証券決済システムのための勧告
----BIS支払・決済システム委員会と証券監督者国際機構による市中協議報告書----
2001年 1月
国際決済銀行
支払・決済システム委員会
(日本銀行から)
以下には、国際決済銀行の支払・決済システム委員会が公表したプレス・リリースの日本銀行仮訳を掲載しています。報告書の全文は、こちら (bis0101c.pdf 195KB) から入手できます。
(日本銀行仮訳) プレス・リリース
中央銀行と証券監督者が「証券決済システムのための勧告」を提案
支払・決済システム委員会(CPSS)と証券監督者国際機構(IOSCO)は、証券決済システムの設計、運営およびオーバーサイトのための勧告を共同で策定した。「証券決済システムに関するCPSS・IOSCO共同作業部会」は、本市中協議報告書『証券決済システムのための勧告』についてのパブリック・コメントを受け付ける。コメントは、2001年4月9日までに寄せられたい。
本報告書ともう一つのCPSS報告書『システミックな影響の大きい資金決済システムに関するコア・プリンシプル』のプレス説明会は、1月15日(月)午前10時(グリニッジ標準時)にロンドンのイングランド銀行にて行われる。
本報告書は、証券決済システムが満たすべき最低限の要件と、その実現に向けて努力すべきベストプラクティスを明らかにしている。これらは、証券決済の法的枠組、リスク管理、参加基準、ガバナンス、効率性、透明性および監督とオーバーサイトを含む。本報告書はBIS(http://www.bis.org/)およびIOSCO(http://www.iosco.org/)のホームページから入手可能である。
提案されている勧告は、株、社債、国債、および短期金融市場商品を含む全ての証券や、先進国および発展途上国で発行された証券のためのシステムに当てはまるように策定されている。また勧告は、国内取引やクロスボーダー取引の双方の決済を対象にすることを狙いとしている。CPSS議長であるトマソ・パドア=スキオッパは、「これらの勧告は、リスクの削減や効率性の向上、投資家のための適切なセーフガードの提供を可能にする手段が、世界規模で実施されることを促すであろう」と述べている。
証券決済システムは、証券取引の約定確認、クリアリング、決済、証券の保管のすべての制度的な取極めを含むものとして、広く定義されている。制度的な取極めは国際的にみれば多様なので、当勧告は、システムを運営する組織に焦点をあてるのではなく、運営されるシステムの機能に焦点をあてなくてはならない。いくつかの勧告は、主として証券集中保管機構(CSD)に関するものである一方、証券取引所、証券業協会、その他の約定確認システムの運営者、セントラル・カウンターパーティー、決済銀行、あるいはカストディアンとその他の関係者に関する勧告ともなっている。作業部会の共同議長であるパトリック・パーキンソンは、「証券監督者と中央銀行、場合によってはこれらに加え銀行監督者は互いに協力し、民間部門の関係主体とともに、個々の法域における勧告の適切な適用範囲を決定し、また勧告実現のための行動計画を立案する必要がある」と説明している。
「証券決済システムに関するCPSS・IOSCO共同作業部会」は、このような取極めをより安全で効率的なものにするために、1999年12月に設置された。IOSCO専門委員会議長であるデビット・ブラウンは、「作業部会の作業は、国際金融システムの脆弱性に対処するために金融安定化フォーラムが行っている取組みにも沿ったものである」と述べている。
作業部会は、18におよぶ国、地域、欧州連合から集まった中央銀行と証券監督当局の代表者28名により構成されている。共同議長であるジョバンニ・サバティーニは、「市中協議報告書は、2000年1月にBISが開催した協議会合(50以上の公的機関、国際通貨基金、世界銀行の代表が参加)における参加者の有益な意見等も取り入れている。また作業部会は、この分野における民間の取組み、特に1989年のG30勧告を見直すとともに、民間の証券決済システム運営者や参加者との間で、本部会の作業について議論してきた」と述べている。
市中協議の手順
英語でのコメントを、郵便、ファックスおよび電子メールで受け付ける。コメントの送り先は以下のとおりである。
| 住 所: | Secretariat to the CPSS-IOSCO Joint Task Force on Securities Settlement Systems Bank for International Settlements CH-4002 Basel, Switzerland |
