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貯蓄と消費に関する世論調査(平成9年)

1997年 9月19日
貯蓄広報中央委員会
(事務局 日本銀行情報サービス局)


 以下の資料では図表等を一部省略しています。図表を含む全文については、こちらから入手できます (ron9709a.lzh 158KB[MS-Word])。


1.調査の目的
 この調査は、貯蓄広報中央委員会が全国の普通世帯(世帯員2名以上の
世帯)における貯蓄や借入金の実態、生活設計や家計管理の状況などを把握
して貯蓄運動に役立てることが目的です。昭和28年以降毎年1回実施され
ています。
2.調査対象世帯
 全国から400の調査地点を選び、各調査地点から無作為に15の普通世
帯を選ぶことによって計6,000の調査対象世帯(標本)を抽出しました。
3.調査の時期
 平成9年6月20日(金)から6月30日(月)
 調査結果の詳細を取りまとめた冊子を発行しています。入手ご希望の方は、
ときわ総合株式会社出版調査部(電話03−3270−5713)までお問い合
わせ下さい。
4.調査項目
(I)貯蓄
1.貯蓄保有額
2.貯蓄の種類別保有状況
3.貯蓄種類の選択基準
4.貯蓄の目的
(II)金融環境の現状に対する認識と行動
1.各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方
2.預金保険制度の認知度
3.貯蓄をより安全にするためにとった行動
4.低金利下での家計行動
5.金融機関に対するサービス改善要望
6.悪徳商法の経験
(III)新しい金融環境に対する受け止め方
1.ビッグバンに対する考え方
2.外貨建て金融商品の保有と外為法改正
(1)外貨建て金融商品の保有
(2)外為取引自由化への興味
3.今後取引のウエイトを増やしたい金融機関
(IV)消費
1.消費
(1)過去1年間の収支動向
(2)過去1年間の消費の増減動向
(V)生活の設計
1.「経済的豊かさ」と「心の豊かさ」
(1)経済的豊かさ
(2)心の豊かさ
2.生活設計の策定状況
(1)「生活設計」策定の有無
(2)家計簿記帳の動向
3.老後の生活
(1)「老後の生活」への心配
(2)老後の生活を心配する理由
(3)老後の生活費と収入源
(4)年金に対する考え方



