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日本銀行当座預金決済の新展開

次世代RTGS構想の実現に向けて

2006年9月
日本銀行決済機構局

要旨

 日本銀行は、2006年2月、次世代RTGS構想の実現に向けた作業に着手した。次世代RTGSは、(1)日銀当座預金におけるRTGSに流動性節約機能を導入すること、(2)現在、民間決済システム(外為円決済システムおよび全銀システム)を通じて時点ネット決済で処理されている大口資金取引についても、流動性節約機能付きRTGSで処理できるようにすること、を2本の柱としている。これらを一体として推進することで、民間決済システムを含むわが国大口資金決済システム全体の安全性と効率性を一段と向上させることを目指すものであり、2011年頃までを目処に実現することを展望している。

 次世代RTGSがもたらす効果は、単なる流動性の節約や時点ネット決済に内在するシステミック・リスクの削減に止まらず、すくみの解消、日中エクスポージャーの削減、流動性ショックへの耐性向上、流動性に関する規模の経済、と多岐にわたる。これらの効果が十分に発揮されれば、決済に要する流動性の節減を図りつつ(効率性の向上)、日中エクスポージャーの削減(安全性の改善)を同時に達成することができる。