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わが国機関投資家の資産運用行動について

金融市場に与える影響を中心に

2003年 3月28日
清水祐希
西岡慎一
馬場直彦

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr03j04.pdf 56KB) から入手できます。

要旨

 個人投資家、企業(年金基金)といった最終投資家が生命保険会社、投資信託、信託銀行、投資顧問会社などの機関投資家に資産運用を委託する動きが、先進国を中心に拡大している。また近年、アクティブ運用パフォーマンスの低迷などを受けて、機関投資家の運用スタイルが、アクティブ運用から市場インデックス連動を目指すパッシブ運用へ移行している。パッシブ運用の広がりは、機関投資家が、近年の運用環境への対応を進めた結果と言えるが、金融市場に以下のような影響を及ぼし得る。第一に、市場全体において、パッシブ運用が多数を占めた場合、情報生産機能を担う投資家が少なくなることで、市場の効率性が損なわれる可能性がある。第二に、債券・株式等の各資産間でリバランス・ルールが適用される場合には、市場インデックスの値動きが安定する一方、インデックスを構成する個別銘柄の価格が同方向に動く、いわゆる全面高・全面安現象が生じ易くなる。第三に、市場インデックス組入れ銘柄に変更が生じるときには、個別銘柄間で、テクニカルな価格変動が発生する。市場の価格メカニズムが正常に機能するためには投資行動の多様性の確保が重要であり、制度・インフラ等の市場整備を進めていく際には、この点に留意する必要がある。