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【総合職】企画局 Y.M. さん

経済、金融の仕組みを具に知り、金融政策のデザインに繋げる

Y.M. さん

総合職
企画局 政策企画課
企画役補佐

チームの幅広い知識・経験を結集し、
金融政策の全体像を形作る

現在、企画局政策企画課で、金融政策の企画・立案に関わる仕事をしています。ここでは、金融政策決定会合において決定される政策を実際にどのように実現するのかという課題に取り組んでいます。一言に「金融緩和する」といっても、具体的な手段については、短期金利の操作に焦点を当てた伝統的なものから、金融危機後に世界各国で採用されるようになった、長期国債等の資産買入れをはじめとする非伝統的な手法まで幅広いバリエーションがあるうえ、別の新しい手段を提案することも可能です。また、国債を買うとしても、どのような種類の国債を、誰から、いくらで買うのか、買入れの頻度はどうするかなど、派生的に無数の課題が出てきます。こうした数多くの選択肢から、それらの利点・欠点を洗い出した上で適切なものを選び取り、金融政策の全容をデザインするという仕事は、いかに熟練した中央銀行員といえど、一人でこなすことはできません。他部署を含めた経済・金融に関する様々な分野のスペシャリストが、理論や実務について率直な意見を交わし、その結果、それぞれの知見や経験がシナジーを十全に発揮して、ようやく達成されます。こうしたプロセスの一端を担うことにはやりがいを感じますし、知的好奇心が満たされるばかりでなく、自己の成長を実感することもできます。

こうした政策立案プロセスに加え、決定された政策の考え方やその背景となる経済の現状判断・見通しをどのように世間に発信していくかという点も非常に重要です。日本銀行は様々な手段を通じて積極的に情報発信を行っており、公表内容についてはその都度推敲が重ねられます。細かなニュアンスの変更を含め、公表内容の変化には政策的な意図が込められています。私は、金融政策決定会合の結果をまとめた対外公表文や議事要旨、総裁・両副総裁の対外講演等について、内容のチェックを担当しています。これには、公表内容の背後にある日本銀行の判断や考え方を深く理解しておく必要があり、経済や金融に関する知識や中央銀行員としての幅広い経験を総動員して職務に取り組んでいます。

以下では私がどのような知識、経験を得てきたのか簡単に振り返っていきたいと思います。

実体経済をどのようにみるか

入行1年目の前橋支店での産業調査においては、地元の中小企業の経営者の方々から様々なお話をお聞きすることを通じて、マクロ経済の動きが、地域経済ひいてはその地域に暮らす人々にどのような影響を与えているのか、具体的に知ることができました。例えば、ある車種のフルモデルチェンジが行われ、自動車部品の発注を受けた工場の稼働率が大きく上昇すると、工場の管理者は、新たな生産ラインを増設するべきか、工員を増やすべきか、具体的に考えなければなりません。こうした判断の背後にある企業経営者の思考様式や哲学に直に触れることで、マクロ経済における需要ショックが、どのように設備投資の増加や雇用環境の改善に繋がっていくのかという波及経路をリアルに感じることができました。

2年目からは、本店調査統計局の経済調査課企業調査グループに配属となり、引き続き産業調査を経験することになりました。ここでのヒアリングの対象は、マクロ経済にも大きな影響力を持ち得る大企業です。彼らは、広範にアンテナを広げて世界経済の動向を含め多くの情報を得て、製品やサービス需要の把握に努めています。経営者の経営理念等も含め、我が国を代表する経済主体がどのような考えで意思決定をしているのかについて、その一端を学べたことは貴重な経験となりました。もちろん、日本銀行は企業からのヒアリング情報だけで景気判断をしているわけではありません。次に配属された経済調査課景気動向グループは、多岐に亘る経済統計を読み解き、日本経済の現状を把握した上で先行き見通しを作成している部署です。ここでの分析内容は、政策委員会で議論されたうえで、最終的には経済・物価情勢の展望(いわゆる展望レポート)として公表されます。この部署では、設備投資や個人消費といったGDPを構成するコンポーネント毎に担当者が配置されています。私は個人消費の担当として、日々公表される関連統計の解読・説明に明け暮れていました。経済統計をみるというと「単に公表された数字をみればよいだけだろう」と思われがちですが、統計から実体経済の情勢に関するインプリケーションを正確に導き出すためには、具体的な調査方法や公表値の加工方法、それらを反映した統計の動き方の「クセ」等、多くの前提知識が必須となります。チームでは、各分野の経済分析のプロ達が、豊富な前提知識を駆使し、マクロ経済の解析に勤しんでいます。

