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決済システムレポート2007−2008

2008年10月
日本銀行

はじめに

 決済システムレポートは、わが国決済システムの動きを概括し、今後の課題を把握することを目的として発行するものであり、以下の3点を柱に記述している。

  1. (1)わが国決済システムにおける取扱高の推移や制度改革の動向を分析・紹介すること。
  2. (2)わが国決済システムの安全性・効率性の面での課題を把握し、それへの対応状況と日本銀行の取組みを紹介すること。
  3. (3)決済システムにかかる研究成果を紹介し、国内外における決済問題への取組みに貢献すること。

 今回のレポートの対象期間である2007年初から2008年秋までを振り返ると、金融政策の変更や米国サブプライムローン問題の顕在化をきっかけに、わが国における資金・証券の決済量は大幅に増加した。
 この間、わが国決済システムは、こうした決済量の大幅増加にもかかわらず、安定的な処理を実現してきた。特にリーマン・ブラザーズ証券の破綻においては、債券や株式の現物、先物の決済に多額の不履行が生じたが、その後の処理は、各決済システムの規則や取引当事者間の合意であらかじめ定められた方法、手順等に従い進捗した。

 しかし、内外の決済システムの相互依存関係が一段と強まったもとで、国際金融資本市場の動揺は依然続いている。こうした状況を踏まえれば、海外の決済システムの動向もフォローしながら、わが国決済システムをより安全で効率的なものとしていくことが一層重要な課題となっている。

 そうした観点から最近の制度面の動きをみると、わが国では、現在、日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)における次世代RTGSプロジェクトや証券決済システムにおける株券電子化のプロジェクトが進行中である。また、業務継続体制充実に向けての取組みなども活発化している。
 一方、海外の動向をみると、欧州連合では、資金・証券決済システム改革が急ピッチで進行しているほか、米国や英国では、最近の国際金融資本市場の動揺を踏まえ、中央銀行による決済システムのオーバーサイトに関する制度整備も検討されている。

 日本銀行としては、今後とも、わが国中央銀行として、決済システムの運営主体や参加金融機関、海外中央銀行等との緊密な連携のもとで、より安全で効率的なわが国決済システムの構築に向けて引き続き注力していく考えである。

日本銀行から

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