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第4回決済システムフォーラムの議事の概要

2002年 7月19日
日本銀行

開催要領

  1. I.開催日時:平成14年7月17日(10:00~12:00)
  2. II.場所:日本銀行本店
  3. III.出席者:別添1参照

議題

  1. I.外為決済リスクへの対応
  2. II.ネットワーク・インフラストラクチャーの高度化
  3. III.証券決済システムの安全性・効率性向上のための取組み

I.外為決済リスクへの対応

1.外為決済リスクの削減に関する中央銀行の視点(事務局説明)

  • 外為決済リスクとは、売渡通貨を支払ったにもかかわらず、買入通貨を受け取れないことによるリスクのこと。同リスクは、「買入通貨の総額」について、「売渡通貨の取消不能化時点」から「買入通貨の受領確認時点」まで存続する。
  • 外為決済リスクは、大規模かつ国境をまたぐ複雑な性質を持つことから、個別金融機関の健全性、市場の流動性、市場全体の効率性・安定性に影響を及ぼしうる。BIS支払・決済システム委員会では、これまで外為決済リスクに関する検討を行ってきており、リスク削減に向けたストラテジーとして、(1)個別金融機関行動の促進、(2)多通貨決済サービス提供に向けた業界グループ対応の促進、(3)民間部門の行動促進に向けた中央銀行行動、を採用している。
  • 各国中央銀行では稼働時間の延長などの措置を講じて、外為決済リスク削減を後押している。また、業界グループ等においても多通貨決済サービスの構築が具体的に進行中である。

2.CLS決済について(諸節CLS東京事務所長から説明)

  • CLS(Continuous Linked Settlement)とは、外為売買に伴う2通貨の決済をPVP(Payment versus Payment)で行うための仕組みの一つ。参加者の最終的なポジションは、各国中銀の当座預金振替により参加者とCLSの間で決済される。これにより、外為取引に伴う信用リスクが大幅に削減できるほか、オペレーショナル・リスク等の削減効果も期待できる。
  • CLSは17カ国65金融機関が出資して作られた。現在、7通貨(日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、加ドル、豪ドル、スイスフラン)を発行する各国中央銀行に開設した当座預金口座を利用したトライアルを実施中であり、近々実稼動の予定である。また、今後は順次対象通貨を拡大する予定である。

3.出席者からの発言要旨

  • 個別金融機関の立場からは、外為決済リスクへの対応として、(1)社内システムを高度化しリアルタイムでリスク量を把握できるようにしているほか、(2)SWIFT・NAIS(Nostro Account Information SWIFT)を利用して入出金情報をリアルタイムで管理する、(3)日本時間帯にドル資金の入金確認を受けることを可能とする海外金融機関のサービスを利用する、といった方策を考えている。

II.ネットワーク・インフラストラクチャーの高度化

1.日銀ネットネットワークインフラの高度化について(日本銀行システム情報局から説明、配付資料は別添2 (PDF、126KB)

  • 日本銀行では、2002年3月28日付け、「日銀ネットのネットワークインフラの高度化について──関係者のご意見、ご提案を踏まえて──」で公表したとおり、コンピュータ接続の改善、日銀ネット端末の改善、電文フォーマット選択の柔軟性確保(国際標準の採用)を内容とする日銀ネットのネットワークインフラの高度化を行う予定である。これは、近年のネットワーク技術や電文フォーマットの標準化等の進展を踏まえ、日銀ネットの一層の利便性向上と利用者の決済事務効率性の向上を図るための措置。
  • 具体的には、コンピュータ接続の通信手順としてインターネットプロトコルを採用するほか、日銀ネット端末としてパソコンの使用可能化に向けて検討を開始している。また、現行の独自フォーマットに加え、SWIFTフォーマットやISO15022を基とした電文を当預系、国債系にそれぞれ導入の予定。
  • 今後、開発・検討の進捗状況につき、早期に開示していく予定。

2.民間資金決済システムにおけるインフラ面の取組み(出席者から説明)

