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国民銀行に対する信用秩序の維持に資するための手形貸付にかかる特別措置の実施等に関する件

1999年5月18日
(議決日 1999年4月11日)
日本銀行政策委員会

平成11年4月11日、国民銀行は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づき、金融再生委員会に対し、「その業務又は財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがある」旨の申出を行った。これを受けて、同日、金融再生委員会は、同法に基づき、同行に対して、「金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行い、金融整理管財人として預金保険機構等を選任した。

こうした状況下、大蔵大臣から、国民銀行に対する資金の貸付について以下の要請があった。

「本日、金融再生委員会から、金融再生委員会設置法(平成10年法律第130号)第15条第2項の規定に基づき、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号)第8条第1項の規定に基づき、国民銀行に対し、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行った」旨の連絡を受けました。国民銀行において、預金払戻し等営業を継続するための資金が不足した場合、信用秩序の維持のため特に必要があると認められるので、日本銀行法(平成9年法律第89号)第38条第1項の規定に基づき、同行に対し、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした営業譲渡等をもって金融整理管財人による管理が終了するまでの間、同行の預金払戻し等営業の継続に必要な資金の貸付けを行うことを要請します。」

これに対し、本委員会は、同日、(1)国民銀行において預金払戻し等営業を継続するための資金の不足が生じた場合、預金者の不安心理の伝播等を通じてわが国信用秩序全体の安定が脅かされるおそれが強い、(2)そうした事態を回避するためには、同行の現況からみて、日本銀行による資金供与が不可欠であり、また、当該資金供与に当たっては通常の日本銀行貸出の適格担保が不足する事態が想定される、との判断の下で、下記の決定を行った。

国民銀行の預金払戻し等営業の継続に必要な資金の貸付を行うことに関する大蔵大臣の要請に応じ、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした営業譲渡等をもって金融整理管財人による管理が終了するまでの間、同行に対する信用秩序の維持に資するための手形貸付につき、以下の特別措置を実施する。

  1. 国民銀行に対する手形貸付の担保については、日本銀行法第33条第1項第2号に規定する担保品で従来手形貸付の担保としていない種類のものについても、担保として適当と認められるものに限り、次の要領によりこれを担保として徴求し得る扱いとすること。
    1. (1)各担保品の担保価格は、その市場性および信用力を勘案し、時価(時価のない場合は額面)の80%を超えない範囲で総裁が定める扱いとする。
    2. (2)貸付利率は、基準貸付利率のうち「その他のものを担保とする貸付利率」(「国債、特に指定する債券または商業手形に準ずる手形」以外のものを担保とする場合の貸付利率。以下同じ。)を適用する。
  2. 上記1.の取扱いによっても担保品が不足する等やむを得ない場合には、同行に対し、日本銀行法第33条第1項第2号に規定する担保品および平成2年12月13日付大蔵大臣認可(蔵銀第2669号)により担保として認められた証書貸付債権のいずれをも担保としない手形貸付を、次の要領により、日本銀行法第38条第2項に基づき行うこと。
    1. (1)貸付金額
      同行の資金繰りを勘案し、同行が預金払戻し等営業を継続するための必要最小限の金額
    2. (2)貸付期間
      日本銀行が適当と認める期間(3か月以内、但し必要やむを得ないと認められる場合には切替継続を行う)
    3. (3)担保
      担保の差入れは貸付の条件としない。
    4. (4)貸付利率
      基準貸付利率のうち「その他のものを担保とする貸付利率」に年0.25%パーセントの割合を加算した利率を適用する。
    5. (5)貸倒引当金
      本件貸付に関し、必要に応じて特別に貸倒引当金の計上を行う。

また、本委員会は、上記の2.の貸付を実施することに関し、大蔵大臣に対し、次のとおり通知を行うことを決定した。

「国民銀行に対する資金の貸付けにつき、日本銀行法(以下「法」という。)第38条第1項の規定に基づき貴殿から受けた要請(平成11年4月11日付蔵金第283号)に関し、同行に対し、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした営業譲渡等をもって金融整理管財人による同行の業務及び財産の管理が終了するまでの間、同行が預金払戻し等営業を継続するために要する資金について、同行の資金繰りを勘案した必要最小限の範囲内で、法第33条第1項第2号に規定する担保品及び平成2年12月13日付大蔵大臣認可(蔵銀第2669号)により担保として認められた証書貸付債権のいずれかを担保とする貸付けに加え、法第38条第2項の規定に基づき、必要に応じ、これらのいずれをも担保としない貸付けを行うこととしましたので、通知します。

なお、本行は、本件貸付けに関し、必要に応じて特別に貸倒引当金の計上を行うこととします。」

なお、日本銀行は、本件に関し、同日、次のとおり対外公表を行った。


平成11年4月11日
日本銀行

総裁談話

  1. 本日、国民銀行より、「金融再生委員会から、『金融機能の再生のための緊急措置に関する法律』に基づく『金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分』を受け、金融整理管財人に預金保険機構等が選任された」との報告があった。また、金融再生委員会からも、同様の連絡を受けた。
  2. 今後、国民銀行は、金融整理管財人の下で、適切な業務運営に取り組みつつ、預金保険機構の資金援助を前提として、速やかに受皿金融機関への営業譲渡等を図っていくこととなる。
  3. 日本銀行は、日本銀行法第38条の規定に基づく大蔵大臣からの要請を受け、国民銀行の金融整理管財人による管理が終了するまでの間、同行に対し業務継続に必要な資金を供給する方針を、本日の政策委員会で決定した。
  4. 以上の措置を通じて、国民銀行は通常どおり営業を継続するとともに、預金、インターバンク取引を含め、同行の全ての債務の円滑な履行が確保される。日本銀行としては、これにより預金者等の保護及び信用秩序の維持が図られるものと考えている。