +10,242 +2.2
外国為替 63,695 67,321 +3,626 +5.7
代理店勘定 240 219 ▲ 20 ▲ 8.6
その他資産 5,211 5,315 +104 +2.0
有形固定資産 2,078 2,086 +7 +0.4
無形固定資産 1 1 +0 +1.6
資産の部合計 5,282,856 5,570,243 +287,386 +5.4
(負債の部)
発行銀行券 1,040,004 1,075,592 +35,587 +3.4
預金 3,996,383 4,213,782 +217,399 +5.4
(うち当座預金) 3,782,379 3,938,836 +156,457 +4.1
政府預金 151,248 175,228 +23,980 +15.9
売現先勘定 3,112 1,908 ▲ 1,204 ▲ 38.7
その他負債 596 4,312 +3,715 7.2倍
退職給付引当金 1,997 2,018 +21 +1.1
債券取引損失引当金 36,001 44,155 +8,154 +22.7
外国為替等取引損失引当金 14,019 15,147 +1,128 +8.1
負債の部合計 5,243,363 5,532,146 +288,782 +5.5
(純資産の部)
資本金 1 1 ―― ――
法定準備金 31,844 32,226 +382 +1.2
特別準備金 0 0 ―― ――
当期剰余金 7,647 5,869 ▲ 1,778 ▲ 23.3
純資産の部合計 39,493 38,097 ▲ 1,395 ▲ 3.5
負債および純資産の部合計 5,282,856 5,570,243 +287,386 +5.4
  • (注1)計数については、円単位での計算後、億円未満を切り捨てて表示しているため、表上の合計額とは必ずしも一致しない(他の計表も同様)。
  • (注2)< ―― > の表記は、計算上ゼロあるいは該当数字なしを示し、< 0 >の表記は、単位未満を切り捨てた場合のゼロを示す(他の計表も同様)。

2.平成30年度の損益の状況

平成30年度の損益の状況(単位 : 億円)
平成29年度
(A)
平成30年度
(B)
比較
(B) - (A)
経常収益 (A) 18,383 23,933 +5,550
貸出金利息 0 0 ▲ 0
国債利息 12,211 12,839 +628
コマーシャル・ペーパー等利息 ▲ 1 ▲ 0 +0
社債利息 ▲ 9 ▲ 10 ▲ 0
外国為替収益 447 3,722 +3,275
その他 5,735 7,383 +1,647
経常費用 (B) 6,095 3,924 ▲ 2,170
売現先利息 ▲ 5 ▲ 6 ▲ 1
外国為替費用 2,171 ―― ▲ 2,171
経費 1,949 1,980 +31
その他 1,980 1,951 ▲ 28
経常利益 (C) = (A) - (B) 12,287 20,009 +7,721
経常収入 13,104 14,090 +985
長期国債関係損益 ―― ―― ――
外国為替関係損益 ▲ 2,119 2,257 +4,376
経費 ▲ 1,949 ▲ 1,980 ▲ 31
その他 3,252 5,642 +2,390
うち金銭の信託(信託財産株式)運用損益 2,512 2,510 ▲ 2
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益 2,789 4,416 +1,627
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益 181 211 +29
補完当座預金制度利息 ▲ 1,836 ▲ 1,865 ▲ 29
特別利益 (D) 1,064 24 ▲ 1,040
特別損失 (E) 4,453 9,285 +4,832
特別損益 (F) = (D) - (E) ▲ 3,388 ▲ 9,261 ▲ 5,872
うち債券取引損失引当金 ▲ 4,451 ▲ 8,154 ▲ 3,703
外国為替等取引損失引当金 1,059 ▲ 1,128 ▲ 2,188
税引前当期剰余金 (G) = (C) + (F) 8,899 10,748 +1,848
法人税、住民税及び事業税 (H) 1,251 4,878 +3,626
当期剰余金 (I) = (G) - (H) 7,647 5,869 ▲ 1,778
  • (注1)経常収入は、貸出金利息、国債利息、コマーシャル・ペーパー等利息、社債利息、外貨債券の利息収入、貸出料及び外貨預け金等利息の合計額。
  • (注2)長期国債関係損益は、国債(長期)売却損益の額。
  • (注3)外国為替関係損益は、為替差損益の額。
  • (注4)補完当座預金制度利息は、プラス金利に係る利息(▲2,090億円)とマイナス金利に係る利息(224億円)との差額。
  • (注5)各種引当金の▲符号は、積立て(減益要因)を示す。

