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2010年度の金融市場調節

2011年4月25日
日本銀行金融市場局

概観

2010年度の金融市場調節についてみると、第1に、強力な金融緩和を推進し、金融市場の安定を確保するため、潤沢な資金供給を行った。年度を通して、無担保コールレート(オーバーナイト物)は金融市場調節方針に沿って推移し、日銀当座預金残高は増加傾向を辿った。10月5日に導入された「包括的な金融緩和政策」(包括緩和政策)により、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標水準が「0.1%前後」から「0〜0.1%程度」に変更されたことを受けて、同残高の増加ペースは速まった。3月11日の東日本大震災以降は、短期金融市場が不安定化する事態を未然に回避するため、過去に例をみない大量の資金供給を連日行った結果、同24日の日銀当座預金残高は、過去最高の42.6兆円に達した。

第2に、市場が不安定化する惧れがあった場合には、多様なオペレーション(オペ)手段を活用しながら、状況に応じた適切な対応をとり、金融市場の安定確保に万全を期した。5月中には、欧州の短期金融市場の緊張が強まったことを受けて、わが国の短期金融市場が不安定化する事態を未然に回避するため、即日資金供給オペを3回オファーした。また、国際金融資本市場の不安定な状況と、これが円市場の流動性に及ぼし得る影響を踏まえて、米ドル資金供給オペを再開した。東日本大震災以降は、短期金融市場が不安定化する事態を未然に回避するため、6営業日連続で計12回の即日資金供給オペをオファーするとともに、先日付オペも積極的に活用しながら、金融市場の資金需要を大きく上回る額をオファーした。加えて、個別市場間の裁定が働きづらくなっていることに対処する観点から、国債買現先オペやCP買現先オペを再開した。

第3に、固定金利方式での共通担保資金供給オペや、多様な金融資産(長期国債、国庫短期証券、コマーシャルペーパー・短期社債(CP)等、社債等、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)、不動産投資法人投資口(J-REIT))の買入れなど、強力な金融緩和の推進の観点から新たに導入されたオペ手段の円滑な運営に努めた。東日本大震災以降、企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止するため、CP等、社債等のリスク性資産を中心に資産買入れの額を増額した。

日本銀行から

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