国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大
---- 関係者のご意見を踏まえて ----
2000年10月17日
日本銀行
1.はじめに
日本銀行は、さる9月8日、「国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大について」(以下「9月提案」といいます。)を公表し、そのなかで日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大を提案するとともに、当座預金取引先および日銀ネット国債系オンライン利用先等の皆様にご意見を求めました。
「9月提案」に対しては、別紙1に記載した11先からご意見を頂くことができました。ご意見をお寄せ頂いた先をはじめ、関係者のご協力に厚くお礼申し上げます。以下では、こうしたご意見を踏まえて、今般日本銀行において決定した国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大についてご説明したうえで、寄せられた主なご意見・ご要望と、それらに対する日本銀行の考え方等をお示しします。
なお、お寄せ頂いたご意見は、本日以降、日本銀行情報サービス局および各支店・事務所で閲覧が可能です(閲覧に関する照会先の電話番号は別紙2をご参照下さい。)
2.国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大
今回寄せられたご意見の中には、「9月提案」について、RTGS化後における国債決済の円滑を確保するための適切な措置として評価するものが多くみられた一方、稼働時間幅の拡大は不要とするもの、稼働時間延長幅の一層の拡大を求めるもの、あるいは、総合運転試験フェーズ21の実施結果を踏まえたうえで延長幅を再検討する余地を残してほしいといったものがみられました。日本銀行では、こうしたご意見を踏まえて検討した結果、今般、国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅の拡大について、以下のとおり決定しました。
1 総合運転試験フェーズ2の概要については、「RTGS化RTフェーズ2の日程等について」(平成12年8月4日)をご参照下さい。
| (1) | イ. | 「国債決済の『RTGS化』の枠組みについて」(平成10年9月4日)において午後4時としていた日銀ネット国債系のオンライン入力締切時刻を午後4時30分とすること。 |
| ロ. | ただし、オンラインにより資金の払込を行う国債(政府短期証券を含む。以下同じ。)の発行・払込が即時化されるまでの間は、経過措置として、国債の発行日は、日銀ネット国債系のオンライン入力締切時刻を午後5時とすること。 |
| ―― 以上、「9月提案」に同じ。 |
| (2) | (1)については、RTGS化にかかる総合運転試験の実施結果等を踏まえ、必要に応じ見直すことがあること。 |
3.寄せられた主なご意見・ご要望と日本銀行の考え方
次に、「9月提案」に関して寄せられた主なご意見・ご要望を紹介するとともに、これらに対する日本銀行の考え方をご説明します。
(1)平常日(国債の発行日以外の日をいいます。以下同じ。)における日銀ネット国債系稼働時間の延長幅
について
平常日について「9月提案」では、午後4時30分まで国債系稼働時間を延長することを提案しました。これに対して多くの先から賛成の意向が示される一方、すべての営業日において入力締切時刻が統一されるよう、あるいは、事務処理のための時間的な余裕が一段と確保されるよう、「延長幅をさらに拡大し、平常日においても入力締切時刻を午後5時としてほしい」との意見が2先から寄せられました。また、これとは逆に、「決済の遅延を招くことになりかねないため、稼働時間延長幅を拡大する必要はない(入力締切時刻は午後4時でよい)」とのご意見も1先から頂きました。
日本銀行では、平常日における入力締切時刻を午後4時30分より更に繰下げることは、5時同時処理の運行や取引先全体の事務処理に影響を与えかねないことから、頂戴したご意見を踏まえても適当ではないと考えます。逆に、「(午後4時30分まで稼働時間を延長すると)決済の遅延を招きかねない」とのご懸念については、決済の円滑性確保の観点から市場関係者によって取り纏められた新しい市中慣行が尊重されることで解消可能なものと考えています。
したがって、平常日につきましては、特段の事情がない限り、入力締切時刻を午後4時30分にすることが適当と考えます。
(2)国債の発行日における日銀ネット国債系稼働時間の延長幅について
国債の発行日について「9月提案」では、オンラインにより資金の払込を行う国債の発行・払込が即時化されるまでの経過措置として、午後5時までの国債系稼働時間の延長を提案しました。これに対しては、賛成意見とともに、「総合運転試験フェーズ2の実施結果を踏まえたうえで、延長幅を再検討する余地を残してほしい」というご意見を3先から頂戴しました。また、「『9月提案』における入力締切時刻の繰下げ(午後5時まで)をもっても決済を完了させることに困難を感じる」とのご意見も2先から頂きました。
