2005年末の本邦対外資産負債残高(注)
2006年6月23日
日本銀行国際局
―― 対外資産負債残高は、国際収支(フロー)の金融取引項目(資本収支+外貨準備)の残高(ストック)であり、対外資産は本邦居住者が保有している海外資産の残高、対外負債は本邦居住者の非居住者に対する負債(非居住者が本邦に保有している資産)の残高である(本邦株式は対外負債に含まれる)。公表値は円建てであり、外貨建て分については年末時点の為替レートで円換算している。対外資産と対外負債の差額はネットの国際投資ポジションを示す。わが国では対外資産が対外負債を上回っており、この差額が対外純資産となっている。
(注)
本邦対外資産負債残高は、財務省・日本銀行が「平成17年末現在本邦対外資産負債残高」として5月26日に公表したもの。地域別残高計数は本ホームページにおいて公表しているほか、日本銀行『国際収支統計月報』2006年4月号(7月発刊予定)にも掲載予定。本稿中のその他の計数については日本銀行国際局にて試算。
なお、IMFにおける証券貸借取引の取り扱いに関する議論の趨勢を踏まえ、わが国では、2001年末の本邦対外資産負債残高より、公表計数を「証券貸借取引を除くベース」へと変更している。ただし、本稿では、1996年末以降(地域別計数は、2000年末以降)、証券貸借取引を除くベースの計数を使用している。
《要旨》
2005年末のわが国の対外純資産(対外資産−対外負債)は、180.7兆円と、前年末に次ぐ既往第2位の高水準となった(前年末比△5.1兆円<△2.7%>の減少) 。
―― 2005年中の経常黒字継続に伴い資産は増加したものの、本邦株価の大幅上昇による負債の増加の影響が大きく、純資産は小幅ながら減少。
―― わが国は、1991年末以降15年連続で世界最大の純資産を保有しているものとみられる。
項目別の特徴点は以下の通り。
(1)直接投資残高(対外直接投資残高:45.6兆円、対内直接投資残高:11.9兆円)
「対外直接投資残高」は、海外事業拡充を目的とする、北米、アジア向け等の投資や、対米ドルでの為替円安化等に伴う円ベースでの評価増から、2年連続で増加した(前年末比+7.0兆円<+18.2%>の増加)。また、「対内直接投資残高」は、EU、アジア等からの投資の結果、同+1.8兆円(+17.9%)の増加となった。
(2)証券投資残高(対外証券投資残高:249.5兆円、対内証券投資残高:182.0兆円)
「対外証券投資残高」は、投資信託による新興国株やREITへの投資や銀行部門による中長期債投資の増加に加え、対米ドルでの為替円安化や独仏株価上昇に伴う評価増もあって、前年末比+40.2兆円(+19.2%)と大幅に増加した。また、「対内証券投資残高」も、本邦企業の良好な業績見通しを受けて海外投資家による日本株の買い入れが継続したほか、本邦株価上昇により評価額が増加したことから、対外証券投資を上回る、同+61.9兆円(+51.5%)の増加となった。
(3)金融派生商品残高(資産サイド:3.1兆円、負債サイド:3.9兆円)
資産サイド、負債サイドともに増加した。
(4)その他投資残高(資産サイド:108.5兆円、負債サイド:127.7兆円)
資産サイドでは、証券投資のための海外拠点への円放出などから、前年末比+10.8兆円(+11.1%)の増加となった。一方、負債サイドでは、銀行部門による海外店からの資金調達などから、同+11.0兆円(+9.4%)と6年連続で増加した。
(5)外貨準備残高(資産サイド:99.4兆円)
為替円安に伴う評価額増加や、債券利子の元加等により、前年末比+11.7兆円(+13.4%)と7年連続での増加となった。