(I)貯蓄

1.貯蓄保有額
  貯蓄商品には、銀行等が扱う預貯金のほか、信託、株・債券・投信などの
有価証券、掛け捨て型を除く保険などがある。
 これらの貯蓄商品の保有額について尋ねたところ、本年の貯蓄保有世帯
(3,847世帯)の1世帯当たり平均貯蓄保有額は、1,347万円と前年比小幅
の増加となった。また、貯蓄保有世帯の中央値(注)は、800万円と前年
同額となっている。
 (注) 中央値とは、貯蓄保有額の少ない世帯から多い世帯に並べた
    ときに中位に位置する世帯の貯蓄保有額のこと。例えば、全世帯
    が9世帯ならば、少ない順から5番目の世帯の貯蓄保有額が中央
    値となる。平均的な家計像をとらえるには、平均値が貯蓄分布の
    うち高額保有層に引きずられて実感よりも高めになるため、より
    実感に近い中央値を併せて用いる。
       貯蓄保有世帯の平均貯蓄保有額(1世帯当たり)
                              単位:万円
   平成2年  3年  4年  5年  6年  7年  8年  9年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
平均値 1,181   1,165   1,259   1,300   1,300   1,287   1,301   1,347
中央値   700     685    725     732    750     763    800     800
2.貯蓄の種類別保有状況
 貯蓄保有額の種類別構成比をみると、「預貯金」(56.1%)が引き続き
大きく、次いで「生命保険・簡易年金」(21.0%)、「有価証券」(10.3%)
の順となっている。その増減状況をみると、前年と比較して株式を中心に有価
証券が減少する一方、預貯金と保険・年金が増加している。
 ここ数年の種類別の構成比についてとらえると、預貯金は平成6年以降4年
続けてウエイトを高めているほか、保険が3年連続で上昇している。また、個人
年金についても増加傾向がみられる。
 なお、今後1年間で最も重視する貯蓄の種類としては、「預貯金」と回答した
世帯が7割強となっている。
          貯蓄保有額の種類別構成比
                         単位:%、(万円)
      平成4年  5年  6年  7年  8年  9年(実額)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 預 貯 金  54.7    50.2    51.6    53.8    55.0    56.1(755)
貸付・金銭信託  6.0     6.4     5.9     5.4     4.2     3.8( 51)
生保・簡易保険 18.2    19.8    19.8    20.0    20.2    21.0(283)
個 人 年 金  2.1     3.5     3.5     3.9     4.6     4.8(65)
有 価 証 券 13.6    14.4    12.8    11.3    11.8    10.3(139)
 うち株 式    9.3     9.5     7.9     7.0     7.6      6.8( 92)
3.貯蓄種類の選択基準
 貯蓄を選択する際の基準(最も重視すること)をみると、「安全性」を重視する
世帯割合が約5割近くに達し、次いで「流動性」、「収益性」の順位になっている。
 これまでの調査結果と比べると、「安全性」の水準は前年(46.8%)よりも2.5%
ポイント上昇し、設問内容が連続する昭和52年以来の高い水準となった。一方、
「収益性」は、前年よりもさらに4.0%ポイント低下して過去最低(前年19.3%)を
更新した。
             貯蓄種類の選択基準
                          単位:世帯割合%
     平成3年  4年  5年  6年  7年  8年  9年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 収益性   29.1    27.9     25.2    24.5    22.3    19.3     15.3
 流動性      28.1    27.3     27.1    27.7    29.3    30.2     30.9
 安全性      37.0    41.2     43.5    43.1    45.0    46.8     49.3
4.貯蓄の目的
 貯蓄の目的(3項目以内での複数回答)としては、従来より「病気・災害への備
え」、「老後の生活資金」、「こどもの教育資金」の3つが上位に挙げられており、
以下「住宅取得・増改築資金」、「こどもの結婚資金」、「旅行・レジャー資金」が
続いている。
 ここ数年の傾向としては、上記貯蓄の目的のうち「病気・災害への備え」と「こど
もの教育資金」が低下を続ける一方、「老後の生活資金」が上昇している。
 貯蓄の目的を年代別にみていくと、ライフステージの変化に対応する形で、20〜
40歳代では「こどもの教育資金」や「住宅取得・増改築資金」を挙げる世帯が多い
一方、50歳代以降では「老後の生活資金」が、また70歳以上では「遺産を子孫に
残す」が各々ウエイトを高めている。
              貯蓄の目的
              3項目以内での複数回答、単位:世帯割合%
         平成4年  5年  6年  7年  8年  9年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
病気や災害への備え  68.3    70.9    69.4    71.2    69.7    69.1
老後の生活資金    48.2    50.1    51.6    52.9    53.9    53.2
こどもの教育資金   36.0    35.8    34.6    33.9    33.1    31.8
貯蓄していれば安心  23.0    23.5    24.2    25.2    25.9    24.9
住宅取得等の資金   17.8    19.1    19.4    20.0    20.3    19.7
こどもの結婚資金   14.9    16.4    14.5    14.7    14.4    13.4


