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全国銀行の平成8年度決算

1997年 8月22日
日本銀行考査局


(ご利用上の注意)

以下には、全文の冒頭部分(概況)のみを掲載しています。
なお、本稿は日本銀行月報8月号にも掲載しております。


(概況)

 全国銀行(注1)の8年度決算(図表1)をみると、まず業務純益(注2)は約6.4兆円と、債券関係損益の減少、都銀の資金利益の減少等から、前年度に比べ5%程度の減益となった。さらに、信託勘定における一時的な増益要因(注3)を控除すると、前年度対比で実質約1割の減少となった。

 こうした中、貸出金の償却、引当等(注4)は約7.6兆円(信託勘定を含む)と、住専処理を行った7年度に次ぐ高水準となり、引き続き多くの金融機関で不良債権問題に積極的に対応している姿が窺われる。

 この間、株価下落により株式償却が多額に上ったことから、株式等関係損益(注5)全体では約1.0兆円の益超に止まり、7年度に比べ約2.9兆円減少した。こうした背景には、近年のクロス取引に伴う簿価上昇により、株式の価格変動リスクが顕現化しやすくなっていることも挙げられる。

 以上の通り、業務純益と株式等関係利益の合計額にほぼ匹敵する貸出金の償却、引当等を実施した結果、経常利益、当期利益とも、前年度より回復したものの、ほぼゼロに近い水準に止まった。


(図表1)

全国銀行の決算の推移

(単位 億円、( )内は前年度比 %、< >内は前年度実績)


6年度 7年度 8年度
うち都銀

長信

信託

地銀

地銀II
業務純益 44,575 67,316 63,960
(-5.0)
26,870
(-23.2)
5,714
(-7.5)
13,059
(+100.0)
13,312
(-4.7)
5,005
(-11.2)
経常利益 10,079 -29,455 430
<-29,455>
23
<-14,774>
-2,885
<-4,086>
1,244
<-13,965>
3,606
(+32.7)
-1,558
<654>
当期利益 1,847 -38,944 -923
<-38,944>
-478
<-17,518>
-2,244
<-4,094>
1,258
<-14,038>
2,303
<-2,712>
-1,761
<-581>


(注1)
 全国銀行とは、都市銀行10行(以下「都銀」)、長期信用銀行3行(以下「長信」)、信託銀行7行(平成5年10月以降に業務を開始した信託銀行および外銀信託を除く。以下「信託」)、全国地方銀行協会加盟の地方銀行64行(以下「地銀」)、第二地方銀行協会加盟の地方銀行65行(以下「地銀II」)を対象とする。ただし、計数に関しては兵庫銀行(現みどり銀行)、太平洋銀行(現わかしお銀行)および阪和銀行を除いて算出している。

(注2)
 銀行の基本的業務にかかわる成果を示す銀行固有の利益概念。「資金利益」(貸出金、預金、有価証券などの利息収支等)、「役務取引等利益」(手数料収支等)、「その他業務利益」(債券等関係損益、外国為替関係損益等)の合計から「貸倒引当金繰入額(一般)」と「経費・債券費」を控除したもの。

(注3)
 具体的には、信託の特別留保金取崩益。特別留保金は、貸付信託の元本割れに備えて積み立てるもので、政令改正による繰入限度額の引下げ(元本の1000分の30→1000分の5)に伴って、取崩益が生じた。信託では、この取崩益を貸付信託勘定の償却等に一部充当し、残る部分を信託報酬として銀行勘定の役務取引等利益に計上した。

(注4)
 貸出金償却のほか、債権償却特別勘定への繰入(いわゆる引当)、共同債権買取機構への売却損・支援損、債権放棄等を含む。

(注5)
 株式等関係損益は株式等売却益から株式等売却損および株式等償却を減じたもの。


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