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朝銀近畿信用組合への資金融通のための全国信用協同組合連合会に対する貸出措置に関する件

2001年1月16日
(議決日 2000年12月29日)
日本銀行政策委員会

平成12年12月29日、金融再生委員会は、朝銀近畿信用組合に対し、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づき、「金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分」を行い、金融整理管財人を選任した。

こうした状況下、金融再生委員会および大蔵大臣より、朝銀近畿信用組合が事業の継続に必要な資金を融通するための全国信用協同組合連合会に対する資金の貸付けについて、以下の要請があった。

「本日、金融再生委員会は、朝銀近畿信用組合に対し、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成10年法律第132号)第8条第1項の規定に基づき、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行いました。朝銀近畿信用組合において、預金払戻し等事業を継続するための資金が不足した場合、信用秩序の維持のため特に必要があると認められるので、日本銀行法(平成9年法律第89号)第38条第1項の規定に基づき、全国信用協同組合連合会に対し、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした事業譲渡等をもって金融整理管財人による管理が終了するまでの間、朝銀近畿信用組合の預金払戻し等事業の継続に必要な資金を融通するために全国信用協同組合連合会が必要とする資金の貸付けを行うことを要請します。」

これに対し、本委員会は、同日、(1)朝銀近畿信用組合において預金払戻し等事業を継続するための資金の不足が生じた場合、預金者の不安心理の伝播等を通じてわが国信用秩序全体の安定が脅かされるおそれが強い、(2)そうした事態を回避するためには、同信用組合の現況からみて、同信用組合への資金融通のため、全国信用協同組合連合会に対して、日本銀行による資金供与が不可欠である、との判断の下で、下記の決定を行った。

金融再生委員会および大蔵大臣からの全国信用協同組合連合会に対する資金の貸付けに関する要請に応じ、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした事業譲渡等をもって金融整理管財人による朝銀近畿信用組合の管理が終了するまでの間、全国信用協同組合連合会に対し、次の手形貸付を実施する。

  1. 全国信用協同組合連合会(以下「全信組連」という。)が、朝銀近畿信用組合に対して預金払戻し等事業の継続に要する資金を融通するために必要とする資金(以下当該資金融通を「本件資金融通」という。)を、日本銀行が全信組連に対し、日本銀行法第38条第2項に基づき貸付けることとし、当該貸付けについては、日本銀行から朝銀近畿信用組合に対する日本銀行法第33条第1項第2号に規定する担保品および平成2年12月13日付大蔵大臣認可(蔵銀第2669号)により担保として認められた証書貸付債権のいずれをも担保としない貸付けと同等の扱いとすること。
  2. 上記1.の全信組連に対する資金の貸付け(以下「本件貸付け」という。)の要領を次のとおりとすること。
    1. (1)貸付方式
      手形貸付とする。
    2. (2)貸付金額
      朝銀近畿信用組合の資金繰りを勘案し、同信用組合が預金払戻し等事業を継続するための必要最小限の金額とする。
    3. (3)貸付期間
      日本銀行が適当と認める期間(3か月以内、但し必要やむを得ないと認められる場合には切替継続を行う)とする。
    4. (4)担保
      1. イ.全信組連から日本銀行への担保の差入れについては、朝銀近畿信用組合が本件資金融通を受けるに当たって全信組連宛振出した手形を差入れさせるほかは、担保の差入れを本件貸付けの条件としない扱いとする。
      2. ロ.朝銀近畿信用組合から全信組連への担保の差入れは、本件貸付けの条件としない扱いとする。
    5. (5)貸付利率
      基準貸付利率のうちの「その他のものを担保とする貸付利率」に年0.25パーセントの割合を加算した利率を適用する(注)
      • 日本銀行当座預金決済のRTGS化の実施日以降、基準貸付利率に年0.5パーセントの割合を加算した利率とする。
    6. (6)債務免除
      全信組連において朝銀近畿信用組合に対する本件資金融通につき貸倒損失が生じた場合には、日本銀行は当該貸倒損失額に相当する金額につき本件貸付けにかかる全信組連の日本銀行に対する債務を免除する扱いとする。
    7. (7)貸倒引当金
      本件貸付けに関し、必要に応じて特別に貸倒引当金の計上を行う。
    8. (8)その他
      本件貸付けを受けて全信組連が朝銀近畿信用組合に対して行う資金融通の貸付期間、貸付利率および延滞利息については、本件貸付けの貸付期間、貸付利率および延滞利息と同一とするよう、全信組連に対して指示する。
  3. 上記1.および2.に基づき行う資金の貸付けに関する具体的事項は、総裁が定める扱いとすること。

また、本委員会は、上記決定に関し、金融再生委員会および大蔵大臣に対し、次のとおり通知を行うことを決定した。

「全国信用協同組合連合会に対する資金の貸付けにつき、日本銀行法(以下「法」という。)第38条第1項の規定に基づき受けた要請に関し、本日より、預金保険機構による資金援助を前提とした事業譲渡等をもって金融整理管財人による朝銀近畿信用組合の業務及び財産の管理が終了するまでの間、同信用組合が預金払戻し等事業を継続するために要する資金を融通するために必要とする資金について、同信用組合の資金繰りを勘案した必要最小限の範囲内で、全国信用協同組合連合会に対し法第38条第2項の規定に基づき貸付けを行うこととし、当該貸付けについては、本行から朝銀近畿信用組合に対する法第33条第1項第2号に規定する担保品及び平成2年12月13日付大蔵大臣認可(蔵銀第2669号)により担保として認められた証書貸付債権のいずれをも担保としない貸付けと同等の扱いとすることとしましたので、通知します。
なお、本行は、本件貸付けに関し、必要に応じて特別に貸倒引当金の計上を行うこととします。」

なお、日本銀行は、本件に関し、同日、次のとおり対外公表を行った。


平成12年12月29日
日本銀行

総裁談話

  1. 本日、金融再生委員会より、「朝銀近畿信用組合に対し、『金融機能の再生のための緊急措置に関する法律』に基づく『金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分』を行い、金融整理管財人を選任した」との連絡があった。
    また、金融再生委員会及び大蔵大臣より、当該信用組合において、預金払戻し等事業を継続するための資金が不足した場合、信用秩序の維持のため特に必要があると認められるとして、日本銀行法第38条の規定に基づく資金の貸付けの要請を受けた。
  2. これを受けて日本銀行は、政策委員会を開催し、朝銀近畿信用組合の金融整理管財人による管理が終了するまでの間、当該信用組合への資金融通のため、全国信用協同組合連合会に対し、当該信用組合の事業継続に必要な資金を供給する方針を決定した。
  3. 今後、朝銀近畿信用組合は、金融整理管財人の下で、適切な業務運営に取り組みつつ、預金保険機構の資金援助を前提として、速やかに受皿金融機関への事業譲渡等を図っていくこととなる。
  4. 以上の措置を通じて、朝銀近畿信用組合は通常どおり事業を継続するとともに、預金を含め、当該信用組合の全債務の円滑な履行が確保される。日本銀行としては、これにより預金者等の保護および信用秩序の維持が図られるものと考えている。