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【特定職(業務分野特定タイプ)】業務局 T.O. さん

常にユーザー視点で考える

T.O. さん

特定職 業務分野特定タイプ
業務局 総務課
新日銀ネット企画グループ
企画役補佐
(現 秋田支店 業務課長)

「習うより、慣れろ」

新日銀ネット構築プロジェクトは、1988年に稼動を開始した旧日銀ネットを全面的に更改する大規模プロジェクトです。「最新の情報処理技術の採用」、「変化に対して柔軟性の高いシステムの構築」、「アクセス利便性の向上」の3つを基本コンセプトとして、政策委員会室におけるタスクフォースの設置(2008年10月)から7年もの期間をかけて開発され、第1段階は2014年初に、第2段階は2015年10月に稼動を開始しました。

私は、2014年初から業務局総務課新日銀ネット企画グループに配属となり、日本銀行の金融市場調節の主な手段である資金供給オペレーションや金融機関に対する貸付、その担保の管理を行うシステムの担当者としてプロジェクトに参加しました。それまで旧日銀ネットに関わる仕事を経験してきたこともあって、この歴史的なプロジェクトに是非、携わってみたいと思っていましたので、プロジェクトのメンバーに選ばれた時は、「これまでの経験を活かしてプロジェクトの成功に貢献できるように頑張ろう!」と意欲が湧きました。

私が着任した時点では、第2段階の開発の「テスト工程」に入っていました。テスト工程においては、利用が想定される全ての取引のパターンを尽くしたテストシナリオを作成し、そのテスト結果を検証することによって、システムが適切に開発され、想定外のバグなどが潜んでいないことを確認します。このため、テストシナリオや結果の検証にあたっては、実務がどうなっているのかといった知識も求められます。

着任直後は、旧日銀ネットから大幅に機能が変更されていたことから、新しく知識を習得すべきことが多くありました。しかし、それまで業務局において、日本銀行への担保受払に関する事務を担当し、日銀ネットの入力や関係書類の授受といった実務の基本を把握していたこと、また、そうした実務経験を活かして担保の管理や与信の実行にかかる制度の企画も経験していたため、旧日銀ネットからの機能変更の内容や制度の変更点、これまでの検討の経緯について急ピッチで理解を進めることができました。

しかしながら、プロジェクトの作業期限は刻々と迫っているため、こうした知識の習得はテスト結果の検証と併行して取り組まざるを得ませんでした。まさに「習うより、慣れろ」です。数百種類にも上るテストシナリオに基づく結果検証については、約7か月にわたって行われ、毎週のように、段ボール単位の出力帳票を確認する日々が続きました。大変な作業ですが、万一、バグを見逃したまま稼動開始してしまった場合には、最悪、決済システム全体の運行や日本銀行の政策の遂行に支障を来しかねないため、その重要な意義を噛みしめながら、細心の注意を払って作業を進めました。

ユーザーとのつながり

日銀ネットは、日本銀行と金融機関等との間の資金や国債の決済を担う、わが国決済システムの基幹インフラです。当座預金決済でみれば、約500先の金融機関等が利用し、1営業日平均約6.8万件、約125兆円もの決済が行われています。新日銀ネットに移行するに当たっては、日本銀行本支店のユーザーのみならず、日銀ネットを利用するすべての金融機関のユーザーには、その仕組みや旧日銀ネットからの変更点をしっかり理解してもらい、事務習熟を図ってもらうことが不可欠です。

この点、テスト結果検証と前後して、ユーザーが実際に新日銀ネットを利用して事務を確認・習熟する試験について、テスト内容の検討や実施手順書の作成を行ってきたほか、試験当日は金融機関からの照会に対応するヘルプデスクを担当し、電話照会(多い日には約700件)に対応しました。

また、ユーザーの準備をサポートする取り組みの一つとして、全国9ブロックで計10回にわたって「地域ブロック連絡会」という説明会を開催しました。私は連絡会の企画・立案を行うとともに、自ら北陸・近畿・九州の3ブロックの連絡会に説明者として参加しました。

地域ブロック連絡会では、日本銀行支店や近隣の金融機関に対して留意事項を説明するとともに、質疑応答等を通じて金融機関とのコミュニケーション強化を図りました。

この連絡会には、日本銀行支店は約70名、金融機関は約500先強もの先が参加しましたが、特に金融機関の参加者の中には、「何から手を付ければよいか判らない」という焦燥感を感じている人もいたはずです。連絡会での説明に際しては、着任当初に自分が新日銀ネットのどの点を分かりにくいと感じたかを思い出し、実務的に手触り感のある具体例を用いるなどの工夫を尽くしてプレゼンテーションを行いました。

こうして全力で取り組んだ連絡会は各地で大盛況となりました。金融機関の参加者からは「何を準備しなければならないかが理解できた」、「日銀本支店により気軽に照会できる接点を得ることができた」といった声が多く寄せられるなど、私自身の経験をユーザーのサポートに活かすことができたことで、とても充実した思いを感じることができました。

新日銀ネットへの移行

新日銀ネットへの移行に当たっては、金融機関から寄せられた照会の内容などにあわせて、直前まで追加的に留意事項の連絡や通知を行ったほか、移行前後に新日銀ネットで事務が変更される取引を行う先などには、手分けして個別に電話連絡を行うなど、円滑な稼動開始を目指して直前まできめ細やかなサポートが続きました。

また、日本銀行内においても、取引の情報を新日銀ネットへ引き継ぐためのデータの作成など、移行ぎりぎりまで、一切の漏れがないように緊張感を持って準備作業が進められました。

こうした入念な準備を行ってはいても、新日銀ネットの稼動開始日にシステムが稼動し、取引が円滑に行われることが確認できなければ安心することはできません。稼動開始当日は、金融機関から照会が寄せられた場合などに備えて、関係者が早朝から待機して対応しました。

しかし、実際には、稼動開始日に金融機関からの照会はさほど寄せられず、稼動開始以降初回に処理される重要イベント(振決国債の発行払込など)も着実に実行されていきました。こうして、新日銀ネットへ順調に移行することができたことに深く安堵するとともに、関係者それぞれがこの日のために準備してきた成果が発揮されたからこそ、円滑な稼動開始を迎えられたのだと、大きな達成感を感じています。

私が関わった仕事も、長期にわたる新日銀ネット構築プロジェクトの一部ではありますが、新日銀ネットが円滑に稼動するために必要不可欠な取り組みです。こうした取り組みを通じて、日本の金融システムの根幹を支える決済システムである日銀ネットの安全性および効率性の向上に貢献できているというやりがいを感じました。

新日銀ネットのプロジェクト終了後、秋田支店の業務課長に異動になりました。システム開発から実務の世界に変わりましたが、ユーザーの目線に立って仕事をする必要性は些かも変わりありません。これまでの経験を活かして金融機関の円滑な業務遂行の一助となるよう、引き続き、誠心誠意、職務に取り組んでいきたいと考えています。

T.O. さんのあゆみ

2000年4月 青森支店入行 発券課 総務課 業務課
2005年7月 業務局
2010年5月 決済機構局
2012年5月 業務局

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