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【総合職】決済機構局 S.S. さん

「国際的な仕事」を通じた貢献を目指して

S.S. さん

総合職
決済機構局 決済システム課
証券決済システムグループ
(現 決済機構局 決済システム課 決済企画グループ)

初秋の某日、私はイギリスからの海外出張を終え、次の仕事へ逸る心を抑えながら、飛行機の窓から空を眺めていました。私がメンバーを務めている国際会議への出席、現地関係者との個別面談を無事終えて、「これからどのように対処しようか」と考えていたのです。

「国際的な仕事」に憧れを持つ方は多いと思います。私自身もその一人でした。「国際的な仕事」といってまず思い浮かぶのは、国際会議への出席だと思いますが、それだけではありません。「国際的な仕事」は、その前提となる国内での仕事、そして会議の結果を踏まえた国内での対応、も含めて「国際的な仕事」なのだと思います。「国際的な仕事」に日本銀行の代表者として参加している以上、日本国内の現状を確りと理解し、先行きを展望した上で、建設的な意見構築に貢献し、合意を踏まえて施策を実行することが求められるからです。ここでは、私がセントラル・バンカーとして、どのように国内での仕事と海外での仕事を融合させて、日々「国際的な仕事」に取り組んでいるのかご紹介したいと思います。

決済機構局における私の「国際的な仕事」

日本銀行は実に様々な国際会議に参加しています。目的や内容に応じて、総裁が出席するようなハイレベルなものから、実務担当者が出席するものまであります。私が所属している決済機構局では、決済システム(経済取引におけるお金の受払いや証券の受け渡しを円滑に行うために作られた仕組み)に関する様々な国際会議に参加しています。そのうち、私自身が参加する国際会議は、決済システムのオーバーサイトに関するものです。オーバーサイトとは、決済システムについて、制度設計やリスク管理体制、運営状況などをモニタリングし、その安全性と効率性を評価するとともに、必要に応じて改善に向けた働きかけを行うことです。オーバーサイトの対象は、国内の決済システムだけではなく、海外の決済システムとなる場合もあります。すなわち、日本銀行が発行している通貨である日本円の決済を行っている場合には、必要に応じて、「国際協調オーバーサイト」という枠組みを通じて、各国中央銀行・監督当局と協力しながらオーバーサイトを実施しています。そして私自身は、海外の決済システムの国際協調オーバーサイトに関し、各国中央銀行・監督当局の実務家レベルで行う議論に日本銀行代表として参加しています。

「国際的な仕事」と私の毎日

まず、議論に参加する前提として、国内における現在の仕組みの機能度を点検し、改善すべきポイントを常に検討していく必要があります。「毎日問題なくお金や証券の受け渡しがされること」は当たり前のように思えますが、ひとたび新しい決済サービスや金融商品、決済を支えるシステムのイノベーションが導入されると、決済の効率性が高まる等の利点が生まれることもありますが、現状の仕組みのままでは「当たり前が当たり前ではなくなる」リスクが生まれることもあります。このため、事前に確りと、決済システム運営者や参加者等との対話を通じた金融取引や決済の現場からみた改善点に関する情報の収集、データ分析等を行うなど、様々な観点からの検討を行う必要があります。

そして、オーバーサイトの一環としての調査・分析を通じて培った問題意識を他国中央銀行・監督当局参加者と共有する場が、国際会議です。議場で発言するだけではなく、場外で参加者と親交を深め、情報交換をします。非公式に朝食等を共にしてリレーションシップを深めておくと、国内にいる際も、メールや電話でコミュニケーションをとりやすくなります。もちろん、国際会議の前後に、決済システム運営者やその参加者等の現地本部を訪問するなどの仕事も忘れません。このように、数日間の出張はいつもあっという間です。

帰国後は、出張中に収集した情報を行内に報告し、オーバーサイトの観点から日本銀行として何をすべきか、を中心に議論し、具体的な対応策を固めた後、必要に応じて行内外の関係者に働きかけます。このように、国際会議で議論したことを、具体的な対応策を講じて実現していくことが、日本銀行の「国際的な仕事」の面白さの一つであると思います。もちろん、国際協調オーバーサイトの参加者としての仕事は、その後も続きます。次の国際会議を待つまでもなく、電話会議や電子メールによってオーバーサイト上の課題を議論しあい、また、緊急時には速やかに連絡をとって協力し合える体制を常に維持しています。

