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第5回決済システムフォーラムの議事の概要

2003年 3月13日
日本銀行




(開催要領)

I. 開催日時:平成15年3月11日(13:30〜15:30)

II. 場所:日本銀行本店

III. 出席者:別添参照


(議題)

I. 緊急時における業務継続体制

II. 各決済システムにおける最近の話題


I.緊急時における業務継続体制

1. 事務局説明

──  事務局より、15年2月に日本銀行が公表した「緊急時における業務継続・復旧体制に関するアンケート調査結果について」に沿って説明。


2. 講演「阪神・淡路大震災からの教訓」(日本証券代行株式会社取締役社長・遠藤勝裕氏)

──  阪神・淡路大震災発生当時の日本銀行神戸支店長である遠藤氏より、大災害時における危機管理のあり方という観点から、阪神・淡路大震災当時の体験とそこから得られた教訓について、約1時間お話し頂いた。

 大規模災害の発生時に人々がパニックに陥るとこれが金融を含む経済や社会に大きな混乱をもたらす。そうしたパニックを回避する上で重要と思ったことは、「日常性の確保」である。中でも大切なのは、金融機関や決済システムがいつものように機能し続けることにより、人々が自分のお金が無事で、いつものように使えるという安心感を持つことである。日本銀行神戸支店では、被災当日における定時の営業開始、営業所を失った金融機関のための臨時窓口設置、金融特別措置の発動、手形交換所の再開などに尽力した。

 組織内部における危機管理体制については次のような教訓を得た。まず、(1)非常時に備えたマニュアルを整備し、それに沿って連絡先の電話番号等を携帯するなどのほか、訓練も怠らないこと。訓練を重ねることで、マニュアルが想定していない事態への対応力も高まる。また、(2)被災地の外に本店や支店があるような場合、こうした拠点が被災地の拠点と密接にコンタクトをとり、必要な支援を行うことが極めて有益である。災害に見舞われたときには、危機対応にあたる職員自身も被災者であることを忘れてはならない。さらに、(3)被災地における組織のトップについては、他の職員や家族の安全を守ることは勿論であるが、トップ自らが命を失ったりして機能できなくなることは是非とも避けねばならない。非常時には組織のトップ同士が直接連絡をとって迅速に物事を決めていく必要があるからである。


II.各決済システムにおける最近の話題

1. 東京銀行協会(矢部事務システム部長)からの説明

 内国為替制度および外国為替円決済制度においては、かねてより決済リスクの削減を目的としたリスク管理策の強化を進めてきたところである。現在、ネット決済を行っている主要な資金決済システムに関しては、ネット負債額上位2先が同時に支払不能になった場合においてもタイムリーな決済完了が可能であることが国際的な標準となっているが、内国為替制度については15年度初より、また、外為円決済制度についても15年度中には、そうした対応が可能となる予定である。

 全国銀行協会では、一昨年来、手形交換業務におけるチェック・トランケーションの導入に向けた検討を行ってきたが、昨年12月、検討の凍結を決定した。これは、チェック・トランケーションの対象にできない領収書等の存在に伴う事務処理の二元化等により合理化効果が十分に見込めないことや、金融界を取り巻く投資環境が一段と厳しいことが主な理由である。


2. CLS東京事務所(諸節代表)からの説明

 CLS(Continuous Linked Settlement)システムは、外国為替売買に伴う2通貨の決済をPVP(Payment versus Payment)で行う仕組みの一つである。昨年9月の本格営業開始後、参加先数や決済件数・金額は順調に増加しており、当初39行であった参加先数が現在49行まで増加しているほか、全通貨合計の1営業日平均の決済件数・金額は6〜7万件、8000〜9000億ドルに達している。また、これまでCLSシステムに持ち込まれた取引は全て当日中に決済が完了している。なお、今後、取扱通貨や業務の拡大も予定している。


3. 証券保管振替機構(水野企画部長)からの説明

 証券保管振替機構では、現在、短期社債等振替システムの稼働開始、決済照合システムの拡充、株式等の一般振替DVPの実現、一般債や投信の振替システムの検討等に取組んでいる。このうち、短期社債等振替システムは本年3月31日に稼働開始の予定であり、決済照合システムは本年5月に先物・オプション取引、国債(売買取引)等まで対象を拡大する予定。株式等の一般振替DVPは16年5月の稼働開始を目標としている。また、今後、株券のペーパーレス化が予定されているが、これは幅広い関係者に大きなインパクトを与えるものであるため、関係者への周知と国民的コンセンサス作りが重要である。円滑な移行には、ペーパーレス化に先立ち保管振替制度への株券の預託・不動化が必要と考えている。


4. 日本証券クリアリング機構(藤澤事務統括長)からの説明

 日本証券クリアリング機構は、本年1月7日、証券取引法に基づく証券取引清算機関としてわが国で初めて有価証券債務引受業の免許を受け、同月14日から業務を開始した。業務開始後2月末までの有価証券債務引受高は、市場内取引で1日当り約7400億円、株数では10億株強となっている。こうした取引は当機構を介したネッティングにより、資金決済額は約10%、証券決済量は約45%に圧縮されている。今後とも、清算インフラの社会的な重要性に鑑み、その安全性、効率性、利便性の向上に努めていきたい。


以  上


別添

第5回決済システムフォーラム出席者(敬称略)


青木 嘉孝 全国信用協同組合連合会(SANCS運営)
決済企画部長
荒井 三郎 東京銀行協会 CDセンター所長
石橋 将男 労働金庫連合会(ROCS運営)
営業部長
井出 明徳 第二地方銀行協会(SCS運営)
業務部長
岩田 真生 りそな銀行(全国銀行協会事務委員会委員長行)
事務部 次長
奥瀧 芳雄 UFJ銀行(全国銀行協会会長行)
決済業務部 次長
加藤 史夫 東京銀行協会 東京手形交換所長
清田 辰巳 東京証券取引所 決済管理部長
黒住 吉史 みずほ銀行(全国銀行協会市場委員会委員長行)
証券・IB部 参事役
佐方  裕 東京銀行協会 外国為替円決済制度管理室長
佐々城 浩 住友信託銀行(信託協会<SOCS運営>会長行)
営業企画部 審議役
茶圓  勉 信金中央金庫(しんきんネットキャッシュサービス運営)
決済業務部長
寺田 信孝 債券決済ネットワーク 業務部長
田邊 法之 全国地方銀行協会(ACS運営)
業務部調査役
平井 賢一 東京金融先物取引所 業務部長
藤澤 廣一 日本証券クリアリング機構 事務統括長
水野  潮 証券保管振替機構 企画部長
(座長) 三谷 隆博 日本銀行理事
諸節  潔 CLS 東京事務所代表
矢部  伸 東京銀行協会 事務システム部長
吉田 正喜 農林中央金庫(全国農協貯金ネットサービス運営)
市場業務管理部長
和田 耕志 東京銀行協会全銀センター所長

(事務局) 日本銀行信用機構室

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