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一般債振替制度の下におけるDVP決済(証券資金同時受渡)の実現について

2006年 1月10日
日本銀行

○ 企業、地方公共団体、財投機関等の資金調達手段である一般債(社債、地方債、政府保証債等)は、これまで、その大部分が社債等登録制度に基づく登録債(以下「登録社債等」という)として発行され、銘柄毎に定められた登録機関(銀行等)により登録簿上の管理がなされてきました。社債等登録制度の下では、登録社債等の決済(受渡し)には、登録機関の登録簿の書換え(移転登録)が必要ですが、これについては、1997年に(株)債券決済ネットワークが運営する「JBネット」1が稼働したことにより、オンライン化が実現しています。日本銀行でも、1998年4月、日本銀行金融ネットワークシステム(以下「日銀ネット」という)をJBネットとリンクさせる等の措置を講じて、日銀ネットの社債等DVPの取扱いを開始し、これにより登録社債等のDVP決済(証券資金同時受渡)2が実現しました。

  1. 登録機関と銀行・証券会社等を中継するオンラインネットワークシステム。
  2. Delivery Versus Payment(デリバリー・バーサス・ペイメント)の略。証券の引渡しと資金の決済を相互に条件付け、一方が行われない限り、他方が行われないことを確保することにより、証券決済における「取りはぐれ」リスクをなくす仕組み。

○ しかし、社債等登録制度の下では、登録機関が多数存在するほか、JBネットに加入しない登録機関では書面による事務が残存してきました。また、同制度は、現物債の存在を前提とするため、登録社債等の記番号管理を行う必要がある等、登録機関の事務が引続き極めて煩瑣であるといった問題がありました。こうした中、「社債等の振替に関する法律」3(2003年1月施行)により、一般債の完全ペーパーレス化を可能にする法的枠組みが整備されました。同法の下で、(株)証券保管振替機構(以下「保振機構」という)が、完全ペーパーレス化された一般債(以下「振替社債等」という)の振替等を行う「一般債振替システム」を運営することとなり、本日、同システムの稼働を開始する運びとなりました。また、これとあわせて、電子CPの振替等を行う保振機構の「短期社債振替システム」についても、「一般債振替システム」と機能を合わせるかたちの機能の高度化が図られています。

  1. 3同法は、コマーシャル・ペーパー(電子CP)の完全ペーパーレス化にかかる「短期社債等の振替に関する法律」(2002年4月施行)を改正したもの。同改正により、法律名が「社債等の振替に関する法律」に改められるとともに、完全ペーパーレス化の対象となる証券が国債や一般債等に拡大される等の見直しが行われている。

○ 日本銀行は、振替社債等についてグロス=グロス型のDVP決済(RTGS決済4)を実現するため、日銀ネットと保振機構の一般債振替システムをリンクさせるなどの所要の措置を講じ、本日、一般債振替システムの稼働開始にあわせて、日銀ネットの振替社債等DVPの取扱いを開始しました。また、2003年3月に開始した電子CPのDVP決済5についても、その仕組みを、振替社債等DVPの仕組みと同様のものに改めました。

  1. 4Real Time Gross Settlement(リアル・タイム・グロス・セトルメント)の略。グロス=グロス型のDVP決済とは、証券の振替と資金の振替を1件毎に紐付けて即時にグロスベースで決済する方法をいう。
  2. 5日本銀行「コマーシャル・ペーパーの決済におけるDVP決済の実現について」 (2003年3月31日)を参照。

○ さらに、日本銀行は、社債等の担保利用の効率化の観点から、振替社債等の共通担保6としての受入れを開始するとともに、担保の受払いに関する事務を日銀ネットによるオンラインで行えるようにする措置を講じています7

  1. 6当座貸越、電子貸付および手形買入に関する約定ならびに代理店契約および歳入代理店契約に基づく担保をいう。
  2. 7日本銀行金融市場局「社債等の担保利用の効率化について」 (2006年1月10日)を参照。

○ なお、社債等登録法は、遅くとも2008年1月までに廃止されることとなります。このため、既発の登録社債等は、今後、順次振替社債等に移行するものと見込まれますが、日本銀行では、JBネットの運営が終了するまでの間は、日銀ネットとJBネットとのリンクによる日銀ネットの社債等DVPの取扱いを継続する方針です。

○ 日本銀行としては、一般債の完全ペーパーレス化に加えて、決済のDVP化等が実現することにより、一般債の決済の安全性・効率性が大幅に改善し、ひいては一般債市場の整備・拡大に繋がるものと期待しています。今後とも、関係各方面と協力しつつ、わが国証券決済システムの一層の改善に積極的に貢献していく考えです。

以上