日本銀行では、市場参加者の方々から寄せられた上記稼働時間延長にかかるご意見と、新規発行国債の決済規模の大きさや取引の連鎖状況に関するご意見を踏まえて、改めて検討しましたが、国債の発行日における入力締切時刻を午後5時とすること(「9月提案」)については、現時点においても引続き合理性のあるものと判断しています。
すなわち、稼働時間は午後4時30分を超えて延長すればするほど、取引先等全体における事務体制への影響も大きくなるため、市場参加者の方々には、国債発行日においても、極力迅速な決済に努めていただくようお願いしたいと考えております。
また、「入力締切時刻の繰下げ(午後5時まで)をもっても決済を完了させることに困難を感じる」とのご意見のなかには、総合運転試験フェーズ1における入力締切時刻(フェーズ1では暫定的に午後4時)において未決済のまま残った取引があったことを理由とするものがありました。ただ、フェーズ1は、もともと入力締切時刻を暫定的に午後4時として行ったものですし、試験の性格もあくまで新システムの機能確認を主目的としたものであり、本番の取引・決済と同様の事務体制のもとで行われたものでは必ずしもなかったようにみられます。今後、本番の事務体制が組まれれば、新規発行国債の決済規模や取引の連鎖状況に関する市場参加者の見方などからみて、午後5時までに予定された決済を完了させることは十分可能ではないかとみております。したがって、現時点では、国債発行日における入力締切時刻は午後5時とすることが適当と判断しています。
もちろん日本銀行としても、この点は、総合運転試験フェーズ2の実施結果等によって最終的に確認する必要があると認識しています。この観点からも、フェーズ2を可能な限り本番に近い環境で行う必要があると考えています。フェーズ2の試験結果を踏まえ、どうしても必要ありと判断される場合には、午後5時とした入力締切時刻についても見直しを検討することがありうると考えています。
(3)国債の発行日における経過措置の延長について
このほか、国債の発行日における稼働時間延長に関しては、「国債の発行・払込の即時化が実現した後も、当分の間入力締切時刻を午後5時に据え置いてほしい」とのご要望を1先から頂きました。
日本銀行では、「9月提案」にありますように、国債の発行日の入力締切時刻を午後5時まで繰下げるのは、オンラインにより資金の払込を行う国債の発行・払込の即時化が実現するまでの経過措置と考えています。これは、午後5時まで稼働時間を延長することは、上記(1)で述べたとおり、5時同時処理の運行や取引先全体の事務処理への影響を伴うためです。もちろん、即時化の実現時点での市中における決済の状況や当日約定・当日受渡し取引の動向などに配慮することは必要となりますが、現時点では、オンラインにより資金の払込を行う国債の発行・払込の即時化が実現した際には、国債の発行日も平常日と同様、午後4時30分を入力締切時刻とすることが適当と考えています。
(4) 国債の発行・払込の処理時間帯について
また、「優先処理によらない国債の発行・払込の時間(現在の枠組みでは「一般処理」による午後3時)をより早い時間に設定してほしい」、「国債の発行・払込の即時化の実施時期の目途をアナウンスしてほしい」とのご要望がそれぞれ1先から寄せられました。
優先処理によらない国債の発行・払込を午後3時の「一般処理」より前の時間に設定することは、システム対応等の面からみて、直ちに実施することは困難な状況にあります。したがって、この点は、日本銀行としては、RTGS化後、早期に国債の発行・払込の即時化を実現することによって、対処していきたいと考えています。
その具体的な実施時期についても、日本銀行における検討が整理できたところで、できる限り早くお知らせする予定です。
4.今後の取運び方
RTGS化については、10月下旬からは総合運転試験フェーズ2が始まり、準備作業もいよいよ最終段階に入りつつあります。日本銀行では、今回の決定事項をも踏まえ、今後とも取引先の皆様のご協力を得ながら明年1月4日を実施予定日としてRTGS化にかかる準備作業を進めていきます。今後もRTGS化について不明な点等がありましたら、適宜日本銀行までお寄せ下さい。
以 上
(本件に関する照会先)
日本銀行信用機構室決済システム課(電話番号<代表>:03−3279−1111)
浅田(内線 2908)、下田(同2961)、中村(同2964)
(別紙1)
「国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間
延長幅の拡大について」にご意見を寄せられた先
当座預金取引先(10先)
都市銀行(2先)
長期信用銀行(1先)
外国銀行(1先)
証券会社(5先)
系統金融機関(1先)
富士銀行、東京三菱銀行
日本興業銀行
ドイツ銀行
野村證券、日興證券、国際証券、
モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券、
日本相互証券
全国信用金庫連合会(現:信金中央金庫)
当座預金取引先以外(1先)
業界団体(1先)
生命保険協会
総 計(11先)
(別紙2)
「国債決済RTGS化に伴う日銀ネット国債系稼働時間延長幅
の拡大について」に対するご意見の閲覧についての照会先
照会先
電話番号
情報サービス局広報課
釧路支店 総務課
札幌支店 営業課
小樽支店 総務課
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