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第14代総裁:池田成彬(いけだせいひん)

第14代総裁 池田成彬の写真

就任
昭和12年2月9日
退任
昭和12年7月27日
出身地
山形県

14代目の日本銀行総裁である池田成彬は、慶応3年に米沢藩士の長男として山形県に生まれました。慶応義塾大学在学中にハーバード大学に留学し、帰国後は時事新報社の論説委員を経て、三井銀行に入行しました。同行では、営業部長在任中にコール資金の活用により日本銀行貸出への過度の依存を改めるなど経営基盤の強化に取り組み、大正8年以降は事実上の同行トップである筆頭常務取締役として辣腕をふるいました。

昭和12年、日本銀行総裁に就任しましたが、金融面でも戦時色が強まる中で、産業金融に踏み込まざるを得ませんでした。他方、組織面では、それまで諮問機関であった参与制度を廃止して議決権を持った参与理事制度を創設し金融政策を外部からチェックする仕組みを導入したほか、人事部を新設するなど、矢継ぎ早に経営改革を実施したことが知られています。

病のため在任僅か5ヵ月で辞任しましたが、さらに大蔵大臣兼商工大臣、枢密顧問官などを歴任し、昭和25年、84歳で亡くなりました。

(出典:広報誌『にちぎんクオータリー(1999年秋季号)』)