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事例からみたコンピュータ・システム・リスク管理の具体策

2007年3月15日
日本銀行金融機構局

はじめに

 金融機関業務におけるコンピュータ・システム(以下、システム)の重要性は一段と高まっており、経営戦略上も重要な地位を占めるに至っている。このため、システム・リスク管理に対する金融機関の関心も強まっている。日本銀行は、これまで幾つかのペーパー1を公表し、金融機関のシステム・リスク管理上の留意点を紹介するとともに、考査やオフサイト・モニタリングなどを通じて、適切な対応を働きかけてきた。

 しかしながら、考査等においては、リスク管理上適切ではない取扱いが引続き見られるほか、日本銀行へのシステム障害報告も増加しているなど、改善の余地が少なくない。こうした事例の多くは、特定の金融機関だけではなく、全ての金融機関にも共通に生じ得る内容のものである。このため、これらの事例およびその対応策を公表することは、金融機関にとって有益と考えられる。

 本稿では、金融機関におけるシステム・リスク管理の現状を整理したうえで、考査等で見られたシステム・リスク管理面の要改善事例やシステム障害事例を基に、システム・リスク管理対策上の具体策を整理し、紹介する。

  1. 金融機関における情報セキュリティの重要性と対応策」(2000年4月)、「わが国金融機関におけるシステムリスクの管理状況と留意点」(2001年9月)。

日本銀行から

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