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「1988年 7月のバーゼル自己資本合意の改定」および「オンバランス・ネッティングに関するコンサルテーション・ペーパー」について

(日本銀行仮訳)

1998年 4月 7日
バーゼル銀行監督委員会



プレス・ステートメント


 バーゼル委員会は、本日、バーゼル自己資本合意に関する2件の短い声明を発表する。声明のひとつは、一定の要件を満たすことを条件として、規制を受けている証券会社のカウンターパーティーとしてのリスク・ウェイトを100%から20%に引下げる効果を持つ合意の正式な改定であり、即時に実施に移されるものである。もう一つの声明は、オンバランス・ネッティングに関する一定の原則を打ち出すものである。この声明はコンサルテーション・ペーパーの形態を採っており、銀行や他の関心を持つ主体からのコメントを6月末まで受付ける。

 これらの文書のテキストは、 4月 7日より、インターネット上のBIS Web Siteのhttp://www.bis.org/、各国監督当局、ないしは国際決済銀行にあるバーゼル委員会事務局から入手することができる。



1988年 7月のバーゼル自己資本合意の改定


 バーゼル委員会は、規制を受けている証券会社向けの債権に関し、別添の正式改定文書に記述されている一定の要件を満たすことを条件として、リスク・ウェイトを削減すべくバーゼル自己資本合意を改定するとともに即時に実施に移すことを決定した。この機会を捉え、文書中の数箇所で「貸出」という単語を「債権」という単語に置き換えた。


自己資本合意の改定


 以下の文章は、自己資本合意の付2の20%のリスク・ウェイトが適用可能な資産のリストを置き換えるものである。

20% (a) 国際開発銀行(世銀、米州開銀、アジア開銀、アフリカ開銀、欧州投資銀行、欧州復興開発銀行)1 向け債権およびこれらの銀行によって保証されるか、あるいはこれらの銀行の発行債券によって担保された債権2 (claims on multilateral development banks <IBRD, IADB, AsDB, AfDB, EIB, EBRD> and claims guaranteed by, or collateralised by securities issued by such banks)

(b) OECD諸国の銀行向け債権およびOECD諸国の銀行によって保証された債権2 (claims on banks incorporated in the OECD and claims guaranteed by OECD incorporated banks)

(c) 特にリスク・ベースの自己資本規制3 を含む、類似の規制・監督体制の下にあるOECD諸国の証券会社向け債権およびこれらの証券会社によって保証された債権(claims on securities firms incorporated in the OECD subject to comparable supervisory and regulatory arrangements, including in particular risk-based capital requirements, and claims guaranteed by these securities firms)

(d) 残存期間1年以下のOECD諸国以外の銀行向け債権およびOECD諸国以外の銀行によって保証された残存期間1年以下の債権(claims on banks incorporated in countries outside the OECD with a residual maturity of up to one year and claims with a residual maturity of up to one year guaranteed by banks incorporated in countries outside the OECD)

(e) 自国を除くOECD諸国の中央政府以外の公共部門向け債権および同部門によって保証されたないしは同部門の発行する債券で担保された債権2 (claims on non-domestic OECD public-sector entities, excluding central government, and claims guaranteed by or collateralised by securities issued by such entities)

(f) 取立未済手形(cash items in process of collection)

1 Gー10諸国が出資している他の国際開発銀行向け債権についても、各国裁量により、20%ウェイトを設定することができる。

2 これらの機関により部分的に保証された商業債権については、そのうちの完全に保証された部分について同等の低いウェイトが適用される。これと同様に、現金あるいはOECD諸国の中央政府発行債券および国際開発銀行発行債券によって部分的に担保された債権には、そのうちの完全に保全された部分について低いウェイトが適用される。

3 すなわち、自己資本合意及びマーケット・リスクを対象とするための改定により銀行に適用されているものと類似の自己資本規制。「類似の」という言葉は、川下に位置付けられる関連会社についての連結ベースの規制及び監督に当該証券会社(必ずしも親会社ではない)が服しているという意味を含んでいる。



オンバランス・ネッティングに関するコンサルテーション・ペーパー


1. 1988年7月のバーゼル合意は、同一の取引相手先との間のオフバランスのネッティングについて明示的に言及しているものの、オンバランスの資産・負債の相殺に関しては言及していない。最近数年間に亘り、オンバランスのネッティングに関するいくつかの手法が開発されてきており、バーゼル委員会は、メンバー諸国及びバーゼル自己資本合意を適用しているその他の国々の指針となる一定の原則を設定すべき時期が到来したと判断した。

2. 1988年のバーゼル合意では、それまでの二者間の個別のグロスの債権・債務関係が単一のネットの額に契約上置き換えられるような、更改契約に基づくネッティングである場合にのみ、オフバランスのネッティングを認めることとなっていた。このアプローチは後に拡大され、個々の取引相手先に対するオフバランスの債権額を判断するうえで、他の形態の法的に安全なバイラテラル・ネッティング契約も容認されることとなった。

3. オンバランス・ネッティングに関しては、当委員会は、グロスのエクスポージャーを単一のネットの額に削減する手法として更改を容認することを提案する。さらに、当委員会は、以下の条件を満たすことを前提に、銀行と他の全ての取引相手先との間の貸出・預金について、他の形態のオンバランス・ネッティングを容認することを決定した:

  • 報告側の銀行がネッティングないしは相殺を実行するための十分な法的根拠を有しており、それぞれの関連する法域で当該契約が法的有効性を有していること。この点につき、各国監督当局は1995年4月に改訂された自己資本合意の付3にあるオフバランス項目のバイラテラルなネッティングに関連する小項目(c)の規定を参照すること;
  • 預金の残存期間が対応する貸出の残存期間以上に長いこと;
  • 当該ポジションが同一通貨で表示されていること1
  • 報告側の銀行が関連するエクスポージャーをネット・ベースで監視・管理していること。ネッティングの結果として所要自己資本額の削減を確保しようとする銀行は、システムを有し、継続的に安全かつ健全な方法でネッティングの結果生じるネットのポジションを監視していることを示せる状況になければならない。

4. 現時点では、バーゼル委員会はオンバランス・ネッティングの範囲を貸出と預金のみに制限する意向である。しかしながら、ネッティングがリスク管理プロセスの中の有益な一部となりうるとの認識の下、当委員会は、銀行が自己資本適正度を測定する際にオンバランスの債権をネットすることを容認しうる他の状況について考慮する用意がある。市中には、追加的に容認されるべきネッティングの範囲、及びそうしたネッティングがリスク削減効果を有し、安全で健全な方法で実施されることを確実にするために如何なる明示的な措置が要求されるべきかという点について、コメントの提出が要請される。対象となる取引の具体的な例は、特に有益である。

5. バーゼル委員会は、本件に関する市中からのコメントを1998年 6月30日まで受付ける。


1 バーゼル委員会は、現在、異種通貨間のネッティングを容認する場合の方式を検討中である。


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