参考計表

1.資産残高の推移

日本銀行の総資産残高とその前年比伸び率の推移のグラフ。平成28年3月以降31年3月まで。総資産残高はおおむね増加基調で推移している。前年比伸び率は徐々に低下している。

「貸出支援基金」による貸付金の残高(単位:億円)
28年度末 29年度末 30年度末 (参考)
30年度
上半期末
前年度末比
増減額
貸付金合計 457,102 480,183 486,452 6,269 482,366
成長基盤強化を支援するための資金供給 87,139 93,547 89,226 ▲4,320 94,206
貸出増加を支援するための資金供給 369,963 386,636 397,226 10,590 388,160

2.長期国債関係損益の推移

長期国債関係損益の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
長期国債関係損益 ―― ―― ―― ―― ――
売却益 ―― ―― ―― ―― ――
売却損 ―― ―― ―― ―― ――

3.外国為替関係損益の推移

外国為替関係損益の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
外国為替関係損益
(為替差損益)
▲1,481 ▲2,119 2,257 4,096 ▲1,839
29/3月末 29/9月末 30/3月末 30/9月末 31/3月末
ドル相場の推移 111.39円 112.49円 106.27円 113.69円 110.85円
ユーロ相場の推移 118.65円 132.89円 130.95円 131.98円 124.35円
ポンド相場の推移 139.80円 150.70円 148.97円 148.15円 144.47円

4.金銭の信託(信託財産株式)運用損益の推移

金銭の信託(信託財産株式)運用損益の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
金銭の信託(信託財産株式)運用損益 2,175 2,512 2,510 1,392 1,118
配当金等 522 554 580 306 274
減損 ▲43 ―― ▲42 ―― ▲42
売却損益 1,695 1,958 1,972 1,086 886

5.金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益の推移

金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)運用損益 1,722 2,789 4,416 4,062 353
分配金等 1,722 2,789 4,416 4,062 353
減損 ―― ―― ―― ―― ――
売却損益 ―― ―― ―― ―― ――

6.金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益の推移

金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)運用損益 138 181 211 102 108
分配金等 138 181 211 102 108
減損 ―― ―― ―― ―― ――
売却損益 ―― ―― ―― ―― ――

7.経常収入関係

(1)経常収入の推移

経常収入の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
経常収入 12,737 13,104 14,090 7,046 7,043
円貨資産 11,975 12,200 12,828 6,455 6,372
貸出金 96 0 0 0 0
国債 11,869 12,211 12,839 6,461 6,378
短期国債 ▲1,230 ▲698 ▲227 ▲132 ▲94
長期国債 13,099 12,909 13,066 6,593 6,472
コマーシャル・ペーパー等 ▲3 ▲1 ▲0 ▲0 ▲0
社債 12 ▲9 ▲10 ▲5 ▲5
外貨資産 762 903 1,262 591 670

(2)運用資産平残の推移

運用資産平残の推移(単位:億円)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
運用資産合計(平残) 4,415,756 4,949,834 5,235,630 5,183,644 5,287,901
円貨資産 4,350,364 4,883,220 5,168,533 5,116,838 5,220,511
貸出金 354,987 462,049 464,806 465,243 464,365
国債 3,941,151 4,366,652 4,649,075 4,597,233 4,701,201
短期国債 506,970 298,317 154,296 191,539 116,848
長期国債 3,434,181 4,068,335 4,494,778 4,405,693 4,584,353
コマーシャル・ペーパー等 22,413 22,528 22,648 22,520 22,777
社債 31,811 31,990 32,002 31,840 32,166
外貨資産 65,391 66,614 67,097 66,806 67,389

