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BIS支払・決済システム委員会による市中協議報告書「外為決済リスク削減の進展について」の公表について

2007年7月19日
日本銀行

BIS支払・決済システム委員会(CPSS)は、7月17日に、市中協議報告書「外為決済リスク削減の進展について(原題:Progress in reducing foreign exchange settlement risk)」を公表し、本年10月12日を期限とした市中協議を開始しました。以下には、CPSSが公表したプレス・リリースの日本銀行仮訳を掲載しています。

なお、プレス・リリースおよび報告書の原文(英語)はBISのウェブ・サイト(アドレス:www.bis.org(外部サイトへのリンク))に掲載されておりますので、併せてご参照下さい。

(日本銀行仮訳)

国際決済銀行
支払・決済システム委員会

プレス・リリース
中央銀行は、外為決済リスク削減のための追加措置を要請

「金融サービス業界は、外為決済リスクへの対応を大幅に進展させた。もっとも、残りのエクスポージャーや、これまでの進展が後戻りするリスクに対処するために追加的にできること、なすべきことがある」ニューヨーク連邦準備銀行総裁で支払・決済システム委員会(CPSS)の議長でもあるティモシー F.ガイトナーはこのように発言した。

CPSSは本日、市中協議報告書「外為決済リスク削減の進展について」を公表した。同報告書は、外為市場において活発に取引を行う100先以上の銀行およびその他の主体が、外為取引の決済に伴うリスクをどのように管理しているかに関する大規模なサーベイの結果を扱っている。同報告書には、システミック・リスクをもたらし得る残りのエクスポージャーを削減・管理し、これまでの進展の後戻りの可能性を防ぐための、個別の主体、業界グループ、および中央銀行に対する具体的な提言が挙げられている。同報告書は、BISのウェブ・サイト(www.bis.org(外部サイトへのリンク))から入手可能である。

「外為決済リスクは、そのシステミック・リスクへの影響から、長い間、G10諸国の中央銀行総裁およびCPSSの懸念事項であった。サーベイ結果は追加的な措置が必要であることを示していることから、中央銀行は、金融機関が外為決済エクスポージャーの十分な管理を継続的に行うことを確保するため、銀行監督当局およびその他の当局との協力のあり方を検討する」とガイトナー氏は述べた。

「バーゼル銀行監督委員会はこの重要な報告書を歓迎する。また、さらなる進展を促すためのCPSSとの最善の協力方法について、既に話し合いを始めている」オランダ中央銀行総裁でバーゼル銀行監督委員会の議長でもあるノート・ウェリンクは、このように発言した。

G10諸国の中央銀行は、1996年に、外為取引の決済の仕組みが内包するシステミック・リスクを削減するための包括的かつ長期的なストラテジーを了承した。今般公表されたサーベイ結果は、このストラテジーが大きな成功を収めたことを示している。特に、外為取引の55%は現在、「2通貨条件付決済(payment-versus-payment)」を専門に行うCLSというサービスを用いて決済されている。「外為決済リスク削減に向けた業界の取組みを求める中央銀行の要請に対応して、世界各国の大手銀行およびその他の主体が経営方針としてのコミットメントを強力に表明し、資源投入その他の努力を行ってきたことが、こうした重要な成果となって表れている」とガイトナー氏は述べた。

もっとも、追加的な措置が必要である。例えば、サーベイ結果は、外為取引の45%が引続きCLS以外の方法で決済されており、その殆どが外為決済リスクに晒される従来型の方法で行われていることを示している。さらに、外為決済エクスポージャーのうち半分は、日中のみならず、オーバーナイトで発生している。

上記の結果を踏まえ、本報告書は、個別の主体、業界グループ、および中央銀行に対する提言からなる、以下の総合的なストラテジーを提案している。

  • 最も基本的なレベルの対応として、個別の主体は、外為決済方式の選択が十分な情報に基づき適切に行われるよう、自社におけるリスク管理体制やインセンティブの仕組みを確保する必要がある。
  • 業界グループは、リスク削減に資する外為決済サービス——とりわけ当日物取引や一部の翌日物取引を決済するためのサービス——を今後も構築していくことが望まれる。
  • 報告書は、中央銀行が金融業界による継続的な進展を促すためのいくつかの方策も提示している。

<報道機関向けの情報>

本報告書は、市中協議書であり、関係者からの意見を募集している。意見はCPSS事務局(cpss@bis.org)に2007年10月12日までに送付し、電子メールのタイトルには「foreign exchange settlement risk」と記入すること。寄せられた意見は、コメント先から非公表の要望がない限り、BISのウェブサイト(www.bis.org(外部サイトへのリンク))で公表される。報告書の最終版は、市中協議期間の終了後に公表される。

cpssとは何か?

支払・決済システム委員会(CPSS)は、中央銀行が支払・決済の仕組みの動向をモニタリング・分析し、関連する政策課題を検討するためのフォーラムである。CPSS議長は、ニューヨーク連邦準備銀行総裁のティモシーF.ガイトナー氏である。上述のサーベイは、CPSS傘下の外為決済リスク小委員会により企画された。同小委員会の議長はニューヨーク連邦準備銀行シニア・ヴァイス・プレジデントのローレンスM.スウィート氏である。CPSSの事務局は、BISが務めている。CPSSに関する詳しい情報および公表物は、BISのウェブ・サイト(http://www.bis.org/cpss/index.htm(外部サイトへのリンク))から入手可能である。

外為決済リスクとは何か?

外為決済リスクとは、外為取引における一方の当事者が売渡通貨を支払ったものの、買入通貨を受け取ることができないリスクである。同リスクは、流動性リスク(買入通貨を期日に受け取ることができないリスク)および信用リスク(買入通貨を期日およびそれ以降のいかなる時点においても受け取ることができないリスク)からなる。この場合、一方の当事者の外為決済エクスポージャーの大きさは買入通貨の全額と等しくなる。外為決済リスクおよびその発生源については、「外為取引における決済リスクについて(原題:Settlement risk in foreign exchange transactions)」(BIS、1996年)を参照。同報告書はhttp://www.bis.org/publ/cpss17.htm(外部サイトへのリンク)より入手可能である。

CLS銀行とは何か?

CLS銀行は、外為取引を「payment-versus-payment方式」で決済する手段を提供する。同行は2002年に設立され、現在、一日当たり平均3兆米ドルに相当する、15通貨の外為取引関連の決済を行っている。CLS銀行は、民間銀行およびその他の金融機関により所有されている。詳細はCLSのウェブ・サイト(http://www.cls-services.com/(外部サイトへのリンク))を参照。

1996年に中央銀行が打ち出したストラテジーとは何か?

外為決済リスク削減のためのストラテジーは、問題解決の上での民間部門による行動を重視している。具体的には、個別銀行が自身の外為決済エクスポージャーを管理するために採る行動、業界グループがリスク削減に資する多通貨サービスを提供するために採る行動、中央銀行が民間部門における迅速な進展を促すために採る行動、の3項目からなる。同ストラテジーは、上述の「外為取引における決済リスクにおいて」の中で示された。

以上