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金融コングロマリットに関する協議用資料

(仮訳)

1998年 2月19日
バーゼル銀行監督委員会

日本銀行から

 全文は、こちら(bis9802a.lzh 35KB [MS-Word])から入手できます。

プレス・ステートメント

 バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)、証券監督者国際機構(IOSCO)および保険監督者国際機構(IAIS)は、金融コングロマリットに関するジョイント・フォーラムが作成した協議用資料を公表する。ジョイント・フォーラムに関する基礎情報は、別添の解説ノートに述べられている。

 ジョイント・フォーラムが作成したペーパーは、金融コングロマリットに属する法人を監督する銀行、証券、保険の各分野における監督者が直面する重要な諸問題に対処するものであり、特に、情報交換の促進および監督者間の協力強化のための具体的な提案が示されている。協議用資料を構成する資料の概要については、別添で述べられている。

 バーゼル委、IOSCOおよびIAISは、これらの資料は未だ検討中のものであることを強調するとともに、今後のペーパーの検討作業および監督上のガイダンス実施の際に考慮すべくコメントを求めている。各分野における業界および監督者からのインプットは、また、金融コングロマリットの連続的な登場、および金融各分野における企業活動の区分の不鮮明化から発生する監督上の諸問題に対処するためのジョイント・フォーラムの今後の継続作業に資するものとなろう。

 協議用資料は、バーゼル委、IOSCO、IAISにより、各分野ごとに業界および監督者に配布されることになる。

 バーゼル委は、ジョイント・フォーラムの資料についてのフィードバックを求める。ジョイント・フォーラムの文書は、BIS Website(http://www.bis.org/)(外部サイトへのリンク)から入手することができる。コメントおよびフィードバックの期限は、1998年 7月31日である。

(訳注)なお、IOSCO、IAISにおいても同様のスケジュールでコメントおよびフィードバックを求めている。

解説ノート

金融コングロマリットに関するジョイント・フォーラムの基礎情報

 ジョイント・フォーラムは、金融コングロマリットに関する監督上の諸問題を検討していた前身のグループである「三者会合」の作業を前進させるために、1996年の初めにバーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)、証券監督者国際機構(IOSCO)および保険監督者国際機構(IAIS)により設立された。ジョイント・フォーラムは、各監督分野を代表する、各同数の銀行、保険、証券の主要な監督者から構成されている。ジョイント・フォーラムには、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国および米国の13ヵ国の代表が参加しており、また、オブザーバーとしてEU委員会が参加している。

 オーストラリア証券委員会のアラン・キャメロン委員長が、1997年11月27日からジョイント・フォーラムの議長を務めている。オランダ中央銀行のトム・デ・スワン理事から引き継いだものである。

 金融コングロマリットの登場と広範化、および金融各分野における企業活動の区分の不鮮明化により、監督の手法およびアプローチをより効果的にするための協調の必要性が高まっている。バーゼル委、IOSCOおよびIAISは、ジョイント・フォーラムにおいて各監督分野からの代表が一堂に会することは、金融コングロマリットから発生する監督上の課題に対処するために必要な協調精神を築く上で大きな意義を有するものであると考えている。

 ジョイント・フォーラムではそのマンデートを履行するため、過去に次のことを行ってきている。(a)同一分野内および異なる分野間での監督者間の情報交換を容易にするための、国内および国際的なレベルでの実用的な手段を追及し、(b)同一分野内および異なる分野間での監督者間の情報交換を妨げている法的その他の障害を調査し、(c)コーディネーターの責務を特定し、かつ明確にするための基準を設けることの利益および不利益を含め、監督上の協調を強化するための方法を検討し、(d)金融コングロマリットに属する規制対象企業に対するより効果的な監督のための原則を策定した。

 ジョイント・フォーラムは、複合的な組織上および管理上の構造を持ち、国境および金融分野の境界をまたぎ広範な活動を行っている多角化した金融業に主な焦点を当ててきた。しかしながら、ジョイント・フォーラムは、ここで得られた教訓および作成されたガイダンスが、より小さなコングロマリットあるいは国内的に活動しているコングロマリットにも適用できるものと確信している。

