このページの本文へ移動

新たなBIS国際与信統計の概要

より多角的なカントリーリスクの把握に向けた国際的な取り組み

2003年 8月21日
平野聡久
早川裕子
齋藤徹
重見庸典(現政策委員会室)

日本銀行から

マーケット・レビューは、金融市場に関する理解を深めるための材料提供を目的として、日本銀行金融市場局が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行金融市場局 清水までお寄せ下さい。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (kmr03j08.pdf 48KB) から入手できます。

要旨

 BIS国際与信統計は、各国の銀行システムが抱えるカントリーリスクを包括的に把握するための基礎的な統計である。近年、国際金融環境が変化するなか、90年代後半の通貨危機などの経験を踏まえて、カントリーリスクについての考え方が変化してきている。これを受け、BIS国際与信統計の抜本的な見直しが進められており、日本銀行も邦銀における実務の調査も含め見直し作業に参画してきた。先般、2005年から実施される見直しについて国際的な最終合意が得られたが、そのポイントは、(1)報告銀行の対外与信額をこれまでの所在地ベースに加えて最終リスクベースで把握すること、(2)海外での現地通貨建て与信を詳細な項目毎に集計すること、(3)デリバティブ与信などを新たに集計すること、などである。今回の見直しによって、カントリーリスクや各国の銀行の与信動向について、より包括的なモニタリングが可能となることが期待されている。