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「自己資本に関する新しいバーゼル合意」の作業状況について

2001年 6月25日
バーゼル銀行監督委員会

日本銀行仮訳

プレス・リリース

 バーゼル銀行監督委員会は、1988年合意を抜本的に見直すための2001年 1月の提案 に対しこれまで250以上のコメントを受け取っており、すべてのコメントにつき入念に検討する予定である。当委員会は、同提案に関するいくつかの重要な決定事項をこの時点において示しておきたい。

 第一に、当委員会は、新しい合意を3つの柱で構成することと、最低所要自己資本のリスク感応度を高めるという大きな目的を、引き続き堅持している。これは上記のような考え方に寄せられている賛意に沿ったものである。

 第二に、新しい提案が、見直し後の標準的手法において平均的な銀行に対する所要自己資本水準を現行と同等に保つことと、信用リスクについてより進んだ手法の適用を銀行に促すため、標準的手法と内部格付手法の間に自己資本上のインセンティブの設定を目指していることを、当委員会は再度強調する。コメントに関する初期的なレビューをはじめとして、これまでバーゼル委員会が得てきた情報は、当委員会の提案がこれらの目的を満たすためには更なる調整が必要であることを強く示唆している。特に、当委員会は、事業法人向けとリテールのポートフォリオの両方について、基礎的内部格付手法における基本的な負担水準を減少させる必要があると考えている。

 第三に、当委員会によるオペレーショナル・リスクの定義をもとにすると、同リスクに対する規制上の自己資本の配分比率は過大であるという見解に従って、当委員会は同リスクに関する自己資本賦課の割合に関する目標値(すなわち20%)を引下げるとの結論に達した。当委員会は、オペレーショナル・リスクに関するその他多数のコメント並びに提案について検討しているところである。

 第四に、新しい提案において、中小企業に対する信用エクスポージャーの取り扱いを適切なものとするためには、さらなる努力が必要であると当委員会は考えている。この結果、中小企業への貸出に対する自己資本賦課は、2001年1月の市中協議案における提案よりも軽減されると見込まれる。

 最後に、寄せられたコメントの質が極めて高かったこと、また、当委員会としても、可能な限り最良の提案を行うために業界と協力的な作業を継続したいと考えていることから、当委員会は、新しい合意の完成と実施に関する予定の変更を決定した。当委員会は、全ての部分が揃った、十分詳細な案を2002年の早い時期に公表して追加的な市中協議を行い、新しい合意を2002年中に完成させる予定である。これに伴い、新しい合意の実施時期は、2005年になると当委員会は見込んでいる。

 当委員会は、多くの個人および機関が、同提案に対して詳細かつ建設的なコメントを行うために、多くの時間を割いてご尽力されたことを感謝している。当委員会は、見直し作業の継続と並行して、今後とも開かれた対話を促進する考えであり、こうした努力により新しい合意がその目的にかなうものになると確信している。