(II)金融環境の現状に対する認識と行動

1.各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方
 金融自由化が進展する中にあって、金融資産運用に関する自己責任原則
への認識を、各金融商品別に尋ねたところ、株式では「自分で責任を持つ
のは当然」との見方が過半の52.1%に達した。
 また、外貨預金、ハイテク商品・デリバティブ商品(金融自由化の過程
で開発された新しいタイプの金融商品)、公社債投信については、「わか
らない」が最も多くなり、これに「自分で責任を持つのは当然」が続く形
となった。
 さらに、預金(外貨預金を除く)、保険といった、取扱金融機関によって
元本保証されている金融商品については、「自分で責任を持てと言われても
困る」が半分近くを占め、「自分で責任を持つのは当然」を上回った。
     各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方
                         単位:世帯割合%
           自分で責任を  わからない 自分で責任を持て
           持つのは当然        と言われても困る
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  株  式         52.1     31.4     13.2
  外貨預金         35.5     45.7     14.9
  ハイテク商品       33.4     47.9     15.0
  ・デリバティブ商品
  公社債投信        29.2     46.4     20.7
  預  金         25.6     26.2     46.5
  保  険         19.5     30.4     47.5
2.預金保険制度の認知度
 預金保険制度(注)を知っているかどうかを尋ねたところ、「全く知ら
ない」が44.3%と最も多く、次いで「見聞きしたことはある」が42.9%と
なっている。「内容まで知っている」は、前年(11.7%)よりも僅かに増えた
が、12.7%に止まっている。
   (注)預金保険制度は、預金者の保護を図るため、金融機関が
      預金の払戻し停止した場合に、預金者等に対して保険金
      (1金融機関ごとに1預金者当たり元本10百万円まで)
      の支払いと預金等債権の買取りを行うほか、破綻金融機
      関に係る合併等に対し適切な資金援助等を行い、これに
      より信用秩序の維持を図ることを目的とする制度。
 貯蓄保有額別にみると、貯蓄額が10百万円未満の世帯では、「全く
知らない」が半数に達しているが、10百万円を超える保有額を有する
世帯では「全く知らない」が全体の30.0%となる一方、「内容まで知って
いる」が20.8%となった。
3.貯蓄をより安全にするためにとった行動
 貯蓄をより安全なものにするための行動については、「何らかの行動
をした」が39.9%、「とくに何もしていない」が59.7%となった。
 これまでの行動については、「信用度の高い金融機関に預け替えた」が
全体の11.3%となっている。さらに、これからの態度については、「今後
は見直す」が全体の25.6%となっている。
4.低金利下での家計行動
 現行の金利情勢の下で、貯蓄に関してとった行動については、「何らかの
行動をした」が34.5%、「とくに何もしていない」が65.4%となっている。
 また、これまでに行動した内容(複数回答)としては、「より高利な貯蓄
商品に預け替えた」、「短期(または長期)金融商品へ預け替えた」といっ
た貯蓄の預け替えが各々13.0%、10.2%となっており、また「消費のために
取り崩した」とする世帯は、全体の11.3%となっている。
5.金融機関に対するサービス改善要望
 金融機関のサービスに関する改善要望(複数回答)としては、「平日の窓口
終了時刻の延長」や「土・日・祭日におけるATMの機能拡大」などの利便性
に関する内容や「預金・貸出金利のレートサービス」が引き続き上位を占めて
いるが、要望内容を前年と比べると、「金融機関の経営内容の開示」が+8.0%
と、従来より大きく増加(世帯割合:6年8.5%→7年13.0%→8年19.9%→
9年27.9%)しているほか、「気軽に相談できる窓口の設置」についても前年
よりも+4.3%上昇している。
       金融機関に対する主なサービス改善要望
          複数回答、単位 世帯割合%、( )内は%ポイント
                 8年    9年    前年差
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
平日の窓口終了時刻の延長    45.8  48.4 (+2.6)
金利面でのレートサービス    43.6  45.3 (+1.7)
土・日・祭日のATMの機能拡大 40.5  42.5 (+2.0)
窓口での待ち時間を短く     28.9  29.4 (+0.5)
新商品等の内容説明       28.3  28.2 (−0.1)
金融機関の経営内容の開示    19.9  27.9 (+8.0)
気軽に相談できる窓口の設置   19.2  23.5 (+4.3)
6.悪徳商法の経験
 ここ数年、頻発するお金に絡んだ悪徳商法に関する経験について尋ねた
ところ、「これまでに購入したことがある」世帯は3.8%に止まっており、
「購入したことはない」世帯が96.0%となっている。
 もっとも、「購入したことがある」世帯では、「購入したことはない」
世帯と比べて、「元本保証があって損はしないと説明があれば買ってもよ
い」と考える割合が相対的に高い(各22.8%、6.7%)ほか、「著しい高収益
が得られると説明があれば買ってもよい」、「親しい友人、知人が勧めてい
れば買ってもよい」と考える割合も高い。