| ファックス: | +41 61 280 9100 |
| 電子メール: | cpss@bis.org (メッセージのタイトル行に「Joint Task Force Recommendations」と明記のこと)。 |
郵便配達による到着の遅延を避けるため、コメントはなるべく最初にファックスか電子メールで送って頂きたい。なお、コメントは受理され次第その旨が通知されることとなっている。
報告書のプレス説明会
前述のように、本報告書ともう一つのCPSS報告書『システミックな影響の大きい資金決済システムに関するコア・プリンシプル』のプレス説明会は、1月15日(月)午前10時 (グリニッジ標準時)にロンドンのイングランド銀行にて行われる。少なくとも、以下の人々が出席する。
- トマソ・パドア=スキオッパ(ECB理事、CPSS議長)
- ジョン・トランドル(BOE市場インフラ局長、資金決済システムの原則と慣行に関する作業部会議長<資金決済システムに関する報告書のために出席>)
- パトリック・パーキンソン(FRB調査統計局次長、証券決済システムに関するCPSS・IOSCO作業部会共同議長)
- ジョバンニ・サバティーニ(イタリア証券委員会市場監督室長、IOSCO専門委員会第二部会議長、証券決済システムに関するCPSS・IOSCO作業部会共同議長)
CPSS事務局長であるグレゴール・ハインリヒも出席する。
CPSSは、これらの報告書やプレス説明会に関する質問を電子メール(cpss@bis.org)かファックス(+41 61 280 9100)で受け付ける。より詳細な情報に関しては、プレス問い合わせ番号(+41 61 280 8188)に電話して頂きたい。さらにプレス説明会の進行に関する情報は、BOE(+44 20 7601 5630/4394)より入手できる。
以 上
注記1.支払・決済システム委員会(CPSS)は、G10諸国の中央銀行が支払・決済の仕組みの発展状況をモニター・分析し、関連する政策課題を検討するフォーラムである。非G10諸国の中央銀行も、CPSSの活動にますます参加するようになってきている。CPSS議長は、ECB理事であるトマソ・パドア=スキオッパである。グレゴール・ハインリヒ以下のCPSS事務局は、BIS内に設けられている。CPSSの過去の報告書には例えば以下のものがある。『証券決済システムにおけるDVP』(1992年)、『クロスボーダー証券決済』(1995年)、および本日発行される『システミックな影響の大きい資金決済システムに関するコア・プリンシプル』(2001年)。最近発行された多くの報告書の全文(英文)およびCPSSの報告書一覧は、BISのホームページ(http://www.bis.org/)から入手可能となっている。
2.証券監督者国際機構(IOSCO)は、モントリオールを本拠地とし、現在164の証券市場監督者から組織されており、国内・国際証券市場の効率性・健全性を維持するため、高い基準の規制を協力して推進してきた。IOSCOの事務総長はピーター・クラーク、専門委員会の議長はカナダ・オンタリオ証券委員会委員長であるデビット・ブラウンが務めている。IOSCOは、以下のとおり証券決済システムに関する多くの報告書を発行している。『新興市場における支払・決済――その青写真(Clearing and settlement in emerging markets - a blue print)』(1992年)、『市場監督当局の協調と破綻対応手続(Cooperation between market authorities and default procedures)』(1996年)。他のIOSCOの報告書は、ホームページ上(http://www.iosco.org/)に掲載されている。
3.今回の作業部会は、CPSSとIOSCOの3度目の共同イニシアチブである。これまでの共同プロジェクトでは、『証券決済システムのディスクロージャーの枠組み』(1997年)、『証券貸借取引:市場の発展とそのインプリケーション』(1999年)という報告書が作成されている。これらはいずれもBISとIOSCOのホームページから入手可能であり、またその写しをBISとIOSCOから入手することができる。 本作業部会では、FRB調査統計局次長であるパトリック・パーキンソンと、イタリア証券委員会市場監督室長であるジョバンニ・サバティーニが共同議長を務めている。作業部会の事務局は、CPSSの事務局によって提供されている。
4.金融安定化フォーラムに関する情報は、同フォーラムのホームページ(http://www.fsforum.org/)から入手可能である。
