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決済システムレポート2010-2011

2011年6月
日本銀行

はじめに

「決済システムレポート」は、わが国の決済システムの動きを概括し、今後の課題を把握するとともに、課題への対応状況と日本銀行の取組みを紹介することを目的に、2005年版から刊行している。本「決済システムレポート2010-2011」は、2010年から2011年6月までを対象期間としている。

近年の国際金融危機をきっかけに、内外の決済システムは、カウンターパーティ・リスク管理や流動性リスク管理等の一層の充実を図ってきている。国際的には、店頭デリバティブ取引における清算機関や取引情報蓄積機関の利用義務付け、決済システムの国際基準の見直し、決済システムに対する監督・オーバーサイト体制の強化などの動きが進んでいる。わが国でも、関連法制の整備、店頭デリバティブ清算機関の設立、清算機関のリスク管理強化などの動きが進展している。この間、新日銀ネットや第6次全銀システムなどの大型システム開発プロジェクトも進捗している。

日本銀行は、こうした内外決済システムの動向を踏まえつつ、日銀ネットの一層の機能向上に取組むとともに、オーバーサイトの体制整備を進めてきた。オーバーサイトとは、民間決済システムの制度設計やリスク管理体制、運営状況等をモニタリングし、その安全性と効率性を評価するとともに、必要に応じて改善に向けた働きかけを行うことである。2010年5月、日本銀行は、国内およびオフショアの「決済システムに対する『オーバーサイト』の基本方針」を公表し、その目的や活動方針を明確にした。その後、この方針に基づき、決済システムの運営主体と継続的に議論を行い、安全性・効率性向上への取組みを支援している。

この間、2011年3月には東日本大震災が発生した。社会的、経済的な被害は甚大なものとなったが、わが国決済システムや金融機関は、震災発生後も全体として安定的に業務を継続し、金融インフラとしての正常な機能を維持した。これには、金融・決済機能の維持に向けた被災地金融機関の懸命な努力とともに、業務継続体制の整備に対するわが国決済システムや金融機関の地道な取組みが寄与したものと評価している。

本レポートでは、民間決済システムのリスク管理の充実に向けた取組みと日本銀行によるオーバーサイト活動を中心に、最近のわが国決済システムの動向を紹介する。

日本銀行は、今後とも、民間決済システムの運営主体や参加金融機関、海外中央銀行、金融庁等との緊密な連携のもとで、より安全で効率的なわが国決済システムの構築に向けて注力していく考えである。

参考資料

この資料では、わが国決済システムや業務継続体制の整備・改善に関する動向と、日本銀行の取組みなどを時系列で紹介しています。

日本銀行から

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