「生活意識に関するアンケート調査」(第7回)の結果
1999年 2月 4日
日本銀行情報サービス局
(日本銀行から)
以下には、調査結果の概要を掲載しています。調査結果を含む全文は、こちら (ron9902b.pdf 187KB) から入手できます。
(はじめに)
日本銀行では、政策・業務運営の参考とするため、本店や支店を通じた広報活動のなかで、国民各層の意見や要望を幅広く聴取するよう努めていますが、その1つの手法として、平成5年以降、毎年、全国20歳以上の男女個人4,000人を対象に「生活意識に関するアンケート調査」を実施しています。この調査は、日本銀行が四半期ごとに行っている「企業短期経済観測調査(短観)」のような統計指標としての調査ではなく、生活者の意識や行動を大まかに窺う一種の世論調査です。
(調査概要)
・調査実施期間…平成10年11月26日(木)〜12月6日(日)
・調査対象…全国の20歳以上の男女個人
・標本数…4,000人(有効回答者数3,195人<有効回答率79.9%>)
・抽出方法…層化2段無作為抽出法
・調査方法…設問票によるアンケート調査(訪問留置法)
(調査結果の概要)
1.現在関心を持っている経済問題
○ 引き続き「景気」に対する関心が最も高い。前回の調査(10年3月実施)に比べると、「景気」、「雇用、収入」に対する関心が高まっている一方、「金融システム問題」、「金利」に対する関心は低下している。
2.景況感
○ 足許の景気については、前回の調査に比べ、「悪くなっている」と感じる人が増加する一方で、「良くなっている」と感じる人はほとんど皆無となるなど、さらに厳しい判断となっている。先行きは「現在と変わらない」と予想する人が多い。
景気が悪くなっていると感じている人の中では、「現在の不景気はこれまで経験したことがないくらい深刻である」との回答が増加している。また、景気を判断する方法としては、「なんとなく漠然と」が減少する一方、「勤め先や自分の店の経営状況から」、「自分や家族の収入の状況から」といった、回答者の雇用・事業・収入に直結するものがウェイトを高めており、前回の調査に比べ、全般的に切実さの度合いが増していることが窺われる。
3.暮らし向き、消費意識
(1)現在の暮らし向き
○ 現在の暮らし向きについては、給与等の定例収入の減少などを背景として、「1年前と比べて苦しくなってきた」との回答が増加している。
(2)収入、雇用環境
○ 収入については、「1年前に比べて減った」との回答が増加、「増えた」とする人は1割を切っている。
○ この間、雇用や事業について「不安を感じている」と回答した人は8割に達しており、うち「かなり不安を感じている」と回答した人は全体の4分の1まで増加している。
職場での合理化・リストラについては、「行われた」ないし「まだ行われていないが、今後行われる予定だ」と回答した人が4割を超え、さらに、その内容も「給与カットや賃金制度の見直し」のウエイトが高まるなど、収入・雇用面での厳しさが窺われる
(3)支出
○ 支出については、「1年前と比べて減らしている」との回答が4割強。
支出を減らしている理由としては、前回から上位に挙がっていた「将来の仕事や収入に不安があるから」、「年金や社会保険の給付が少なくなるとの不安があるから」に加え、「不景気やリストラ等による収入の頭打ちや減少から」の増加が目立っており、支出の削減が、将来の不安に対する予防的な動きにとどまらず、現実の収入減に伴う対応といった色合いも濃くなっていることが窺われる。
○ 支出を増やすための条件としては、「消費税率の引き下げ」との回答が最も多く、他の「恒久減税」や「住宅・教育ローン等保有者を対象とした政策減税」、「特別減税」とあわせて、税制面での措置を条件とする人は全体の77%となっている。このうち、税制面での措置と同時に「年金改革や財政赤字に対する指針を示し、国民負担の将来像を明確化する」ことが必要と考える人は全体の28%と、税制面での措置のみ挙げる人(全体の24%)を上回っており、短期的な景気対策に加え、中長期的な財政構造の改革等をあわせ求める声が強い。
4.家計の資産・負債
(1)住宅購入
○ 現在マイホームの購入や買い替えを計画している人は、全体の8%。
非持家層がマイホームを購入するための条件としては、「雇用・収入の不安がなくなれば」との回答が最も多くなっている。
(2)借入、資産・負債バランス
○ 住宅ローン等の借入がある人(全体の4割弱)のうち、「資産の値下がりが激しく、バランスが崩れて不安を抱えている」との回答は、およそ3人に1人(全体では12%)となっており、特に大都市部ほど資産・負債のバランス面で不安を抱えている人が多い。
5.日本経済の成長力に対する中長期的評価
(1)日本経済の成長力に対する中長期的評価
○ 日本経済の成長力に対する評価は、前回の調査と同様、「長い目で見ればあまり成長は期待できない」との回答が半数を上回っている。成長が期待できない理由としては、引続き「高齢化・少子化」、「財政問題の深刻化」等を挙げる人が多い。
(2)高齢化、少子化
○ 今後、高齢・少子化社会への対策として特に充実や改善が必要だと思うものについては、「公的年金制度」を挙げる人が多く、老後生活のまかない方についても、「年金など公的制度によって」と考える人が「自助努力によって」と考える人を上回り、半数近くを占めている。
6.金融機関破綻の受け止め方
○ 最近における金融機関の経営破綻に際し、引き続き7割超の人が、自分の仕事・収入や貯蓄への影響を不安に感じている。また、金融不安・金融機関破綻のニュースを聞いて、3人中2人が「貯蓄や消費に対する意識や行動が変化した」と回答しているが、その中では、「金融機関に関する情報に気を付けるようになった」との回答が全体の5割弱と最も多い。
以 上
