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コマーシャル・ペーパーの決済におけるDVPの実現について

2003年 3月31日
日本銀行

 法人の資金調達手段であり短期金融市場商品でもあるコマーシャル・ペーパー(以下、CP)は、これまで約束手形として発行されてきました。このため、その権利の発生・移転・行使には手形という「紙」が必要とされ、その作成や搬送に時間とコストがかかるだけでなく、CPの受渡しとその代金等の支払いをDVP1で行うことができないなど、決済の安全性・効率性に無視できない問題がありました。

  1. Delivery Versus Payment(デリバリー・バーサス・ペイメント)の略。資金が支払われない限り証券の引渡が行われないこと、また証券が引渡されない限り資金の支払が行われないこと、を確保することにより、証券決済における「取りはぐれ」リスクをなくす仕組み。

 こうした問題を解決するため、CPのペーパーレス化を可能にする法整備2が行われるとともに、そのための制度・システムの構築が進められてきましたが、本日、株式会社証券保管振替機構(以下、保振機構)が、ペーパーレス化されたCP——法律上「短期社債等」といいます——の振替等を行う「短期社債振替システム」の稼働を開始する運びとなりました。

  1. 2平成14年4月1日、短期社債等の振替に関する法律が施行され、CPを完全にペーパーレス化し、口座簿上の振替によりその権利を移転させること等が可能となりました。また、同法は本年1月6日より社債等の振替に関する法律(以下、社債等振替法)となり、対象証券が国債や社債等の幅広い債券等に拡大したほか、その振替を振替機関と口座管理機関が階層構造を成す振替制度によって行うことも可能になりました。

 日本銀行では、これにあわせ、CP決済のDVPを実現するため、保振機構における短期社債等の振替と、日本銀行当座預金の振替によるその代金等の支払とを連動させて行うことが可能になるよう、日本銀行金融ネットワークシステム(以下、日銀ネット)に機能を追加するなどの措置を講じました。具体的には、日銀ネットによる当座預金振替依頼において短期社債等の代金等の支払であることが特定できるようにするとともに、当該振替結果を保振機構に通知できるようにしました。

 こうした措置により、本日から、保振機構のシステムにおいては、日本銀行の当座預金振替により代金等が支払われることを条件に、短期社債等を相手方に振り替えることが可能になりました。

 なお、上記の振替結果の通知に関し、日本銀行は、その受信を希望する者が、(1)社債等振替法上の短期社債等の振替機関であること、(2)日本銀行の当座預金振替を利用したDVP実現を要望していること、(3)事務処理態勢等に特段の問題がみられないこと、を確認できれば、その受信を認める扱いとしています。

 日本銀行としては、CPのペーパーレス化に加え、こうした措置によってCP決済のDVPが実現することにより、CP決済の安全性・効率性が大幅に改善することを期待しています。また、今後とも、関係各方面と協力しつつ、わが国証券決済システムの一層の改善に積極的に貢献していく考えです。

以上