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キャッシュレス決済の現状

2018年9月28日
日本銀行決済機構局

要旨

グローバルな情報技術革新やスマートフォンの普及、eコマースなどの新しい経済活動の拡大などを背景に、現金を媒体とせずデジタル化された手段で支払決済を行う「キャッシュレス決済」が各国で拡大している。このようなキャッシュレス決済は、情報技術を活用した支払決済の効率化・コスト削減に加え、支払決済に伴うデータの活用といった観点からも注目を集めている。

日本は従来から、ドイツなどと共に、現金志向の強い国と捉えられてきた。もっとも日本でも、支払決済の効率化やデータの活用、インバウンド消費の取り込みなどを企図した、キャッシュレス決済推進の取り組みが活発化している。政府も、キャッシュレス化に向けた取り組みを進めている。

日本では、少額決済を中心に、現金は引き続きドミナントな支払決済手段となっている。その一方で、クレジットカードや電子マネー、デビットカードなどの利用も増加傾向にあり、現在、日常的な買い物において、約8割の人々が、これらのキャッシュレス決済と現金を併用するに至っている。

キャッシュレス決済の利用度をみると、大都市圏ほど、また若年層ほど、キャッシュレス決済が利用される傾向が強い。また、高額の支払いになるほどキャッシュレス決済が選択されやすい傾向も窺われる。こうしたキャッシュレス決済を選択する人々は、現時点では、利用に伴う「ポイント」の獲得や割引にメリットを感じている。

先行きを展望すると、eコマースなどの拡大や、民間による、2020年東京オリンピック・パラリンピックなども展望したキャッシュレス決済推進の取り組み、さらには政府の取り組みなども反映し、今後もキャッシュレス決済は増加していくことが見込まれる。このなかで、支払決済の効率性と安全性を両立させていく観点から、関係者には、情報セキュリティやプライバシー保護などの面で、適切な方策を講じていくことも求められる。

日本銀行から

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照会先

決済機構局決済システム課

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