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【特定職(業務分野特定タイプ)】発券局 M.N. さん

経済活動の基盤である日本銀行券の安定供給のために

M.N. さん

特定職 業務分野特定タイプ
発券局 総務課
需給管理グループ 主査
(現 発券局総務課需給管理グループ 企画役補佐)

安心して銀行券を使える環境の整備が使命

現在、発券局総務課(需給管理グループ)において、「日本銀行本支店の銀行券の需給・在庫管理」および「翌年度の銀行券の発注量の決定に向けた実務」を担当しています。具体的には、前者については、銀行券が世の中でどれだけ必要となるかについて調査・分析し、日本銀行本支店がその需要に応えられるだけの銀行券を在庫として有しているかを確認のうえ、不足が見込まれる場合には十分に保管している店から補填する計画を立案しています。一方、後者については、日本全国で真に必要と認められる新券の量を算定するため、銀行券の需要動向およびクリーン度の状況(汚い銀行券が増加していないか)を確認し、最終的に日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会において、独立行政法人国立印刷局への発注量を決定するための検討・資料作成を行っています。

ミクロかマクロかの違いはありますが、いずれの業務も日本銀行券の需要動向やクリーン度の状況等の膨大なデータをもとに、時には深夜まで、担当者とともに先行きをシミュレーションし、より確度が高いと考えられるものを選択して上司に報告する仕事です。しかし、データだけで先行きの方向感を見極めることには限界がありますので、先行きを見通すためには、日本銀行本支店はもとより、実際の日本銀行券の流通の担い手である金融機関や警備輸送会社へのヒアリングが欠かせません。このように、各種ヒアリングを通じて、日本銀行券の流通状況の実態把握に努めているわけですが、長引く低金利や景気動向による影響等のみならず、昨今では訪日外国人観光客の増加等、日本銀行券を巡る環境は大きく変化しており、一筋縄ではいかない仕事です。

発券・業務・営業・文書の4つの系統の中から、発券系統に特に魅力を感じるようになったのは、入行後最初に配属された松山支店で改刷を経験したことがきっかけでした。松山支店では、4つの業務全てを経験しましたが、入行直後に配属された発券課において、日本銀行券の20年振りの改刷に微力ながら携わり、日本銀行の根幹業務である発券業務の重要性を改めて認識するとともに日本銀行独自の業務であるが故の責任の重さを痛感しました。

松山支店から発券局に異動した後は、戸田発券課および日本橋発券課において機械化された設備や扱う物量の多さに戸惑いながら、実務知識の習得に努めました。その後、総務課(機械計画グループ)に配属され、発券業務を支えるインフラ設備の新規導入や安定稼動のためのサポート業務を担当しました。2011年3月に発生した東日本大震災では、盛岡市に開設した臨時引換窓口に出張し、被災した方々から持ち込まれた津波や火災で傷んだ銀行券・貨幣の引換事務に従事しました。被災直後に日本銀行の支店のない不慣れな環境の中で、泥塗れになった銀行券や貨幣を水で洗って1枚1枚ドライヤー等で乾かしながら鑑査を行い、綺麗な銀行券や貨幣に引換えるためには、通常の倍以上の時間を要したわけですが、少しでも被災した方々の力になろうと精一杯取組みました。大震災により混乱を来す状況下でも、仲間とともに、国民生活にとって重要なインフラである日本銀行券を安定的に供給するという使命を果たすことができた経験は、かけがえのない財産です。

発券局配属後4年が経過した頃、中央省庁との人事交流の一環で、特定職として初めて財務省で勤務することとなりました。財務省では、日本銀行における発券業務の根拠となる法令を担当し、偽造通貨対応や改良五千円券(触感が印刷面と異なる透明シール部分を大きくすることにより券種の識別性を向上させたもの)の発行開始に向けた諸準備を行いました。具体的には、偽造通貨対応としては、外国政府機関と日本銀行券の偽造に関する情報交換や偽造対策の取組みに関する意見交換を行いました。一方、改良五千円券開始に向けた準備としては、改良券の仕様の決定にかかる関係者調整や省内説明資料・国会答弁書の作成等を行いました。影響範囲の広い仕事でしたが、いずれも出向しなければ得られない貴重な経験であり、この経験を今後の職務に活かしていきたいと考えています。

当たり前を当たり前に提供し続ける

日本銀行券は国民誰もが経済活動において「当たり前」に利用する決済手段であり、国民生活の根幹に根付く重要なインフラです。この日本銀行券の特徴としては、諸外国の銀行券と比較して、偽造券が圧倒的に少ないこと、そして流通している銀行券が綺麗であることが挙げられます。実際、海外旅行に行かれたことのある方だとお分かり頂けると思いますが、最高額面券(日本銀行券では一万円券に当たります)を取引で拒否されることのない国は実は世界でも少なく、また、流通している銀行券のクリーン度を比較すると日本銀行券が圧倒的に綺麗なことが分かります。これは、国民の皆さんが丁寧に使って頂いていることも一因ですが、日本銀行券を安心して使って頂くために、日本銀行が、金融機関から戻ってきた銀行券(年間約100億枚)1枚1枚について、真偽および再流通に適するか否かを鑑査していることが大きな要因と考えられます。

日本銀行券はいわば日本銀行の商品ですが、貴金属等とは異なりそれ自体の価値(製造単価)を超える価値(額面金額)が人々の信用によって成立しているやや特殊な商品と言えます。この商品を国民の皆さんに安心して「当たり前」に使って頂くためには、何より「商品自体に対する信頼」と「商品を提供する日本銀行への信用」を得る必要があります。

「商品自体の信頼」を得るためには、銀行券のクリーン度維持等により偽造券の流通し難い環境を整えるとともに、より偽造されにくい将来の日本銀行券のあるべき姿について、関係機関とともに日頃から検討しておくことが必要です。また、「商品を提供する日本銀行への信用」を得るためには、発券業務に従事する我々が前述の鑑査等において、日頃から堅実な取扱いを励行することが必要であり、常に自分を律し、世の中の変化に敏感に反応する高い問題意識を持つことが求められます。こうした取組みによって、我が国で唯一日本銀行に認められた銀行券の発行権限(日本銀行法第1条)を全うできるものと考えています。

変わりゆく環境の中で変わらぬ使命を果たすために

日本銀行における発券業務は130余年が経過した歴史と伝統のある業務であり、その使命は、今も昔も「国民の皆さんが安心して銀行券を使える環境を整備する」という点に変わりありません。一方、年月の経過とともに日本銀行券を巡る外部環境は大きく変化してきました。こうした外部環境の変化に適切に対応し、堅実に事務を取扱える「発券業務のエキスパート」となれるよう、今後も自己研鑽を積んでいきたいと思います。

また、発券業務においても個の力を磨くことは当然必要となるわけですが、銀行券を取扱うという特殊性ゆえに一人で閉じることのない仕事であり、チームワークを欠かすことはできません。このため、円滑な職場環境の醸成に取組むとともに、組織力向上の一翼を担うためにも、これまでの経験や先輩達から指導してもらった点を踏まえ、今後は後輩職員の育成にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

M.N. さんのあゆみ

2004年4月 松山支店入行 発券課 業務課 総務課
2008年7月 発券局
2012年7月 財務省出向
2014年7月 発券局

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