日本銀行について

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日本銀行員の心得

施行
1998年4月1日
改正
  • 2000年4月3日
  • 2005年4月1日
  • 2005年7月8日
  • 2006年10月10日
  • 2015年4月1日

はじめに

日本銀行は、物価の安定と金融・決済システムの安定を達成することを使命とする我が国の中央銀行です。こうした使命を担う日本銀行が、公共性の高い役割を果たしている組織であることは言うまでもありません。また日本銀行は、その使命を遂行するに当たって、「発券銀行」、「銀行の銀行」、「政府の銀行」という3つの銀行としての業務の運営を基盤としています。このことは、日本銀行が、金融機関や政府といった顧客に対して、市場を経由して中央銀行サービスを提供することを通じて、国民経済の安定と発展に貢献している組織であることを意味しています。

このように公共的な役割を市場を通じた業務の遂行により果たすという日本銀行の使命と機能を踏まえると、日本銀行員は、その職務の遂行に当たって、次の3つのことに心掛けることがまず何より大切です。

第1は、公正・中立にその職務を遂行すること。
第2は、中央銀行サービスの提供者という立場を自覚し、質の高いサービスの提供に努めること。
第3は、政策・業務の適切な運営を図るためには、市場参加者をはじめ多くの経済主体との積極的な対話を通じて、金融・経済の実情、中央銀行サービスに対するニーズをより良く知るとともに、日本銀行の考え方を十分説明し、広く国民の信頼を得ること。

本心得は、以上のような基本的な認識の下に、日本銀行員が、外部の人達と接するに当たっての具体的な行動上の指針をまとめたものです。

万が一この心得に書かれている内容に違反した場合には、就業規則に基づく懲戒処分の対象になることもあります。また、自己または他の職員が本心得に違反した事実について隠蔽したり、事実に反する報告を行うことなどにより、「服務に関する準則」に違反した場合も同様です。この内容や運用について疑問がある場合は、所属長または総務人事局長に問い合わせて下さい。

1. 情報の開示と管理

  1. (1)日本銀行の政策運営の透明性を確保し、国民や金融市場の信認を得ていくうえで、公開すべき情報は迅速かつ公平に開示していくことが日本銀行全体として重要であるが、各人がそれを実践するに当たり、開示可能な情報かどうか判断に迷う場合や担当外の事項について照会を受けた場合は、所属の広報担当責任者または広報担当部署に相談するものとする。
  2. (2)機密資料等の作成・配付・保管は、厳格に行い、日頃からその管理につき万全を期すものとする。

2. 講演、寄稿

  1. (1)日本銀行の政策運営について広く一般の理解を深めてもらうために、講演および寄稿(出版を含む。以下同じ。)を行うことは、重要な行務の一環であるが、こうした依頼を受けた場合は、次に掲げる手続きを遵守しなければならない。
    1. イ、講演または寄稿の依頼を受けた者は、事前に所属長まで申し出る。
    2. ロ、所属長は、業務上の必要性に照らしこれに応じることが適当と認めた場合は、必要に応じ適切な勤務措置を講じたうえで、最も相応しい職員をそれに当たらせる。
  2. (2)勤務時間内に行う講演および寄稿については、原則として謝礼、原稿料、印税(以下。報酬」という。)の受領は辞退する。
  3. (3)勤務時間外に行う講演および寄稿については、その報酬を当該個人が受領して差し支えない。ただし、次に掲げる場合は、所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に願い出て承認を受けなければならない。
    1. イ、職務上の関係者(別紙に定める者。以下同じ。)から報酬を受領するとき。
    2. ロ、講演または寄稿が日本銀行に関連する事項を含む場合であって、職務上の関係者以外の者から報酬を受領するとき。
  4. (4)本行経費をもって作成される出版物の監修または編纂に対する報酬は、これを受領してはならない。

3. 遊技等

職務上の関係者と遊技、ゴルフおよび旅行(業務上の旅行を除く。)を行ってはならない。また、職務上の関係者に要求し、第三者に対してこれらの行為を行わせてはならない。

4. 職務上の関係者との飲食

  1. (1)職務上の関係者と共にする飲食であって、自己の飲食に要する費用について職務上の関係者の負担によらない場合において、コンプライアンス会議の審議を経て総裁が定める金額 (編注)を超えるときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に届け出なければならない。
    ただし、やむを得ない事情によりあらかじめ届け出ることができなかった場合は、事後速やかに届け出なければならない。
    1. イ、多数の者が出席する立食パーティーにおいて、職務上の関係者と共に飲食をするとき。
    2. ロ、私的な関係にある職務上の関係者と共に飲食をする場合であって、自己の飲食に要する費用について、自己または自己と私的な関係にある者であって職務上の関係者以外の第三者が負担するとき。
    • 編注:「コンプライアンス会議の審議を経て総裁が定める金額」は1万円。
  2. (2)職務上の関係者と共にする飲食については、前項の届出の要否に拘らず、その頻度、場所等について、社会通念上相当と認められる程度を超えたと受け止められないようにするなど、世間から疑念を抱かれることのないよう慎重に配慮しなければならない。

