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わが国金融機関の内部監査の現状について(金融機関46先を対象としたアンケート調査結果)

2007年6月29日
日本銀行金融機構局

はじめに

 日本銀行では、2002年6月に内部監査に関するアンケート調査を実施(以下「前回調査」という。)し、それを踏まえ、リスクに応じた内部管理プロセスの適切性・有効性を検証するリスク・アプローチ1の重要性を指摘した。その背景には、金融派生商品等の金融技術の進歩、ITシステムにおける技術革新や、業務プロセス・業務の担い手等の変化(事務集中化)等に対応して、内部監査に求められる役割、監査手法の変化があった。

 本稿は、その後の金融機関を巡る環境変化を踏まえ、内部統制を充実させていく上で重要な役割を担っている内部監査の現状を把握するため、新たにアンケート調査を実施(2007年3月実施。以下「今回調査」という。)し、その結果を纏めたものである。

 今回調査の結果をみると、内部監査の重要性に対する認識が高まり、体制整備も進められてきているが、人材の育成・専門性の向上や内部監査手法の高度化、経営への提言機能の強化など、残された課題も少なくない。

 日本銀行としては、金融機関が今回調査のアンケート結果も踏まえ内部監査を一段と充実させ、内部統制の整備と実効性の向上に一層努めていくことを期待している。

  1. リスク・アプローチとは、「経営活動に内在するリスクを分析し、それをどのようにして制御するか」という観点から、監査を進める手法のことをいう。例えば、リスク・アプローチの下での内部監査計画においては、監査対象部門のリスクの大きさと内部統制を勘案して、資源配分(調査内容、手法、深度、頻度、投入人員等)が決定される(内部監査人協会<IIA: The Institute of Internal Auditors>による「内部監査の専門職的実施の国際基準」2010,2110,2120 などを参照)。

本件に関する照会先

日本銀行金融機構局

03-3277-2005
森、橋本、長藤、引馬(ひくま)

日本銀行から

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