調査統計局で3年を過ごした後、米国で経済学を勉強する機会を得ました。経済理論を学ぶことは、ダイナミックに変化していく経済を的確に把握し、ベストな金融政策運営に役立てていくという意味で重要であるのはもちろん、そもそも金融政策がなぜ効くのかという日本銀行の存在理由を知るという観点からも非常に大事だと思います。

金融市場をどう理解するか

帰国後、金融市場局の市場調節課に配属となりました。ここは、日本銀行による公開市場操作(オペレーション)を実行する部署で、数千億〜数兆円単位の資金が、様々な手段を通じて日々市場に供給されています。私は、市場モニタリングを担当し、同僚達と共に、オペの後の各金融市場の反応について取りまとめ、上司に報告する毎日でした。ここでの報告内容は、翌日以降のオペ運営に即座に役立てられることになり、いわば「答え合わせ」が毎日繰り返されることになります。特に、「量的・質的金融緩和」導入以後は、オペの頻度も大きく上昇し、苦労もありましたが毎日何かが起こる非常にエキサイティングな職場でした。

ここで、金融市場の日々のダイナミクスを直に体感できたことは大きな財産になりました。市場取引の背後には、取引主体の業態・ビジネスモデルの違いや各種金融規制への対応方針等の個別の事情があります。単なる利潤最大化の結果として済ませるのではなく、そうした取引誘因を細かく知ることを通じて初めて、市場における価格形成メカニズムへの理解を深めていくことができます。こうしたきめ細やかな金融市場のモニタリングは、日本銀行による金融市場調節に大きく役立っています。

市場調節課で経験を積んだ後、ニューヨーク連邦準備銀行の市場局(Markets Group)へ出向する機会を得ました。ここは、連邦公開市場委員会(FOMC)の決定のもとで、市場オペレーションの実行と市場関連のリサーチ等を担当しています。ここでは、住宅ローン担保証券(MBS)チーム、国内短期市場チーム、国債チームに所属しました。担当者は、日々のマーケットの動向やオペの結果、それを受けた市場の反応等について、一日に数回ブリーフィングを行います。ここでのブリーフィングのほか、チーム内での会議、市場関係者へのヒアリング等、金融や市場についての知識はもちろん、英語力や積極性も必須でした。また、ウォール街で働く人々が具体的に何を考え、どういう基準・感覚で市場取引を行っているのか、具体的に知ることができたのは非常に貴重な体験でした。国債チームでは、金利オプションの分析チームを取りまとめるなど、判断を任されるという貴重な経験を得ましたが、市場局長から日頃あまり注目していない地域のオプション市場について突然話を振られ、背中に嫌な汗をかくこともしばしばありましたし、ニューヨーク連銀総裁に対するプレゼンの場で、彼の質問の英語が理解できず、顔面蒼白になったこともありました。とはいえ、米国のセントラルバンカー達との交流を含め、とても楽しく充実した出向生活だったと思います。

金融政策に資するため、さらなる知識・経験の蓄積を目指す

以上の約10年間で学んできた様々なことが、冒頭で紹介した現在の仕事の助けとなっています。ただ、中央銀行マンを名乗る上では、まだまだ知識も経験も足りていないと痛感することも多くあります。これまで得たものを活かしつつ、今後も、日本銀行の金融政策に少しでも貢献するため、貪欲に知識や経験を積み上げていきたいと考えています。

Y.M. さんのあゆみ

2005年4月 発券局入行
2005年7月 前橋支店
2006年9月 調査統計局
2009年7月 ボストンカレッジ留学
2011年6月 金融市場局
2013年10月 ニューヨーク連邦準備銀行
2015年6月 企画局

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