(III)新しい金融環境に対する受け止め方

1.ビッグバンに対する考え方
 ビッグバンを知っているか尋ねたところ、「知っている」が33.9%、
「知らない」が65.8%となった。所得階層別には、高所得層になるにつ
れて認知度が上がり、所得階層1,000万円以上の世帯では「知って
いる」世帯が過半(52.5%)となった。
 次に、ビッグバンを知っていると回答した世帯に対して、ビッグバン
により実現すると思われることについて尋ねたところ(3項目以内での
複数回答)、「それぞれの金融機関が自由に金利を設定し、金融機関に
よって金利に差が生じるようになる」(62.4%)が最も多く、「これま
で取り扱いが制限されていた金融商品について、多くの金融機関が取り
扱うようになる」、「金融商品の開発が進み、金融商品の種類が増える」、
「手数料を大幅に引き下げる金融機関が数多く現れる」がこれに続いた。
 また、同世帯に対し、ビッグバンの進展によって予想されることを
尋ねると、「日本経済が活性化するなど、生活に好ましい影響を与える」
との評価と、「金融商品が複雑になるなど、生活に負担がかかる」との
評価がそれぞれ約3分の1となった。
2.外貨建て金融商品の保有と外為法改正
(1)外貨建て金融商品の保有
 外貨建て金融商品の保有経験と保有意思について尋ねたところ、保有経験
については「保有したことがある」世帯が全体の4.9%に止まった。また、
今後の保有意思については、「保有してみたい」世帯は7.8%に止まる一方、
「保有したくない」世帯は40.4%、「わからない」は51.4%となった。
 また、今のところ「保有したくない」世帯(全体の約4割)が挙げる理由
(2項目以内での複数回答)としては、「商品内容が難しいから」(61.6%)
が最も多く、次に「為替相場の変動で損失を被るから」が続いている。
(2)外為取引自由化への興味
 平成10年4月に外為法が改正、施行されることに伴い外為取引が自由化
されるが、こうした新外為法の下で可能になることへの興味の有無について
は、「興味はある」が34.3%、「興味はない」が64.4%となっている。
 次に、外為法改正に「興味はある」世帯に興味を持つ具体的な内容について
尋ねると、外貨建て金融商品を「保有してみたい」世帯では、「海外金融機関
への口座開設や海外金融商品での運用ができる」、「海外旅行などで持ち帰っ
た外貨をそのまま預金できる」、「競争原理が働き、手数料を引き下げる先も
増えてくる」など複数の事項を挙げているが、同商品を「保有したくない」
世帯では、あまり多くの事項を挙げていない。
          外為取引の自由化で興味を持つ内容
                     複数回答、単位:世帯割合%
               外貨建て金融商品を  外貨建て金融商品を
               「保有してみたい」  「保有したくない」
               と回答した世帯    と回答した世帯
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・海外金融機関への口座開設や     62.0          4.9
 海外金融商品での運用ができる
・海外旅行などで持ち帰った外貨    47.6         15.5
 をそのまま預金できる
・競争原理が働き、手数料を引き    42.5         10.3
 下げる先も増えてくる
・外貨預金の決済口座を設けて     25.1          7.2
 海外商品の通販がしやすくなる
・その他                2.4          2.7
3.今後取引のウエイトを増やしたい金融機関
 新しい金融環境の動きの中で、今後取引ウエイトを増やしたい金融機関に
ついて尋ねたところ(2項目以内での複数回答)、「郵便局」、「銀行」が
多い結果となった。
     今後取引のウエイトを増やしたい金融機関
          2項目以内での複数回答、単位:世帯割合%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     ・郵便局           62.4
     ・銀行            36.1
     ・協同組織金融機関      12.4
     ・保険会社           4.7 
     ・証券会社           4.5
     ・海外の金融機関        4.1
     ・その他の金融機関       0.9
     ・とくになし         17.4