  • 全銀システムでは、2003年11月に第5次全銀システムを稼働開始の予定。第5次システムでは、利用回線の改善や電文の暗号化などによりセキュリティ面の一層の改善が行われる
  • CD/ATMオンラインネットワークに関しては、都銀と地銀の統合システムの構築(2004年初稼働を目標)について、現在、検討が進められており、他業態にも参加を呼びかけている。統合システムでは、24時間365日稼働が可能となるほか、個別行や個別業態のニーズに応じた柔軟なサービス提供も可能となる見込み。

III.証券決済システムの安全性・効率性向上のための取組み

1.国債発行払込RTGS化後の決済状況(事務局説明、配付資料は別添3 (PDF、48KB)

  • 日本銀行では、2001年初のRTGS化以降、当初の段階ではRTGS化を見送った一部の国債決済等についてRTGS化を進めている。その一環として、本年6月10日、それまで3時同時処理および一般処理で行われていた国債の発行払込をRTGS化した。発行払込のRTGS化後も国債決済は円滑に進捗している。
  • 国債発行払込のRTGS化に伴い、発行払込は午前9時から急ピッチで進捗し、新発債の転売等に係る決済も午前中に殆どの処理が完了するようになった。この結果、発行日における日中未決済残高が大幅に削減され、決済リスクの大幅な削減につながっている。

2.民間証券決済システムにおける取組み(出席者から説明)

  • 東京証券取引所を含む全国5証券取引所および日本証券業協会では、本年1月、株式の現物取引を対象に統一清算機関を作ることで合意し、同7月には(株)日本クリアリング機構を設立した。同機構が業務を開始すれば、利用者に対して清算手続の標準化、アクセスポイントの一元化、グローバルスタンダードに合致した清算・決済機能提供といったメリットをもたらす。改正証取法に基づく免許を取得後、2003年1月に業務を開始したい。
  • 証券保管振替機構では、本年6月17日、株式会社として業務を開始した。現在は、一般振替DVP、短期社債等のペーパーレス化への対応、決済照合システムの拡充などに取り組んでいる。一般振替DVPは、2003年度末を目途に、短期社債システムは2002年度末を目途に稼動開始の予定。決済照合システムは、先物・オプション取引等にも取扱い商品を拡充していく予定。

以上


(別添1)

第4回決済システムフォーラム出席者(敬称略)

  • 青木 嘉孝 全国信用協同組合連合会(SANCS運営)決済企画部長
  • 荒井 三郎 東京銀行協会 CDセンター所長
  • 岩田 真生 あさひ銀行(全国銀行協会事務委員会委員長行)業務管理部 次長
  • 奥瀧 芳雄 UFJ銀行(全国銀行協会会長行)決済業務部 次長
  • 加藤 史夫 東京銀行協会 東京手形交換所長
  • 黒住 吉史 みずほ銀行(全国銀行協会市場委員会委員長行)証券・IB企画部 参事役
  • 佐方 裕  東京銀行協会 外国為替円決済制度管理室長
  • 佐々城 浩 住友信託銀行(信託協会<SOCS運営>会長行)営業企画部 審議役
  • 清水 寿二 東京証券取引所 執行役員
  • 田邊 法之 全国地方銀行協会(ACS運営)業務部調査役
  • 茶圓 勉  信金中央金庫(しんきんネットキャッシュサービス運営)決済業務部長
  • 辻 二男  債券決済ネットワーク 業務部長
  • 辻 泰子  労働金庫連合会(ROCS運営)資金管理部長
  • 古川 賢一郎 東京金融先物取引所 業務部業務課長
  • 水野 潮  証券保管振替機構 企画部長

(座長)

  • 三谷 隆博 日本銀行理事
  • 諸節 潔  CLS 東京事務所長
  • 矢部 伸  東京銀行協会 事務システム部長
  • 吉田 正喜 農林中央金庫(全国農協貯金ネットサービス運営)市場業務管理部長
  • 吉本 孝男 第二地方銀行協会(SCS運営)業務部調査役
  • 和田 耕志 東京銀行協会全銀センター所長

(事務局)

日本銀行信用機構室