5. 職務上の関係者からの利益享受

  1. (1)次に掲げる行為を行ってはならない。また、職務上の関係者に要求し、第三者に対してこれらの行為を行わせてはならない。
    1. イ、職務上の関係者から供応接待を受けること。
    2. ロ、(削除)
    3. ハ、職務上の関係者から中元、歳暮、土産、就任祝、餞別、香典、供花等の贈答品その他の物品、不動産または金銭の贈与を受けること。
    4. ニ、職務上の関係者から、または職務上の関係者の負担により、無償で物品または不動産の貸付を受けること(無償で提供される物品の使用を含む)。
    5. ホ、職務上の関係者から金銭の貸付(業として行われる金銭の貸付にあっては、無利子のものまたは利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
    6. ヘ、職務上の関係者から、または職務上の関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。
    7. ト、その他、日本銀行における地位や職務を利用して、職務上の関係者から、一般の顧客に比べて有利な条件での取扱いを受けること。
  2. (2)前項の規定にかかわらず、次に掲げる行為を行って差し支えない。
    1. イ、職務として出席した会議その他の会合において、職務上の関係者から茶菓の提供を受けること。
    2. ロ、多数の者が出席する立食パーティーにおいて、職務上の関係者から飲食物の提供を受けること。
    3. ハ、職務として出席した会議において、職務上の関係者から弁当などの簡素な飲食物の提供を受けること。
    4. ニ、日本銀行員以外の複数の先に対しても広く配布されている物品(例えば、宣伝用物品)や多数の者が出席する立食パーティーにおいて、職務上の関係者から、参加者に広く配布される記念品等を受領すること。
    5. ホ、職務として職務上の関係者を訪問した際に、当該関係者から提供される物品を使用すること。
    6. ヘ、職務として職務上の関係者を訪問した際に、当該関係者から提供される自動車(当該関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること。ただし、当該関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。
    7. ト、その他、公的な性格を有する儀礼的会合において飲食物の提供を受けることなど、社会通念上相当と認められ、公正な職務遂行に疑念を抱かれる惧れがないことが明らかであると認められるものであって、コンプライアンス会議の審議を経て総裁が定める者にあらかじめ願い出て承認を受けたもの。

6. 私的関係者、職務上の関係者以外の者との行為

  1. (1)職務上の関係者のうち日本銀行員としての身分と無関係に知り合いまたは付き合いを行っている者との間では、相手方と知り合ったり付き合ったりしている経緯や職務上の関係の程度等に鑑み、公正な職務遂行に疑念を抱かれる惧れがないと認められる範囲であれば、3.および5.の規定を適用しない。
  2. (2)職務上の関係者以外の者と接する場合にも、その頻度、場所等または財産上の利益供与もしくは供応接待について、社会通念上相当と認められる程度を超えたと受け止められないようにするなど、世間から疑念を抱かれることのないよう慎重に配慮しなければならない。

7. 金融取引等

個人的に行う金融取引等については、別に定めるところによる。

8. 贈与等、株取引等および所得等の報告

  1. (1)企画役級以上および専任職の職員は、別に定めるところにより、贈与等の受領に関し、所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に報告しなければならない。
  2. (2)局長級の職員は、別に定めるところにより、株券等の取得または譲渡および所得等に関し、所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に報告しなければならない。

9. 違反行為による利益

他の職員の2.および5.から7.までの規定に違反する行為によって当該他の職員または第三者が得た財産上の利益であることを知りながら、当該利益の全部もしくは一部を受け取り、または享受してはならない。

別紙 「職務上の関係者」の範囲

「職務上の関係者」の範囲を以下のとおり定める。

  1. (1)職員が職務として以下の事務に携わっている場合の相手方(ただし、裁量の余地の少ない事務の相手方、および外国政府、外国中央銀行または国際機関等に勤務する者を除く)。
    1. イ、当座預金取引先との間における、取引開廃事務、考査事務、貸出事務または金融市場調節の実施事務
    2. ロ、物品調達、不動産売買、役務等の契約に関する事務
    3. ハ、その他イ、に準ずる事務として所属長がコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者と協議のうえ指定する事務
  2. (2)異動前の職務について職務上の関係者であった者のうち、異動後引き続き後任者等の職務上の関係者である者については、異動後3年間、職務上の関係者とみなす。
  3. (3)他の職員に対して事実上の影響力を及ぼし得ると考えられる職員については、相手方が直接職務上の関係を有する当該他の職員への影響力行使を期待して接触してきていることが客観的に明らかな場合は、その相手方を職務上の関係者とみなす。