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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2011年7月)

2011年7月4日
日本銀行

(1)世界経済は、減速しつつも回復を続けている。国際金融市場をみると、欧州では、ギリシャのソブリンリスクを懸念する動きなどから不安定な状況が続いている。国際商品市況は、高値圏での横ばい推移となっている。

(2)わが国の経済は、震災の影響により、生産面を中心に下押し圧力が続いているが、持ち直しの動きもみられている。すなわち、生産や輸出は、震災後に大きく低下し、国内民間需要も弱い動きとなった。こうした下押し圧力はなお続いているが、最近は供給面の制約が和らぎ始め、家計や企業のマインドも幾分改善しつつあるもとで、生産活動や国内民間需要に持ち直しの動きがみられている。

(3)先行きについては、わが国経済は、当面、生産面を中心に下押し圧力が残るものの、供給面での制約がさらに和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、緩やかな回復経路に復していくとみられる。

(4)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、小幅のプラスとなっており、先行きも、小幅のプラスで推移するとみられる。なお、本年8月の消費者物価指数の基準改定に伴い、同指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。

(5)わが国の金融市場は、全体として安定している。金融環境については、総じて緩和の動きが続いているが、震災後、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われる。
 わが国金融システムは、全体として安定性を維持している。金融機関の2010年度決算は、有価証券売却益の増加や信用コストの低下などから、大手行を中心に前年を上回った。もっとも、貸出利鞘の縮小などから、基礎的な収益力は低下を続けている。こうした中、震災の影響を含めた信用リスクの動向など、今後の金融システムの状況については、引き続き注意深くみていく必要がある。

(6)日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。今後とも、震災の影響を始め、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。