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周波数分析からみた近年の耐久財消費の動向

2017年1月19日
日本銀行調査統計局
東将人*1
河田皓史*2

要旨

個人消費は、2014年4月の消費税率引き上げ以降、全体として底堅さを維持しているものの、力強さに欠ける状態が長引いてきた。これには、様々な要因が指摘されてきたが、本稿では、2009年以降の耐久財消費を促進する各種の政策や消費税率の引き上げに伴う駆け込み購入など、耐久消費財の買替えを促進する政策や制度の影響に注目した。

本稿では、「周波数分析」を用いて、耐久財消費を買替えサイクルに基づく複数の周期変動に分解することで、各種の政策や制度が耐久財消費に与えた影響を定量的に分析した。その結果、特にデジタル家電の消費の循環変動が含まれる中期循環成分(2~7年周期)や、乗用車や白物家電の消費の循環変動が含まれる長期循環成分(7~12年周期)が、2014年4月以降の耐久財消費を大きく下押していたことが示された。もっとも、2016年以降をみると、長期循環成分は耐久財消費に対して依然として下押しに効いているものの、中期循環成分は増加する段階となっており、この面での下押し効果は、剥落しつつあると考えられる。

本稿は、2016年7月に公表された日本銀行「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」のBOX3で示された分析を参考にしている。本稿の作成では、関根敏隆、中村康治、一上響、川本卓司、武藤一郎、開発壮平、古賀麻衣子、加藤直也、倉知善行、三浦弘の各氏および日本銀行スタッフから有益なコメントを得た。記して感謝の意を表したい。残された誤りは、全て筆者らに帰する。なお、本稿の内容と意見は筆者ら個人に属し、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : masato.higashi@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : hiroshi.kawata@boj.or.jp

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行調査統計局までご相談ください。
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照会先

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