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地域金融機関における最近の貸倒引当金の算定状況

2015年8月19日
日本銀行金融機構局

要旨

ここ数年の地域金融機関の貸倒引当金比率は、長期時系列的にみてかなり低い水準にある。これは、基本的には景気回復等に伴って借り手企業の業績・財務が改善し、金融機関の資産内容が改善していること、近年の貸倒実績率が低下していることによるものである。

もっとも、引当は将来に備えて行うものであり、景気循環の影響を均してみていくとともに、過去の実績に反映されていない先行きの変化を適切に織り込んでいくことが望ましい。

今般、日本銀行が実施したアンケート調査によれば、2014年度決算において、地域銀行で約9割、信用金庫で約7割の先が、こうした観点から引当方法を工夫していることが確認された。具体的な内容をみると「算定期間数の拡大」により対応している先が多いほか、要管理先や破綻懸念先について、「DCF法」や「CF控除法」を導入(DCF法の適用額引下げを含む)している先が相応にみられる。特に、貸倒実績率が大きく低下した2011年度以降にこうした対応を講じた先が少なくない。

地域金融機関においては、基礎的な収益で信用コストをカバーし得る余地が縮小してきている。加えて、足もと、地域の産業・企業の活力向上支援や自らの事業領域の拡充など、様々な面で取り組みを強化しており、こうした取り組みの過程では、今後、過去の実績には反映されていないリスク・コストが生じる可能性もある。以上を踏まえると、貸倒引当金の算定にあたっては、個々の金融機関が貸出資産内容や地域経済、借り手企業の状況等を踏まえながら、その適切性を継続して検証していく必要がある。

日本銀行から

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照会先

金融機構局金融第2課

E-mail : post.fsbe2@boj.or.jp