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「全国銀行協会」発足式における総裁挨拶

1999年 4月20日
日本銀行

  1. (1)本日ここに「全国銀行協会」の発足式が開催されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。
  2. (2)全国銀行協会の前身である「全国銀行協会連合会」は、昭和20年に発足して以来、銀行の経営や業務運営に関する種々の問題に取り組まれ、多くの成果を挙げてこられました。特に、私ども日本銀行にとりましては、「全国銀行協会連合会」は、全銀システムをはじめとする民間の資金決済システムの運営・改善を含め、数多くの分野で、意見交換や協力をさせていただいた、大切なパートナーでもありました。
  3. (3)本日、新しく「全国銀行協会」として新たにスタートを切られるに至ったのは、わが国の金融界が、かつてない大きな転換期を迎えているなかにあって、関係各位の方々が、これまでの連合会の役割を様々な観点から見直された、ご努力の賜物と存じます。これにより、組織運営全般の透明性・効率性の向上や、迅速かつ機動的な意思決定プロセスの確立などを実現すべく、新たな第一歩を踏み出されたことは、極めて意義の深いことだと考えております。
  4. (4)わが国では、金融システムの再生に向けて、関係者の方々による懸命な努力が続けられているところであります。それは、端的には、資本の増強や経営効率化を通じた、不良債権問題の克服ということであります。しかしながら、金融がグローバル化していくなかで、我が国金融界が内外からの信認を回復し、真の再生を果たすためには、当局を含めた金融界全体が自己責任や市場機能に軸足を置いた新たな基本理念へと転換していくことが大前提になるのではないかと思います。
  5. (5)やや具体的に言えば、第1には、個々の金融機関が、リスク管理に十二分に意を用いつつ、それぞれが優位性を発揮できる分野を見極めながら、経営のあり方を自らの責任で真剣に検討し、実行に移していくことが重要となることです。その際には、内外の金融再編の大きな流れをも視野に入れた対応が必要となってくるものと考えられます。第2には、市場機能の活用という観点から、経営実態のディスクロージャーを一段と推進していくことです。このような考え方を、今後は、更に定着させ、まさに実践していくことが求められるということです。
  6. (6)こうした基本理念の下で初めて、21世紀に向かって期待される将来像、すなわち、創意工夫や切磋琢磨を通じて、個々の金融機関が夫々の持ち味を発揮しつつ、全体として多様なサービスが提供される、効率的かつ安定的な金融システムの構築が可能となるものと考えられます。
  7. (7)本日、新たに発足した「全国銀行協会」におかれましては、このように重要な課題に直面しているわが国の金融界において、新しい組織体制の下で英知を結集され、その役割を存分に発揮されていかれるものと、大きな期待を寄せている次第であります。
  8. (8)最後に、本日のこの記念すべき発足の日にあたり、新しい「全国銀行協会」を中心として、わが国金融界が、新たな時代を切り拓いていかれることを心からお祈りして、私の祝辞とさせていただきます。

以上