(IV)消費

1.消費
(1)過去1年間の収支動向
 年間手取り収入を回答した世帯における収入・支出は、過去1年間
(調査時点は6月末につき、昨年7月から回答時点までの1年間が対象)
の年間手取り収入が、平均605万円と前年比+2.0%の伸び(前年593万
円)となった。また、消費支出については、平均508万円と前年比+4.3%
の伸び(前年487万円)と手取り収入の伸びをやや上回った。
(2)過去1年間の消費の増減動向
 消費支出の増減について意識面でどうとらえているか尋ねたところ、
過去1年間では「増やした」世帯の割合(32.2%)が「減らした」世帯
の割合(17.7%)を引き続き上回った。ただ、両者を差し引いた「増や
した」世帯割合の超過幅は前年に比べて幾分縮小(△2.2%)した。
         過去1年間の消費支出についての増減意識
                       単位:世帯割合%
       平成4年  5年  6年  7年  8年  9年
=================================
増やした(A)   45.9    44.3   40.1   37.8   32.8    32.2
変えていない      42.8    41.5   42.7   47.6   50.8    49.4
減らした(B)   10.8   13.4   16.6   14.2    16.1    17.7
(A)−(B)  +35.1  +30.9  +23.5  +23.6  +16.7   +14.5
  消費支出を前年と比べて「増やした」世帯にその理由(3項目以内での
複数回答)を尋ねてみたところ、「必要と思われる物やサービスが増えた
から」(38.6%)が最も多く、次いで「手取り収入が増えたから」(15.7
%)、「先行き収入が増えていくとみているから」(10.6%)などが挙げ
られている。
 また、同世帯の消費増加費目(3費目以内での複数回答)をみると、
「保健・医療費」(8年18.3%→9年21.4%)、「教養娯楽・交際費」(同
25.7%→26.6%)、「住居費」(同26.6%→27.0%)、「食料費」(同40.8
%→41.0%)について、前年を上回る世帯が消費を増加させている。


