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地域経済報告 (2006年10月)*

  • 本報告は、本日開催の支店長会議に向けて収集された情報をもとに記述されている。
    なお、記述内容は支店等地域経済担当部署からの報告を集約したものであり、必ずしも日本銀行全体の統一した見解ではない。

2006年10月19日
日本銀行

全文の目次

  • I.地域から見た景気情勢
  • II.地域の視点
  • <参考1>地域別金融経済概況
  • <参考2>地域別主要指標

本件照会先

調査統計局 地域経済担当

土居(Tel.03-3277-1357)

I.地域からみた景気情勢

 各地域の取りまとめ店の報告によると、足もとの景気は、すべての地域において拡大または回復方向の動きとなっており、地域差はあるものの、全体として緩やかに拡大している。

 すなわち、設備投資がすべての地域で引き続き増加傾向にあるほか、輸出も多くの地域で増加しているなど、企業部門は好調さを増している。また、地域差を伴いつつ個人消費も緩やかに回復するなど、家計部門への波及も徐々に進んでいる。こうした中で、生産の増加も明確化している。もっとも、「拡大」との判断にある関東甲信越、東海、近畿と、「回復」方向にあるその他の地域との間においては、回復の程度や勢いに、依然、地域差がみられている。

 なお、7月の支店長会議時と比べると、関東甲信越では、輸出や生産の増加を主因に、北海道でも、個人消費に明るい動きがうかがわれつつあること等を背景に、総括判断をそれぞれやや上方修正している。その他の7地域では、拡大または回復方向での総括判断を据え置いている。

表 地域からみた景気情勢
  7月判断 判断の変化 10月判断
北海道 持ち直しの動きに足踏み感がみられている 判断の変化 緩やかに持ち直している
東北 緩やかに回復している 判断の変化 緩やかな回復を続けている
北陸 着実に回復している 判断の変化 着実に回復している
関東甲信越 着実に回復を続けている 判断の変化 緩やかに拡大している
東海 拡大している 判断の変化 拡大している
近畿 拡大を続けている 判断の変化 拡大を続けている
中国 全体として回復を続けている 判断の変化 全体として回復を続けている
四国 緩やかながら持ち直しの動きが続いている 判断の変化 緩やかながら持ち直しの動きが続いている
九州・沖縄 回復を続けている 判断の変化 回復を続けている

 個人消費は、関東甲信越、東海、近畿で緩やかな「増加」あるいは「回復」と判断しているほか、その他の多くの地域でも、引き続き「底堅く推移」または「持ち直し」としている。この間、これまで「回復感に乏しい」としていた北海道でも「横ばい」との判断に転じている。

 主な個別の指標をみると、大型小売店の売上は、7月にかけてみられた天候不順の影響が概ね解消する中、衣料品を中心に持ち直しの動きが報告されている。家電販売も、デジタル家電や高付加価値の白物家電を中心に、引き続き「増加」ないし「堅調」に推移している。一方、乗用車販売は、引き続き弱い動きとなっている。この間、観光は、幾つかの地域において、客数が前年を上回っているとしているほか、旅行取扱高も、海外旅行を中心に堅調に推移している、との報告がみられている。

 前回報告との比較では、北海道が判断をやや上方修正した。

 設備投資は、内外需の好調や高水準の企業収益を背景に、すべての地域で、引き続き増加傾向にある。また、中国地域からは、積極的な能力増強投資の動きが大企業から中堅・中小企業にも広がりつつある、との報告もみられている。

 前回報告との比較では、中国が判断をやや上方修正した。

 生産は、内外需の好調を背景に、ほとんどの地域が「増加」と判断している。この間、北海道、四国では「緩やかに持ち直し」あるいは「緩やかに回復」と判断している。

 業種別の特徴をみると、加工業種では、デジタル家電向けや携帯電話向け等の電子部品・デバイスや電気機械、一般機械が旺盛な需要を背景に引き続き増加している。また、自動車関連などの輸送機械も輸出の好調を主因に生産水準を引き上げている。この間、素材業種では、鉄鋼が高操業を続けているほか、繊維も北陸で下げ止まりつつある一方、窯業・土石等では公共投資の減少から低操業を継続している地域が目立つなど、業種のばらつきは引き続きみられる。

 前回報告との比較では、関東甲信越が判断をやや上方修正した。

 雇用・所得環境をみると、労働需給については、生産水準の引き上げ等を背景に新規求人数が増えるなど、ほとんどの地域で引き続き改善している。もっとも、東海の「有効求人倍率が高水準で推移」から、北海道の「横ばい圏内で推移」まで、地域差は依然大きい。所得面では、多くの地域で労働需給の改善や高水準の企業収益などを背景に、程度の差はあるものの、「増加」あるいは「改善」と判断している。一方、北海道が「やや弱めの動き」、東北が「低調に推移しているものの前年比マイナス幅は縮小傾向」としている。

 前回報告との比較では、北海道が判断をやや下方修正した。

需要項目等

表 需要項目等
  個人消費 設備投資 生産 雇用・所得
北海道 横ばいとなっている 底堅く推移している 緩やかに持ち直している 雇用情勢は、横ばい圏内で推移している。雇用者所得は、やや弱めの動きとなっている
東北 底堅く推移している 増加している 増加している 労働需給は引き続き改善傾向にある。雇用者所得は、低調に推移しているものの、前年比マイナス幅は縮小傾向にある
北陸 持ち直している 製造業を中心に高水準の前年を上回る増加を見込んでいる 増加している 雇用情勢をみると、引き続き改善している。雇用者所得は、緩やかに増加している
関東甲信越 緩やかな増加基調にある 着実に増加している 増加している 雇用情勢は、改善を続けている。雇用者所得は、緩やかな増加を続けている
東海 緩やかに回復している 着実な増加を続けている 増加している 雇用情勢をみると、有効求人倍率も高水準で推移しており、常用労働者数も増加している。雇用者所得は、改善している
近畿 全体として緩やかに増加している 大幅に増加している 増加している 雇用情勢は、改善している。雇用者所得は、緩やかに増加している
中国 持ち直している 増加している 振れを伴いつつも増加傾向が続いている 雇用情勢は、有効求人倍率の改善の動きが続いている。雇用者所得は、緩やかに増加している
四国 全体として底堅く推移している 製造業を中心に回復している 緩やかに回復している 雇用情勢は、緩やかな改善の動きを続けている。雇用者所得は、全体として緩やかに回復しつつある
九州・沖縄 底堅く推移している 高水準で推移している 増加している 雇用情勢は、緩やかな改善傾向が続いている。雇用者所得は、引き続き前年を上回っている