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日銀ネットのネットワークインフラの高度化について

関係者のご意見・ご提案を踏まえて

2002年 3月28日
日本銀行

1.はじめに

 日本銀行は、さる1月25日に「日銀ネットのネットワークインフラの高度化について」(以下「1月提案」)を公表しました。その中では、(a)コンピュータ接続(以下「CPU接続」)の改善、(b)日銀ネット端末の改善、(c)電文フォーマット選択の柔軟性確保(国際標準の採用)の3点を提案し、利用先のご意見・ご提案を求めました。

 「1月提案」に対しては、別紙に記載した14先から貴重なご意見・ご提案を頂きました。これらご意見・ご提案をみますと、「1月提案」の内容については幅広いご支持が頂けたものと考えられます。関係者のみなさまのご協力に厚く感謝申し上げます。以下では、まずこうしたご意見・ご提案を踏まえて、高度化の進め方に関する日本銀行の今後の方針を確認のため取纏めました。続いて、寄せられたご意見・ご提案やご質問の概要と、それらに対する日本銀行の考え方や対応方針をご説明し、最後に、高度化について今後の取運び方をお示ししました。

 なお、日本銀行に寄せられたご意見・ご提案は、本日以降、日本銀行情報サービス局で閲覧が可能です。

2.日銀ネットのネットワークインフラの高度化の枠組み

 日本銀行は、「1月提案」に対する利用先等からのご意見・ご提案を踏まえて、高度化の枠組みを以下の方向で検討していくこととしました(以下の内容は全て「1月提案」どおりです)。

(1)CPU接続の改善

  • 日銀ネットにおけるCPU接続の通信手順として、インターネット・プロトコル(TCP/IP手順)を採用します。

 また、CPU接続電文送受信をリアルタイム・トランザクション(電文を1本ずつリアルタイムで送受信する方式)化するために、通信インターフェースとしてCORBAと呼ばれる国際標準仕様を採用し、さらに、CPU接続の伝送速度の向上も同時に実現していく方針です(以下「新CPU接続方式」)。

  • 実現時期については、2004年度(平成16年度)前半までに日銀ネット側の開発を完了させ、それ以降順次、新CPU接続方式の利用を希望する利用先との接続テストを開始することを目途とします。

 なお、現行のCPU接続方式は、新CPU接続方式の提供開始後、少なくとも3年間は移行措置として並行して供用を続けます(したがって、現行CPU接続の利用先には、その間に新CPU接続に移行して頂くこととなります)。

(2)日銀ネット端末の改善

  • 日銀ネット端末としてこれまでの専用端末に代わって将来パソコンを使用可能とすることを展望し、日銀ネット端末に対する信頼性のほか機能面でのニーズも見極めつつ、できるだけ早期に実現する方向で検討を進めていきます。
  • なお、現行日銀ネット端末については、パソコンが使用可能となってからも当分の間は利用可能とする方針です(もっとも、専用端末の保守・サポート期限については端末メーカーが決定しています)。

(3)電文フォーマット選択の柔軟性確保(国際標準の採用)

  • 標準化に適切に対応するという観点から、日銀ネット当座勘定系に関しては、端末接続先を含む全利用先に対して、現行の独自フォーマットに加え、外為円決済システムと同様にSWIFTフォーマットを基本とした電文フォーマットを選択的に利用可能としていきます。
  • 日銀ネット国債系では、利用先のニーズが特に高いとみられる国債の振替のための電文(「国債受渡(資金同時受渡)(譲渡人・払出先)」、「国債受渡(資金同時受渡)(払出先・記事付)」、「口座振替(払出先)」、「口座振替(払出先・記事付)」)に関し、新CPU接続方式の利用先に対して、現行の独自フォーマットに加え、ISO15022に準拠したフォーマットによる日銀ネットへの送信も選択可能とすることを検討していきます。
  • これらシステム上の対応については、実現可能なものから実施し、遅いものでも上記(1)のCPU接続の改善と同時期(平成16年度前半)までには行えるように今後さらに検討を進めていきます。