協議用資料

 以下のジョイント・フォーラムのペーパーにより、各分野における業界および監督者に対する協議用資料は構成される。

  1. A「自己資本の充実度に関する諸原則」
  2. B「自己資本の充実度に関する諸原則の補論」
  3. C「経営陣の適格性(Fit and Proper)についての諸原則」
  4. D「監督上の情報交換に関する枠組」
  5. E「監督上の情報交換に関する諸原則」
  6. F「監督上の情報交換のためのコーディネーター」
  7. G「監督者に対するクエスチョネア」

 「自己資本の充実度に関する諸原則」は、金融コングロマリットについてグループ全体の自己資本評価を容易にするための測定法および原則について述べている。測定手法は、様々な監督者によって利用されている既存のアプローチに基づいており、広く同等の結果をもたらすべきものである。このペーパーは、すべての場合に適用されるひとつの手法を奨励するものではない。指針としての諸原則は、グループ全体の金融コングロマリットの自己資本を評価するうえで特定されるべき個別の問題に対処しており、監督者がその裁量を行使するにあたって評価結果が受入れ可能な範囲に収まるよう、補助することを意図している。「自己資本の充実度に関する諸原則の補論」は、測定手法を実際に適用する場合において発生する複雑な状況を例証し、説明するために作成された理論上の例示から構成されている。

 「経営陣の適格性についての諸原則」は、銀行、証券会社および保険会社のトップマネジメントの誠実さと能力が監督上重要であるという認識に立ち、金融コングロマリットに属する企業の監督者が、当該企業が確実かつ健全に経営されているか否かを評価する責任を果たすことを可能とするための指針を提示している。さらに、本ペーパーでは、個人および規制対象企業に関する、監督者間の協議および情報交換を促進するためにアレンジメントを奨励している。

 「監督上の情報交換に関する枠組」は、国際的に活動している金融コングロマリットに属する規制対象企業の監督者間の情報交換を容易にするための一般的な枠組について述べている。この枠組は、いくつかの金融コングロマリットの構造と運営を分析するために、ジョイント・フォーラムにより設けられたタスク・フォースにより実施された実態調査(マッピング・エクササイズ)に基づいており、金融コングロマリットに属する規制対象企業の監督のために特別の意味合いを持つ2つの次元、すなわち、1)企業活動の構成が業務系統に沿っているのか会社の法的構造に沿っているのか、2)会社の管理機能の構造がグローバルあるいは中央集権的なベースであるのかローカルベースであるのか、に焦点を当てている。このペーパーでは、金融コングロマリットの4つの「象限」への分類について述べるとともに、各象限の基本的な特徴および各象限ごとに発生する監督上の諸問題について概説している。

 「監督上の情報交換に関する枠組」に付属しているのが、タスク・フォースにより策定された「コングロマリット・クエスチョネア」であり、監督者が、金融コングロマリットの構造と運営について理解を深めることに資する有益な手段であると考えられる。このクエスチョネアは、一方的、双方的、あるいはマルチのベースで、監督者により利用することができ、コングロマリットの代表者との議論を促し、監督者が、コングロマリットのリスク・プロフィール、コントロール・システム、および組織やマネジメントの構造について理解を深めることに資するものである。緊急時において監督者に有益な情報のタイプの概要についても本ペーパーに付属している。

 「監督上の情報交換に関する原則」は、金融コングロマリットに対する監督上の枠組をより効果的なものにすると考えられる監督者間の情報交換のアレンジメントを促進するために監督者を補助する、いくつかの指針となる原則について述べている。ガイダンスは、監督者にとっての情報のニーズが、監督者自身の目的とアプローチ、および個々の金融コングロマリットの組織や構造を含む多くの要因により大きく異なることを認識したものとなっている。

 「監督上の情報交換のためのコーディネーター」は、単独または複数のコーディネーターの特定を可能にするための指針、および緊急時と非緊急時における監督者が選択できる単独または複数のコーディネーターの役割と責務についてのコーディネーションの要素のカタログを、監督者に提示している。

 「監督者に対するクエスチョネア」は、タスク・フォースにより策定され、利用された。このクエスチョネアは、監督者が、相互の目的とアプローチをよりよく理解することに資するための手段である。ジョイント・フォーラムによる今後の継続作業およびクエスチョネアの利用により得られた経験は、今回の協議プロセスにより得られたインプットと相まって、そのカバレッジをより高め、このクエスチョネアを監督者の目的とアプローチをより良く理解するためのより有益な手段とするであろう。