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地域経済報告 (2005年10月)*

  • 本報告は、本日開催の支店長会議に向けて収集された情報をもとに記述されている。
    なお、記述内容は支店等地域経済担当部署からの報告を集約したものであり、必ずしも日本銀行全体の統一した見解ではない。

2005年10月20日
日本銀行

以下には「1.各地域からの報告のポイント」を掲載しています。全文は、こちら(chiiki0510.pdf 291KB) から入手できます。

なお、本報告の構成は以下のとおりです。

  • 1.各地域からの報告のポイント
  • 2.その他の話題
    • 1.素原材料価格上昇の影響について
    • 2.企業の拠点整備に向けた動きや各地の企業誘致の取組み状況について
  • <参考1>地域別金融経済概況
  • <参考2>地域別主要指標

本件照会先

調査統計局 地域経済担当

清水 (Tel.03-3277-1357)

1. 各地域からの報告のポイント

 各地域の取りまとめ店の報告によると、足もとの景気は、程度の差はあるものの、ほとんどの地域で回復の動きを示している。

 すなわち、全9地域のうち、北海道を除く8地域の景気は、内需が上向く中で生産面の調整が一巡したため、回復の動きがはっきりとしてきている。ただ、その程度には、近畿の「緩やかな拡大」から東北・四国の「緩やかな持ち直し」まで、地域差がみられる。

 なお、7月支店長会議時と比べると、3地域(北海道、四国、九州・沖縄)は前回判断を維持しているが、近畿が総括判断を上方修正したほか、残り5地域がやや上方修正している。上方修正の背景をみると、IT関連分野の調整が一巡するもとでの生産の「増加」ないしは「持ち直し」や、雇用・所得環境の改善を背景とする個人消費の「底堅さ」や「持ち直し」、住宅投資の緩やかな増加をあげる地域が多い。

表 各地域からの報告のポイント
  7月判断 判断の変化 10月判断
北海道 横ばい圏内で推移している 判断の変化 横ばい圏内で推移している
東北 一部に明るい動きがみられるものの、依然横ばい圏内を脱しきれていない 判断の変化 地域、業種、企業間の格差を伴いつつも、緩やかに持ち直しつつある
北陸 緩やかながら回復を続けており、生産面などにおける調整の動きも弱まりつつある 判断の変化 緩やかな回復を続けている
関東甲信越 緩やかな回復基調にあり、一部にみられた弱さも解消しつつある 判断の変化 緩やかに回復している
東海 基調として回復を続けており、足もとの一服感も弱まりつつある 判断の変化 基調として回復を続けている
近畿 回復基調が持続する下で、次第に調整色が和らぎつつある 判断の変化 緩やかな拡大を続けている
中国 緩やかな回復基調にあり、一部にみられた調整の動きも弱まりつつある 判断の変化 緩やかに回復している
四国 基調として緩やかな持ち直しの動きを続けている中、一部での増勢一服感が薄らぐ兆しも窺われている 判断の変化 一部での増勢一服感が薄らいでいる中、基調として緩やかな持ち直しの動きを続けている
九州・沖縄 製造業を中心に緩やかな回復を続けている 判断の変化 緩やかに回復している

 個人消費は、近畿・東海で緩やかな「増加」や「回復」、また、6地域で「持ち直し」や「底堅い」、「底堅さが窺われつつある」といった判断をしている。この間、北海道は「横ばい」と報告している。

 乗用車販売は、足もと一服感は窺われるが、新型車や軽自動車を中心に、基調として「持ち直し傾向」、あるいは「堅調」とする地域が多い。また、家電販売は各地域で「好調」ないしは「堅調」に推移している。この間、大型小売店の売上をみると、北海道・東北で弱めとなっているが、その他の地域では、総じて明るめの動きが報告されている。

 なお、前回報告との比較では、北海道・東北・四国を除く6地域が判断をやや上方修正しており、個人消費の「底堅さ」や「持ち直し」傾向に、地域的な広がりが窺われる。

 設備投資は、すべての地域で、引き続き増加傾向にある。

 前回報告との比較では、北陸が判断を上方修正したほか、近畿がやや上方修正した。

 生産は、近畿・北陸が「増加」、あるいは「増加基調」に転じているほか、関東甲信越・東海・中国・四国の4地域が「持ち直し」としている。また、東北も、IT関連の調整進捗に伴い、回復に向けた動きがみられる。これら7地域では、IT関連分野の調整の一巡と、それに伴う電気機械、電子部品・デバイス等の生産増加、あるいは持ち直しの動きを報告している。一方、北海道、九州・沖縄では「減少」と報告している。

 前回報告との比較では、北海道、九州・沖縄がやや下方修正した一方で、前回判断を維持した中国を除く6地域が、判断をやや上方修正している。c 雇用・所得環境をみると、労働需給については、すべての地域で改善が続いている。なお、こうした改善傾向は広くみられるものの、東海の「有効求人倍率が高水準で推移」から北海道の「厳しいながらも改善」まで、地域間の格差は依然として大きい。

 所得面では、東北が「低調」な一方、他の地域では、テンポにばらつきはあるものの、改善方向に向かっている、あるいは「下げ止まり」と報告している。

 前回報告との比較では、労働需給・雇用面について、近畿でやや上方修正されたほかは、全ての地域で前回判断が維持されている。一方、所得面では、北海道・北陸・近畿・中国の4地域で、判断をやや上方修正している。

需要項目等

表 需要項目等
  個人消費 設備投資 生産 雇用・所得
北海道 横ばいとなっている 増加している 減少している 雇用情勢については、厳しい状況ながらも改善の動きが続いている。賃金は、下げ止まりつつある
東北 浮揚感に乏しいながらも、徐々に底堅さが窺われつつある 製造業を中心に増加している IT関連の調整進捗に伴い、回復に向けた動きがみられる 雇用情勢をみると、全体としては緩やかな改善傾向にある。所得は、全体として低調に推移している
北陸 持ち直し傾向をたどっている 2005年度計画が一段と上方修正され、高水準の前年を上回っている 増加基調に転じている 雇用・賃金情勢は、改善傾向をたどっている
関東甲信越 底堅く推移している 増加を続けている 持ち直している 雇用情勢は、総じてみると改善している。雇用者所得は、緩やかな増加を続けている
東海 緩やかに回復しつつある 着実な増加を続けている 持ち直している 有効求人倍率は高水準、常用労働者数も増加している。所得は改善している
近畿 全体として緩やかに増加している 引き続き増加している 増加に転じている 雇用情勢をみると、緩やかに改善している。雇用者所得は、増加に転じている
中国 持ち直している 増加傾向にある 持ち直している 雇用情勢は、改善の動きが続いている。賃金は、下げ止まっている
四国 強弱入り混じりながらも、全体としては、底堅く推移している 製造業を中心に回復傾向を続けている 緩やかに持ち直している 雇用情勢は、全体として緩やかな改善基調をたどっている。賃金は、一部地域において現金給与総額が前年を上回る動きもみられる
九州・沖縄 緩やかに持ち直している 製造業を中心に増加している このところ幾分減少している 雇用情勢は、緩やかな改善傾向が続いている。雇用者所得をみると、現金給与総額は前年並みの水準まで改善してきている