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バックアップ・コンピュータセンターの実効性確保にかかる課題と対応策

2010年3月
日本銀行金融機構局

はじめに

大量の情報を迅速に処理するコンピュータシステム 1 (以下、「システム」)は、今日の経済社会のあらゆる場面で活用されており、我々が日常生活や経済活動を円滑に営んでいくうえで不可欠な存在となっている。特に金融機関の業務処理においては、システムが大きな役割を果たしており、システムのトラブルが預金の払戻しや資金決済に支障を来たすような場合には、経済活動全体に極めて大きな影響を及ぼすことになる。このため、各金融機関は、平常時のシステム品質の向上やシステム障害時の対策に加え、災害時に備えた業務継続体制の整備 2 に努めている。

コンピュータセンターの建物・設備そのものは、通常の建物・設備と比較して強固に構築されるのが一般的である。しかしながら、コンピュータセンターの機能は、地震等による直接の被害だけでなく、通信回線など社会インフラ設備の障害を含む多様な要因によって阻害され得る。このため、コンピュータセンターが機能しなくなった場合に備えたバックアップ・コンピュータセンター(以下、「バックアップセンター」)等の確保と、その適切な運用を図るための体制整備が、各金融機関にとって重要な課題である。

現在では、既に多くの金融機関がバックアップセンターを確保している状況にある。もっとも、バックアップセンターを確保していても、業務継続体制の実効性確保の面では、なお課題があると考えている先が多い。

日本銀行では、災害時等における業務継続体制の整備を促す観点から、考査やオフサイトモニタリングなどを通じて、バックアップセンターの整備状況や運用状況を調査し、金融機関に対し必要な働きかけを行っている。本稿では、考査等でみられた事例を基に、システム面を中心としたバックアップセンターの運用上の留意事項を解説する。

  • ここでは、事業者等が多数の顧客・利用者に対するサービスの提供等に際して利用する、コンピュータを活用した大量データ処理システムを指している。
  • 業務継続体制の基本的な考え方については「金融機関における業務継続体制の整備について」(日本銀行2003年7月)参照。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。
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照会先

金融機構局システム・業務継続関連考査担当

岩佐智仁、三浦弘二
E-mail : csrbcm@boj.or.jp