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震災対応

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決済機構局において、大きな災害時でも日本銀行がしっかり機能できるように体制整備しておく仕事をしています。東日本大震災では、地震発生直後から、総裁を本部長とする災害対策本部の事務局として対応に当たりました。
災害対策本部では、金融システムの根幹を担う日銀ネットの運行に問題がないことなどをいち早く把握して、日本銀行の業務が通常通り継続できることを速やかに公表しました。また、金融機関・市場インフラの被害に関する情報を収集して共有・分析したり、支店支援などの方針を決定し、その実施を指示する役割を担いました。
多くの職員が極めて多忙な数週間を過ごすことになったのですが、皆を支えていたのは、中央銀行業務の遂行に対する強い使命感だったような気がします。
震災は、広域で甚大な被害をもたらしましたが、日本銀行は一貫して必要な業務を継続し、わが国の決済・金融機能は維持されました。これは、予め準備していた「業務継続計画」や日ごろの訓練が有効に機能したためと考えています。仕事に手応えを感ずるとともに、中央銀行の役割の重要性を改めて認識しました。

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被災当日、私は休暇でしたが、直ちに支店に駆けつけ、翌日以降の業務準備のため支店に泊り込みました。金融機関は、被災者・企業の現金需要に応えるため、多額のお札を必要としていたことから、当支店では休日である翌土・日曜日に窓口を開け金融機関に約4百億円の現金を支払いました。また、津波や火災で傷んだお金も大量に持ち込まれ、きれいなお金に交換するため、盛岡に「臨時引換窓口」を開設の上、阪神淡路大震災当時の4倍近い量(東北合計で33億円、窓口に来られた方は4千人超)の「引換え」を行いました。そのために他の本支店から応援に来た職員も延べ千人以上に上ります。
こうした対応を通じて、日本銀行の使命である「国民が通貨を安心して使える環境をつくる」ことに貢献できたと思っています。

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支店の業務課で、国民の皆さんが金融機関で納めた税金等を官庁別・会計別に集計し国庫金として計理する事務を担当しています。地震が発生したのは当日分の集計を始めようとした時間帯でした。大きな余震が続くなか、課員全員が協力して各種の連絡や復旧作業を分担し、当日の業務を乗り切りました。
翌週からは、金融機関の店舗閉鎖やガソリン不足に伴う集荷不能により、金融機関から取引証票が到着しないなど異例の事態が発生し、通常とは異なる事務手順で取引を行うことが必要となりました。しかし、日頃から訓練を通じてこうした事態に備えた手順の習得に努めていたためスムーズに対処でき、微力ながら国庫金を安全確実に取り扱うという大きな使命に貢献できたと感じています。

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今回のような大震災では、津波や火事で傷んで使えなくなってしまうお金が大量に発生します。こうしたお金を1枚1枚確かめながら、新しいお金に引き換えていくのも日本銀行の大切な仕事です。私も、3月から8月までの間、毎月1週間、被災地の仙台支店や盛岡の臨時引換窓口に出張し、この仕事に携わりました。
窓口には、金融機関だけでなく、一般個人の方も多数来店され、膨大な傷んだお金に圧倒される悪戦苦闘の日々でしたが、被災者の方々から「ありがとう」という感謝の言葉を頂くと、日本銀行員として被災された方々のために少しでもお役に立てたと実感することができました。また、銀行券の発行や流通という日本銀行の仕事が国民生活を支えるインフラになっているのだということを改めて強く感じる機会となりました

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震災当時、業務局統括課で金融機関同士の取引をオンラインで決済する日銀ネットの運行管理に従事していました。日銀ネットがダウンしたり、金融機関の支払がストップしてしまうと、経済活動に大きな影響が出てしまいます。私達は、日頃から金融機関のシステム障害や資金不足、支店の業務不能などを想定した多様な訓練を行っていましたが、震災では様々な事態が同時に発生し、短時間でそれらに対応することが要求されました。
私はシステム情報局や支店にも在籍したことがあり、様々な部署で得た経験・専門知識と、その中で築いた内外関係者とのネットワークによって、今回の震災対応に貢献できたと思っています。これからも、この経験を糧に我が国の決済システムの安定確保に向け努力したいと思います。

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文書局は日本銀行の業務が円滑に運営されるよう、各部署や職員をサポートする部署です。震災当日は、局員が一丸となって本支店の建物・設備の損壊状況の把握に努めました。翌週からは、被災地支店に事務応援要員や技師を送り込んだり、業務継続に必要な物資や現金を輸送するなどの対応を進めました。
私は「被災地で働く職員への食事の提供」を担当していましたが、2年前まで福島支店に勤務していたこともあり、かつての同僚の顔を思い浮かべながら、飲食料の調達・搬送に奔走しました。
今でも、「日本銀行が業務を継続することで、少しでも被災地の方々のお役に立てるよう、文書局が職員をサポートする」との使命感を胸に、仕事に臨んでいます。

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当日は、地震直後から金融機関が必要な資金を確保できているか、被災状況はどうかなどの確認作業で張り詰めた時間が続きました。金融システムで何が起こっているかを把握するだけでも大変な作業でしたが、その日の資金決済が無事に終了したときは緊張感が一瞬和らぎ、仲間と大きな仕事をやり遂げた安堵感と職場の一体感に包まれました。
その後も、「国民生活を支える金融インフラを何としても維持する」との強い気持ちを持って、仕事に臨みました。被災地での現金需要、余震や計画停電の影響といった情勢変化を的確に捉え、具体的な対応を検討する仕事は、とてもチャレンジングでした。こうした仕事を通じて金融システムの安定に貢献できた充実感とともに、その責任の重さを改めて感じています。

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金融機関との間で日々数兆円規模の資金を取引する金融市場調節の仕事を担当していました。
震災発生直後は、短期金融市場において、資金の出し手が資金放出を控え、資金を必要とする金融機関が調達し難い状況となりました。金融市場局は、市場の不安定化を防ぐため、市場参加者の方々と緊密に連絡を取り合うとともに、金融市場に1日としては過去最大となる21.8兆円の資金供給を実施しました。
震災対応では、苦しい局面においても、日本の金融インフラを支えるという強い使命感を持った仲間達と協働できたことが、大きな力となりました。また、日頃からの地道な業務習熟や市場参加者の方々との間で信頼関係を醸成しておくことの重要性を改めて実感しました。

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企業調査グループは、企業のご協力を得て直接お話しを伺うことなどを通じ、企業活動の調査・分析を行っています。
震災後、私が担当している電子部品業界は、IT需要の変化に加えて、工場の被災、部材の調達難、電力の供給懸念など、前例のない様々な事態に直面し、先行きを見通すことが非常に困難な状況になりました。しかし、こうした中でこそ、企業から伺うミクロ情報が、景気判断を行う上で極めて貴重な材料となります。企業の方には、マクロ的な視点に基づく私なりの仮説をお話して、それに対して有益な示唆やご意見を頂き、そうして得た「点」の情報を「線」に繋げるように分析を進めました。
今回の震災を通じて、ミクロ調査も活用した日本銀行の経済分析の意義を再認識しました。

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