(V)生活の設計

1.「経済的豊かさ」と「心の豊かさ」
(1)経済的豊かさ
 「経済的豊かさ」については、これを「実感している」世帯が全体の
32.3%、「実感していない」世帯が66.2%となっている。
 「経済的豊かさ」を実感するために大切なもの(2項目以内での複数回答)
としては、全体では「ある程度の額の年収の実現」や「ある程度の額の金融
資産の保有」を挙げる世帯が多いが、実際に「経済的豊かさを実感している」
世帯は、「実感していない」世帯に比べ「マイホームなどの実物資産の取得」
を評価する割合が高くなっている。
          経済的豊かさを実感する条件
               2項目以内での複数回答、単位:世帯割合%
               経済的豊かさを    経済的豊かさを
              「実感している」世帯 「実感していない」世帯
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ある程度の額の年収の実現      55.2         62.2
・ある程度の額の金融資産の保有    49.6         53.9
・マイホームなど実物資産の取得    31.9         17.2
・消費財やレジャー関連消費の充実   20.9         17.6
・その他                4.7          6.0
(2)心の豊かさ
 次に、「心の豊かさ」については、これを「実感している」世帯が全体の
56.2%と、「実感していない」世帯の42.3%を上回っている。
 「心の豊かさ」を実感するために大切なもの(3項目以内での複数回答)
としては、「健康」、「経済的豊かさ」、「家族とのきずな」、「将来の生活
への安心感」が上位を占めているが、実際に「心の豊かさを実感している」
世帯は、「実感していない」世帯に比べ、「健康」、「家族とのきずな」を
重視する割合が高い一方、「実感していない」世帯では、「実感している」世帯
に比べ「将来の生活への安心感」、「経済的豊かさ」といった経済的事由を
重視する割合が高い。
          心の豊かさを実感する条件
             3項目以内での複数回答、単位:世帯割合%
               心の豊かさを     心の豊かさを
              「実感している」世帯 「実感していない」世帯
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・健康                78.6         62.6
・経済的豊かさ            42.1         59.1
・家族とのきずな           52.6         35.8
・将来の生活への安定感        26.3         45.5
2.生活設計の策定状況
(1)「生活設計」策定の有無
 「生活設計を立てている」世帯(37.0%)と「現在は立てていないが、
今後は立てるつもりである」世帯(39.4%)を合わせた「生活設計を立てる
意思がある」世帯は8割近くに達しており、生活設計の重要性に対する認識
が高いことがわかる。
 これを年代別にみていくと、若い世代ではほとんどの世帯で「生活設計を
立てる意思がある」が、年代が進むにつれて「現在は立てていないが、今後
は立てるつもりである」世帯の割合が縮小していく傾向がある。
(2)家計簿記帳の動向
 家計簿記帳の動向をみると、「つけている」世帯は22.5%で、これに「と
きどきつけている」世帯(12.9%)を合わせると、調査世帯全体の約3分の
1が記帳していることになる。
 年代別にみると、「つけている」世帯と「ときどきつけている」世帯を合
わせた世帯の割合は、20歳代では約半分(47.9%)と最も多く、その後、
年代を追って50歳代まで低下している。
3.老後の生活
(1)「老後の生活」への心配
 老後の生活に対する評価を窺うと、全世帯のうち4分の3が「心配して
いる」と回答しており、とくに20〜40歳代の若年・壮年層では8割以上
の世帯が老後を心配している点が目立つ。
            「老後の生活」への心配
                            単位:世帯割合%
       全体 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
心配している  74.3    81.7     80.7     81.4     75.0     68.4     55.0
心配していない 25.0    17.6     19.1     17.8     23.9     30.9     44.5
 また、過去の調査結果と比べても、60歳未満の世帯では、「心配している」
世帯割合が趨勢的に上昇している。
        「老後の生活」への心配(60歳未満)
                      単位:世帯割合%
               平成5年    6年    7年    8年  9年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  心配していない    35.6    28.2    27.2    27.8   20.4
  心配している      62.0    69.9    71.6    71.3   78.8
(2)老後の生活を心配する理由
 このような老後の生活に対する心配の具体的な理由を、「老後を心配している」
世帯に対して尋ねたところ(複数回答)、「十分な貯蓄がないから」や「年金(公
的年金、企業年金、個人年金)や保険が十分でないから」を挙げる世帯が圧倒的に
多かった。
(3)老後の生活費と収入源
 老後の生活資金として世帯主の年金支給時に最低限準備しておけばよいと考える
貯蓄残高について、世帯主が60歳未満の世帯に尋ねたところ、平均2,286万円
と、実際の60歳以上の平均貯蓄保有額1,913万円を上回った。
 一方、老後の生活費については、世帯主が60歳未満の世帯が予想する老後の
生活費の平均月額は28万円と、世帯主が60歳以上の世帯が実際に必要として
いる現在の最低生活費(月額28万円)と同水準になった。
 また、老後の収入源を世帯主が60歳以上の世帯に尋ねたところ(3項目以内
での複数回答)、「公的年金」と「就業による収入」が2大資金源になっている。
ただし、年代別にみると、60〜64歳では「就業による収入」が最も多いが、
65歳以上になると、「就業による収入」が減少して、「公的年金」の依存度が
高くなっている。
 過去の調査結果と比較すると、「利子・配当所得」が減少傾向にあり、「貯蓄
の取り崩し」がここにきて増えてきている。
            老後における生活資金源
   世帯主が60歳以上の世帯、3項目以内での複数回答、単位:世帯割合%
                    平成4年  5年    6年    7年    8年  9年
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
公的年金         70.7   66.4   68.2   73.3   72. 4  73.8
就業による収入      49.0     53.6     51.7     46.3     52.1    47.8
貯蓄の取り崩し     11.1     11.1     11.9     10.5     14.6    18.8
利子・配当所得      11.5     10.3      8.3      9.2       6.1     4.6
(4)年金に対する考え方
 年金(公的年金、企業年金を含み、個人年金は除く)について、老後の必要
資金をまかなえるか尋ねたところ、「さほど不自由はない」と回答した世帯は
5.2%、「ゆとりはないが、生活費はまかなえる」が29.6%と、両者を合わせて
全体の約3分の1となっている一方、「年金だけではゆとりがない」は64.8%
となった。
 これを年代別にみると、とくに20〜40歳代では7割以上の世帯が「年金
だけではゆとりがない」と不足を見込んでいる。
 次に、「ゆとりがない」と回答した世帯にその理由を尋ねたところ(2項目
以内での複数回答)、「医療・介護費用の個人負担が増えるとみているから」が
最も多く、「年金支給金額が切り下げられるとみているから」、「物価上昇等
により費用が増えていくとみているから」、「年金支給年齢が引き上げられる
とみているから」が続いている。
 ただ、この結果を年代別にみると、20〜50歳代ではどの事項についても
3割以上の世帯が不安を感じているのに対し、60歳以上では「医療・介護費
用の個人負担が増えるとみているから」と「物価上昇等により費用が増えてい
くとみているから」が主な理由として挙げられている。
 さらに、年金の不足分をどうやってまかなうか(または現在まかなっている
か)を尋ねたところ(2項目以内での複数回答)、具体的な対応として「働い
てまかなうつもり」が最も多く、「貯蓄でまかなうつもり」、「生活水準を引き
下げるつもり」が続いている。


以 上

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