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2009年度の金融市場調節

2010年6月8日
日本銀行金融市場局

概観

日本銀行は、2009年度を通じて、無担保コールレート(オーバーナイト物)(以下「無担O/Nコールレート」)を操作目標とする枠組みのもとで金融市場調節を行った。2009年度中、無担O/Nコールレートの誘導目標は「0.1%前後」であった。この間、補完貸付制度に適用される基準貸付利率は0.3%であった。補完当座預金制度に適用される利率は0.1%であった。

2009年度の金融市場調節は、2008年度に続き、金融市場の安定に配慮し、市場の状況を踏まえた機動的な運営とした。

すなわち、オペレーション(以下「オペ」)では、国債買現先オペやCP等買現先オペの積極活用などを通じて潤沢な資金供給を実施した。特に、年末や年度末といった資金需要が強まる局面では一段と潤沢な資金供給を行うなど、流動性を巡る懸念が金融機関の行動を制約することがない状況を維持した。また、CP等買入オペ、社債買入オペを2009年12月末まで、米ドル資金供給オペを2010年2月初まで、企業金融支援特別オペを3月末まで、それぞれ実施した。このうち、CP等買入オペ、社債買入オペ、米ドル資金供給オペについては、市場機能の改善に伴うオペへの資金需要の後退などから、応札額が減少した。

12月には、やや長めの金利のさらなる低下を促すことを通じて金融緩和の一段の強化を図るため、新しい資金供給手段として固定金利方式の共通担保資金供給オペを導入した。3月には同オペによる資金供給額を大幅に増額し、やや長めの金利の低下を促す措置を拡充した。この間、短期金融市場における市場機能の維持にも配慮する観点から、オペでは、長めのタームでの資金供給の割合を増やす一方で、日々の資金偏在については、市場で調整する余地を残す運営とした。

こうした金融市場調節運営のもと、無担O/Nコールレートは、2009年度を通じて誘導目標水準前後で概ね安定的に推移した。やや長めの金利は、緩やかな低下基調を辿り、12月以降は低下幅が拡大した。短期金融市場では、長めのタームの取引を中心に流動性が低下した状況が続いたものの、総じて安定して推移した。ただし、日本銀行の金融市場調節が市場取引を代替する状況が続いたとも言える。企業金融は、厳しさを残しつつも改善の動きが続いた。この間、日銀当座預金残高や超過準備は、一段と高い水準で推移した。

この他、2009年度には、政府向け証書貸付債権・政府保証付証書貸付債権の適格担保範囲の拡大、地方公共団体向け証書貸付債権・外貨建外国債券の適格担保化などの金融市場調節運営に関連する変更も実施した。

以下、本稿では、金融市場調節運営の前提となる日銀当座預金増減要因の動向を説明した後、金融市場調節運営の推移および特徴点と、そのもとでの無担O/Nコールレート等の動きや短期金融市場の動向などを述べる。また、オペ手段別の動向や、金融市場調節運営に関連する主な変更についても説明する。

日本銀行から

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