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平成二十八年熊本地震にかかる被災地企業等債務に関する担保の適格性判定等に関する特則(2019年7月24日廃止)

English

決定 2016年 4月28日

改正 2016年 9月21日
2017年 1月31日
2018年 1月23日
2019年 1月23日

1. 趣旨

平成二十八年熊本地震の発生を踏まえ、今後の被災地(平成二十八年熊本地震に関し災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けている地域をいう。以下同じ。)の金融機関(日本銀行法(平成9年法律第89号)第37条第1項に規定する金融機関をいう。以下同じ。)の資金調達余力を確保する観点から、被災地の金融機関が差入れる担保のうち、被災地に事業所等を有する企業等の債務にかかる担保の適格性判定等については、「適格担保取扱基本要領」(平成12年10月13日付政委第138号別紙1.)および「企業の信用判定基本要領」(平成12年10月13日付政委第138号別紙2.)によるほか、この特則に定めるとおりとする。

2. 適用

(1)対象金融機関

当座勘定取引の相手方である金融機関のうち、被災地に貸出業務を行う営業所等(本店、支店その他これらと同等の機能を有するものをいう。)を有する先とする。

(2)対象となる担保の種類

次の各号に掲げる債務者(ただし、手形については支払人。)の別に応じ、当該各号に掲げる種類の担保とする。

  1. イ.被災地に事業所等を有する企業
    社債、手形、電子記録債権および証書貸付債権
  2. ロ.被災地の地方公共団体(全部または一部の市区町村が被災地に含まれる県または市を含む。以下同じ。)
    電子記録債権および証書貸付債権
  3. ハ.被災地地方公共団体出資法人(被災地の地方公共団体が全額出資している法人のうち、被災地に事業所等を有するものをいう。以下同じ。)
    電子記録債権および証書貸付債権

3. 適格基準

2.(2)に掲げる担保の適格基準は、当該担保が「適格担保取扱基本要領」別表に掲げる基準を満たす場合を除き、(1)から(3)までに規定するとおりとする。ただし、適格とすることに特段の問題が認められる場合には、当該規定と異なる取扱いをすることができる。

(1)被災地に事業所等を有する企業の債務

社債

適格格付機関からBBB格相当以上の格付を取得している公募普通社債(発行企業またはその元利金の全額につき連帯保証している企業もしくは当該保証企業が発行する社債(保証付社債を除く。)がBBB格相当以上の格付を取得しているものを含む。)のうち、発行企業の信用力その他の事情を勘案して、本行が適格と認めるものであること。

手形

イ.およびロ.を満たしていること。

  1. イ.支払人が、担保差入先金融機関の直近の自己査定において正常先に区分されていること。
  2. ロ.振出日から満期日までの期間が1年以内のものであること。

電子記録債権

イ.からハ.までをいずれも満たしていること。

  1. イ.適格記録機関により電子記録が行われるものであること。
  2. ロ.(イ)または(ロ)を満たしていること。
    1. (イ)債務者が、担保差入先金融機関の直近の自己査定において正常先に区分されていること(以下、イ.、本号およびハ.により適格とされた電子記録債権ならびに(3)に定める電子記録債権を総称して「正常先電子記録債権」という。)。
    2. (ロ)債務者が適格格付機関からBBB格相当以上の格付を取得しているもの(債務者が発行する社債(保証付社債を除く。)がBBB格相当以上の格付を取得しているものを含む。)のうち、債務者の信用力その他の事情を勘案して、本行が適格と認めるものであること。
  3. ハ.残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

証書貸付債権

イ.およびロ.を満たしていること。

  1. イ.(イ)または(ロ)を満たしていること。
    1. (イ)債務者が、担保差入先金融機関の直近の自己査定において正常先に区分されていること(以下、本号およびロ.により適格とされた証書貸付債権ならびに(3)に定める証書貸付債権を総称して「正常先証書貸付債権」という。)。
    2. (ロ)債務者が適格格付機関からBBB格相当以上の格付を取得しているもの(債務者が発行する社債(保証付社債を除く。)がBBB格相当以上の格付を取得しているものを含む。)のうち、債務者の信用力その他の事情を勘案して、本行が適格と認めるものであること。
  2. ロ.残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

(2)被災地の地方公共団体の債務

電子記録債権

イ.およびロ.を満たしていること。

  1. イ.適格記録機関により電子記録が行われるものであること。
  2. ロ.残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

証書貸付債権

残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

(3)被災地地方公共団体出資法人の債務

電子記録債権

イ.からハ.までをいずれも満たしていること。

  1. イ.適格記録機関により電子記録が行われるものであること。
  2. ロ.債務者が、担保差入先金融機関の直近の自己査定において正常先に区分されていること。
  3. ハ.残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

証書貸付債権

イ.およびロ.を満たしていること。

  1. イ.債務者が、担保差入先金融機関の直近の自己査定において正常先に区分されていること。
  2. ロ.残存期間が10年以内のもの(満期が応当月内に到来するものを含む。)であること。

4. 担保価格

2.(2)に掲げる担保の担保価格については、当該担保が「適格担保取扱基本要領」別表に掲げる基準を満たす場合を除き、「適格担保取扱基本要領」3.(2)および(3)の定めを準用する。

5. 手形、正常先電子記録債権および正常先証書貸付債権に関する特例的取扱い

(1)担保差入額の限度

3.(1)および(3)の適格基準に基づき金融機関が担保として差入れる手形、正常先電子記録債権および正常先証書貸付債権の担保価額の合計額は、当該金融機関が差入れている担保価額の総額に、50%以内の別に定める割合を乗じた金額を超えることはできない。

(2)信用力の判断

3.(1)および(3)の適格基準に基づく手形、正常先電子記録債権および正常先証書貸付債権の債務者の信用力の判断については、「適格担保取扱基本要領」4.(3)の規定を適用しない。

附則

1.本措置は、被災地に事業所等を有する企業等の債務にかかる担保受入れのための所要の準備が整い次第速やかに実施することとし、具体的な実施日は総裁が定める。

2.本措置は、平成33年4月30日をもって廃止する。