(3)運用資産利回りの推移

運用資産利回りの推移(単位:%)
28年度 29年度 30年度
上半期 下半期
運用資産合計(利回り) 0.288 0.264 0.269 0.271 0.267
円貨資産 0.275 0.249 0.248 0.251 0.244
貸出金 0.027 0.000 0.000 0.000 0.000
国債 0.301 0.279 0.276 0.280 0.272
短期国債 ▲0.242 ▲0.234 ▲0.147 ▲0.138 ▲0.162
長期国債 0.381 0.317 0.290 0.298 0.283
コマーシャル・ペーパー等 ▲0.013 ▲0.004 ▲0.002 ▲0.003 ▲0.001
社債 0.038 ▲0.030 ▲0.033 ▲0.035 ▲0.031
外貨資産 1.165 1.356 1.881 1.766 1.995

8.自己資本残高及び自己資本比率の推移

自己資本残高及び自己資本比率の推移(単位:億円)
28年度末 29年度末 30年度末 (参考)
30年度
上半期末
前年度末比
増減
資本勘定(A) 31,845 32,227 32,521 +293 32,227
資本金 1 1 1 ―― 1
法定準備金等 31,844 32,226 32,520 +293 32,226
引当金勘定(B) 46,628 50,020 59,303 +9,283 54,297
貸倒引当金(特定を除く) ―― ―― ―― ―― ――
債券取引損失引当金 31,550 36,001 44,155 +8,154 38,230
外国為替等取引損失引当金 15,078 14,019 15,147 +1,128 16,067
自己資本残高(A) + (B) = (C) 78,474 82,248 91,824 +9,576 86,525
銀行券平均発行残高(D) 971,988 1,015,887 1,053,916 +38,028 1,042,372
自己資本比率(C) / (D)×100 8.07% 8.09% 8.71% +0.62% 8.30%
  • 法定準備金等には特別準備金(13百万円)を含む。

9.保有有価証券の時価情報

国債(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 4,483,261 4,590,281 107,020
31/3月末 4,699,538 4,859,898 160,359
コマーシャル・ペーパー等(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 20,574 20,574 ――
31/3月末 20,420 20,420 ――
社債(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 31,921 31,857 ▲63
31/3月末 32,066 32,016 ▲50
金銭の信託(信託財産株式)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 10,238 24,855 14,617
31/3月末 8,735 19,895 11,159
金銭の信託(信託財産指数連動型上場投資信託)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 193,384 244,845 51,460
31/3月末 250,011 289,136 39,124
金銭の信託(信託財産不動産投資信託)(単位:億円)
価額 時価 評価損益
30/3月末 4,700 5,142 441
31/3月末 5,121 6,256 1,134
  • (注1)金銭の信託は、信託財産(約定ベース)のみを対象としているため、上記の帳簿価額は貸借対照表価額とは必ずしも一致しない。
  • (注2)時価は、期末日における市場価格等に基づいている。

10.第134回事業年度(平成30年度)経費決算

第133回事業年度(平成29年度)経費決算(単位:億円)
予算現額
A
決算額
B
剰余額
A-B
前年度比
増減額
銀行券製造費 520 520 1 0
国庫国債事務費 173 170 ▲1 3
給与等 527 516 ▲2 10
交通通信費 44 41 ▲1 3
修繕費 28 28 ▲0 0
一般事務費 530 513 27 17
合計(固定資産取得費、予備費除く) 1,822 1,788 24 34
うちシステム化関係 307 305 21 3
固定資産取得費 142 138 ▲27 4
うち認可対象分 43 43 ▲1 1
予備費 10 10
総計 1,974 1,926 ▲4 48
うち認可対象分 1,875 1,830 22 45
  • 単位未満四捨五入。

11.業務分野毎の経費(平成30年度)

業務分野毎の経費(平成30年度)(単位:百万円)
分野 経費
前年度比増減 構成比(%)
発券関係業務 84,111 +1,514 42.5
金融政策関係業務 23,734 +199 12.0
金融システム関係業務 18,270 +417 9.2
決済システム関係業務 30,515 ▲216 15.4
国庫・国債・その他政府関係業務 41,435 +1,212 20.9
合計 198,065 +3,126 100.0
  • (注1)損益計算書上の経費を対象に作成している。なお、計数は単位未満四捨五入としている。
  • (注2)日本銀行が行っている国際金融、調査・研究・統計などの業務や対外的な説明活動、組織運営面の取り組みに関する経費は、上記の各業務分野に幅広く共通して関係するため、各業務分野の経費に按分のうえ含めている。