以上が、決済機構局における「国際的な仕事」の一例です。もっとも、私自身も就職活動をしている時点では、「国際的な仕事」というと国際会議をイメージしている程度で、気持ちの上でも漠然とした憧れに止まっていたように思います。「国際的な仕事」は国内にいる時にいかに検討し、具体的な企画立案に繋げるか、といった業務と併せて一つであると気付き、また、「国際的な仕事」を通じて貢献したいという確固たる熱意を抱くようになったのは、日本銀行に入行し、様々な経験を経たからです。

漠然とした憧れから確固たる熱意へ

大学時代は、生来からの世界史好きと漠然とした「グローバルに貢献できるようになりたい」という思いから、国際関係論を専攻しました。国際政治、国際法、国際経済を三本柱として学びましたが、特に金融への関心が高まったことから、日本銀行に応募しました。

入行後最初に配属された静岡支店では、製造業の調査担当として、生産動向や雇用情勢等を調査しました。当時、一部では明るい兆しがみられていましたが、「統計やニュースからは一見してわからないところはどうか」という問題意識から、特に中小製造業の動向に関心をもち、新規先の開拓も含めて一人で企業訪問を繰り返しました。中小企業が金融危機の余波から立ち直るまでがいかに困難かを目の当たりにし、セントラル・バンカーとして自分が何をすべきかを考え始める契機になりました。

その後本店に異動し、銀行規制の策定等に関する国際会議を担当する金融機構局国際課へ配属になりました。配属当時は、バーゼルIIIという銀行規制の年内公表に向けて、諸先輩が各国中央銀行・当局と全力で議論を繰り広げている真っ最中であり、配属初日から部署にみなぎる覇気とスピード感に圧倒されました。暫く主要な争点や国際会議への参画の仕方を学んだ後、あるチームに本邦代表として参加する機会に恵まれました。スイスのバーゼルに一週間単位の出張を繰り返し、バーゼル銀行監督委員会という国際機関の事務局員及び他国メンバーと机を並べ、バーゼルIIIを導入した場合に各国の金融機関にどのような影響がでるかデータ分析を行い、報告書を執筆、公表するという仕事でした。このチームには国際課から転出するまで在籍しましたが、参加すればするほど、より適切な意見構築のために、日本の現状をより深く調査・分析したい、理論的な理解力、定量的な分析力ときめ細かな英語力を確りと身につけたいという思いが切実になり、行内の留学選考に手を挙げる決意をしました。

この頃業務では、金融モニタリング課大手金融グループ(現 金融第1課)へ異動し、大手日系金融機関のモニタリング担当をしつつ、「FSB」(Financial Stability Board)傘下の小部会で、主にデータ収集・分析から金融危機予防について議論する他の国際会議に参画していました。毎日モニタリング担当先と対話しつつ、別の角度から金融危機に関する国際会議に携わる中で、バーゼルでみつけた夢は日を追うごとに確かなものになり、プリンストン大学ファイナンス修士課程を第一志望に決めました。国際課時代に、規制策定の参考としてアカデミック・リサーチの現状を調査したことがあり、その中で同課程の複数の教授の論文を拝読したことが決め手になりました。初めての海外生活となった約2年間の留学生活は、厳しい修行の場でした。理数系の同級生に囲まれ、基本的な理論や定量分析ソフトの立ち上げ方すらも知らなかった私は、時に悔しい思いもしました。しかし、「もっと実力をつけてもっと『国際的な仕事』に挑戦したい」という思いを支えになんとか乗り切り、今また「国際的な仕事」に邁進しています。留学中に学んだ知識・技能、英語力は、現在の決済システムのオーバーサイトの仕事の根底を支える分析力や、情報収集能力を高めてくれたと感じています。

日本銀行の業務を通じて、漠然とした「国際的な仕事」への憧れが具体化し、新たな目標ができました。貴方もセントラル・バンカーとして、一緒に世界に羽ばたきませんか。

S.S. さんのあゆみ

2009年4月 総務人事局 入行
2009年4月 静岡支店
2010年9月 金融機構局
2013年7月 米国プリンストン大学大学院留学
2015年5月 決済機構局

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