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2016年度の金融市場調節

2017年6月5日
日本銀行金融市場局

概観

日本銀行は、2016年度中、9月までの間は、2016年1月に導入を決定した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとで強力な金融緩和を推進し、9月には、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入して金融緩和を一段と強化した。

すなわち、日本銀行は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもと、イールドカーブの起点を引き下げるため、金融機関が保有する日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、その一部である政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用した。あわせて、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うとともに、長期国債やETF、J-REIT、CP等、社債等といった広範な資産の買入れを進めた。

さらに、日本銀行は、2016年9月20~21日の金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入した。その主な内容は、第1に、長短金利操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」である。

長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)のもと、政策金利残高には、短期政策金利として、引き続き▲0.1%のマイナス金利が適用された。また、長期金利については、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行うこととされた。実際、新たに導入された指値オペを含め、各種のオペレーションを用いた金融市場調節により、10年物国債金利は、2016年9月以降、金融市場調節方針と整合的に形成されている。

本稿では、こうした政策のもとで行われた金融市場調節について解説する。まず、金融市場調節方針と調節運営の概要を説明し、次に、そのもとでの国内資金・債券市場等の動向を概観する。そのうえで、個々の金融市場調節手段の運営状況や、金融市場調節運営に関する制度変更について述べる。最後に、市場参加者との対話に関する取り組みについて紹介する。

日本銀行から

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照会先

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