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わが国短期金融市場の動向——東京短期金融市場サーベイ(16/8月)の結果——

2016年10月7日
日本銀行金融市場局

東京短期金融市場サーベイの概観

はじめに

日本銀行金融市場局は2008年以降、わが国短期金融市場の取引動向などを把握するため、「東京短期金融市場サーベイ」を実施している。このサーベイは当初は隔年で実施していたが、市場動向をより的確にフォローする観点から、2013年より毎年実施することとしており、本年8月、第7回目となる調査を実施した(調査基準時点は本年7月末)。

今回のサーベイは、従来同様、日本銀行のオペレーション対象先および短期金融市場の主要な参加者を対象として実施している。今回のサーベイの調査対象先は300先と、オペレーション対象先の増加を背景に昨年の298先から増加している(回答率100%)。

日本銀行金融市場局は、今回のサーベイ結果を短期金融市場の動向把握のために有効に活用していくとともに、「債券市場サーベイ」なども併せ用いながら、金融市場の状況や構造変化の包括的かつ多面的な把握に努めていく考えである。また、「市場調節に関する懇談会」や、「債券市場参加者会合」などの機会も活用しつつ、市場参加者の方々と対話を重ねながら、短期金融市場も含めたわが国金融市場の活性化に向けた関係者の取り組みを積極的に支援するとともに、自らも中央銀行の立場から、可能な限りの貢献を果たしてまいりたいと考えている。

概要

短期金融市場の取引残高は、資金調達残高・資金運用残高とも、前年と比べて減少した。もっとも、資金調達残高は、引き続き09年~13年を上回る高めの水準となった。

取引残高が減少した背景として、資金調達サイドをみると、短期金融市場における金利のマイナス化を受けて、有担保コール取引を中心にコール市場の取引が減少したほか、プラス金利での資金運用が難しい中で、発行金利が0%近傍で推移しているCD/CPでの資金調達が減少したことが要因として挙げられる。資金運用サイドをみると、コール取引の減少に加え、国庫短期証券での運用が減少した。

一方で、レポ取引については、GCレポ取引が、コール取引の代替として機能したほか、日銀当座預金のマクロ加算残高や基礎残高の余裕枠との間の裁定取引において選好されたことなどから、市場規模を拡大した。

短期金融市場の機能度については、市場金利のマイナス化や、希望する取引額での取引が難しくなっていることなどを背景に、「低下した」との回答が6割程度に増加した。一方で、日銀当座預金のマクロ加算残高や基礎残高の余裕枠を用いた新たな裁定取引が増加していることを受けて、「改善した」との回答も増加して1割程度となった。

日本銀行としては、今後とも短期金融市場の動向を、日々のモニタリング活動や本サーベイ、市場参加者との対話などを通じて、適切にフォローしていく考えである。

日本銀行から

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