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投資家別売買動向と株価

:ネット買越し関数および3段階配当割引モデルを用いたアプローチ

2011年9月2日
日本銀行金融市場局

要旨

本邦株式市場における投資家別の売買動向は、株価の変動要因として、市場参加者から注目されることが多い。本稿では、投資家別のネット買越し関数を推定し、主に外国人投資家と個人投資家について、やや長い目でみた買越し・売越しの傾向を整理する。あわせて、本年3月の東日本大震災後に、こうした傾向に変化がみられたかについても検証する。

価格と取引量の内生性の問題を考慮し、2段階最小二乗法を用いた推定の結果からは、(1)外国人投資家が順張りの傾向、個人投資家が逆張りの傾向を持つこと、(2)2007年以降の相次ぐ金融危機を経て、外国人投資家については、それまでの順張りの傾向を弱めつつあること、が分かった。また、東日本大震災後、(3)価格下落局面において本来買越しの動きとなる個人投資家が、それまでの逆張りスタンスを一旦弱めるとともに、(4)外国人投資家が逆張り投資家=価格下落局面における買い手として機能したこと、が確認された。さらに、(5)こうした価格下落局面における買い手としての機能は、本年以降の外国人投資家の本邦株に対する基礎的な投資スタンスの改善が寄与しており、(6)この外国人投資家の本邦株式市場に対する投資スタンスの改善は、米国株式市場におけるエクイティ・プレミアムの動向から示唆される、グローバルな株式投資家のリスク許容度の高まりと連動していることが分かった。

日本銀行から

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照会先

金融市場局総務課市場分析グループ

藤原 一平、篠 潤之介(現調査統計局)
Tel : 03-3277-1084