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金融市場レポート

2006年前半の動き

2006年7月31日
日本銀行金融市場局

要旨

 2006年前半のわが国金融市場は、景気が着実な回復を続ける中で、長期金利が近年のレンジを抜けて一時2%近辺まで上昇したほか、短期金利も3月の量的緩和政策の解除を経てそれまでの低位安定から強含みないし上昇に転じた。円相場も、昨年末に比べ円高となった。一方、株価は、わが国経済の良好なファンダメンタルズが上昇要因として作用したが、5月以降、投資家がリスク資産から資金を引き揚げる動きがグローバルに広がったこと(いわゆる「グローバル・リスク・リダクション」)の影響を強く受け、昨年末に比べると下落した。

 市場毎にみると、短期金融市場では、量的緩和政策解除後の利上げペースを巡る思惑から、ターム物金利が、3か月や1か月といった短めのタームも含めて上昇した。翌日物金利も、当座預金残高が減少する下で、5月以降強含んだ。この間、短期金融市場における取引は全般に活発化し、市場機能の回復、すなわち市場を通じる資金循環の円滑化がある程度進んだ。

 長期金利は、景気・物価見通しの改善や先行き利上げ観測の強まり、米国長期金利の上昇などを背景に、一時04年のピークを上回る2%近辺に達するなど、総じて上昇傾向を辿った。

 株価も、わが国経済の良好なファンダメンタルズが意識される下で、一時2000年7月以来となる17,500円前後まで上昇する局面もあったが、5月以降グローバルなリスク削減の動きの影響を強く受けて下落に転じ、6月末の株価は昨年末を下回った。昨年後半に急上昇した新興市場株価も、本年前半を通じて調整色の強い展開となった。

 クレジット市場では、これまで極めて低位で推移してきたクレジット・スプレッドが、3月前後から幾分拡大に転じた。また、発行市場では低格付けの社債や、財投機関債の発行が減少ないし鈍化し、CPの残高は減少した。金利の上昇や変動幅拡大を受けて投資家の姿勢が幾分慎重化した面もあるが、社債、地方債、財投機関債それぞれについて、投資家からみて発行体への懸念材料となり得る個別要因が相次いだことの影響が大きく、クレジット市場全体としてみると、安定的な地合いに大きな変化はみられない。

 外国為替市場では、米国の対外不均衡問題を巡る思惑や、グローバルなリスク削減の影響もあって振れの大きい展開となったが、本年前半を通じてみると、昨年来の対主要通貨でのドル高傾向に歯止めがかかりドル安地合いとなった。