3.寄せられたご意見・ご提案と日本銀行の考え方

 ここでは、「1月提案」に対して寄せられたご意見・ご提案の概要を紹介するとともに、これらに対する日本銀行の考え方や対応方針についてご説明します。

(1)CPU接続の改善について

  • CPU接続の改善については、取運びのスケジュールやより詳しい内容について多くのご質問を頂きました。
    新CPU接続方式については、速やかに開発作業に着手し、平成14年度に設計を行います。新CPU接続方式の仕様や詳細な接続条件については、その仕様確定後できるだけ早期に開示する方針です。
  • また、現行のCPU接続方式から新CPU接続方式への移行に当っては、当座勘定系、国債系、外為円決済システムの各業務毎に移行できるようにしたいと考えています。
  • 新CPU接続方式による接続を希望される場合の申請方法や申請時期についてもご質問がありましたが、これについては、今後具体化したところで改めてご連絡します。
  • また、新CPU接続方式のランニングコストの見込みについてもご質問が寄せられました。
    新CPU接続方式の下での日銀ネット利用に関する手数料等については、新CPU接続の利用先数や新方式における回線使用の形態如何にもよるため、今後検討を進めていきたいと考えています。

(2)日銀ネット端末の改善について

  • 日銀ネット端末としてのパソコンの使用可能化については、その安全性について「現在の専用機と同水準の信頼性を確保すべき」とのご意見が寄せられました。
    日本銀行としては、パソコンの使用可能化に当っては、もとより安全性・信頼性確保について、最新の技術動向を踏まえて検討していく所存です。
  • また、パソコンの使用可能化の実現時期について、「具体的目途、今後のスケジュール等について早期に開示して欲しい」とのご要望が寄せられました。
    日銀ネット端末として使用可能なパソコンの仕様(ハードウェア、ソフトウェア、セキュリティ対策など)や詳細な接続条件および今後のスケジュールに関しては、今後の検討の進捗を踏まえて、できるだけ早期に開示するよう努めていきます。
  • 端末ファイルフォーマットのDOS化、端末プログラムの更新方法その他の仕様に関する方針についてもご質問が寄せられました。
    これらについては、今後パソコンをベースとした端末の詳細な仕様を確定していく中で検討したいと考えています。
  • このほか、現行の日銀ネット端末のオプション機能であるNTCファイル伝送機能やFDデータ交換機能の今後の取扱いについてもご質問が寄せられました。
    これらの機能は、現行の日銀ネット端末を利用可能な間は、もちろん利用を続けることが可能です。もっとも、今回検討を開始するパソコンをベースとした端末においても同様の機能を提供するか否かについては、技術的な実現可能性や利用ニーズを踏まえた上で検討していきたいと考えています。

(3)電文フォーマットの柔軟性確保(国際標準の採用)について

(a)日銀ネット当座勘定系

  • 日銀ネット当座勘定系におけるSWIFTフォーマットの利用について、短期資金取引等の個別の取引種類毎に必要性が異なるのではないかとのご意見が寄せられました。
    本件については、国際標準の浸透を踏まえて外為円決済システムで既に実現している方式を転用することにより、低コストで国際標準に対応したフォーマットを日銀ネット当座勘定系においても選択的に利用可能とすることが望ましいと考え、その方向で実務的な検討を進めていくこととしたものです。
  • また、使用する電文フォーマットについて「相手方がどちらのフォーマットを選択しているかを考慮することなく、どちらの電文フォーマットでも送受信可能か」というご質問が寄せられました。
    これについては、電文を受信する相手がSWIFTフォーマットでも受信可能かを予め確認してから送信して頂く必要があります。

(b)日銀ネット国債系

  • 「現行のファイル伝送方式のデータフォーマットにおいてもISO15022に準拠したフォーマットが選択可能か」とのご質問が寄せられました。
    日本銀行では、移行期間終了後は現行のファイル伝送方式の供用を取り止める方針であることを踏まえ、ISO15022に準拠したフォーマットは、新CPU接続方式においてのみ選択可能とする予定です。
  • また、ある先からは「同時担保受払関係の電文も新フォーマット化を検討して欲しい」とのご要望も寄せられました。
    今回の枠組みにおいては国債資金同時受渡依頼、国債振替依頼の電文についてまず対応し、その使用状況も眺めつつ、同時担保受払関係の利用ニーズについては、改めて検討していきたいと考えています。

(c)当座勘定系・国債系共通

  • 利用先から送信するメッセージについて、「どちらかの電文フォーマットに統一する必要があるか」というご質問が寄せられました。
    これについては、電文フォーマットをどちらかに統一する必要はなく、利用先において適宜使い分けして頂くことが可能です。
  • さらに「SWIFTフォーマットやISO15022への準拠は、(1)国際標準ということで使用文字は『英文』に変更するのか、(2)日銀ネットのネットワークとSWIFTネットワークとの関係についての考え方如何(例えば、将来SWIFTをコンティンジェンシー用のラインとして採用するなど)」とのご質問が寄せられました。
    (1)については、日銀ネット当座勘定系における国際標準に対応した電文フォーマットでは、現在外為円決済システムに使用されている電文と同様の文字(英文大文字、数字のみ可。英文小文字は使用不可)を使用する予定です。また、日銀ネット国債系における国際標準に対応した電文フォーマットでは、現在日銀ネット国債系で使用されている文字(英文大文字、カナ文字、数字のみ可。英文小文字は使用不可)をそのまま使用する予定です。
    (2)については、日銀ネットにおいてSWIFTネットワークを使用することは想定していません。なお、現状の日銀ネットのネットワークについては、回線を二重化するなど、既に十分なバックアップ体制が確保されていると考えています。
  • また、現行の電文フォーマットについて「現行の電文フォーマットについては当分の間使用を継続させて欲しい」とのご要望が寄せられました。
    当座勘定系・国債系とも、現行のフォーマットと新たに追加されるフォーマットは並行して選択的に使用可能とする方針であり、現行の電文フォーマットの使用を打ち切ることは今のところ考えていません。
  • このほか、SWIFT スタンダードの定例修正への対応に関するご質問も寄せられました。
    SWIFT電文フォーマットの修正を実施するか否かについては、定例修正に対応するのは必ずしも容易でないと思われますので、その内容と修正に伴う影響等を見極めつつ、日本銀行において必要に応じて判断、実施していく予定です。

4.今後の取運び方

 日銀ネットのネットワークインフラの高度化については、今後、ここでお示しした枠組みに沿って実務的な検討を行い、所要の業務内容の検討やシステム開発を進めていく所存です。できる限り早期に内容、スケジュールを示して欲しいとのご希望を多数頂きました。もちろん、こうした実務的な内容を固める過程においては、必要に応じて日本銀行からご説明する機会を設けたり、適宜ご意見やご提案を頂く場を設けるなどしていく考えですので、今後ともご協力下さいますようお願い申し上げます。

 なお、本ペーパーについてのご照会は、日本銀行信用機構室決済システム課(電話:03-3279-1111 内線2962)までお寄せ下さい。

以上


(別紙)

「日銀ネットのネットワークインフラ高度化について」にご意見・ご提案を寄せられた先

「日銀ネットのネットワークインフラ高度化について」にご意見・ご提案を寄せられた先
都市銀行(3先) 第一勧業銀行、東京三菱銀行、UFJ銀行
長期信用銀行(1先) あおぞら銀行
信託銀行(3先) 三菱信託銀行、みずほ信託銀行、資産管理サービス信託銀行
外国銀行(1先) バンク・オブ・アメリカ
証券会社(2先) みずほインベスターズ証券、あさひリテール証券
証券金融(1先) 日本証券金融
短資会社(1先) 東京短資
その他(2先) スイフトジャパン、NTTコムウェア
総計(14先)