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GDPギャップと潜在成長率の新推計

2006年5月2日
調査統計局
伊藤智 猪又祐輔 川本卓司 黒住卓司
高川泉 原尚子 平形尚久 峯岸誠

要旨

日本銀行は、GDPギャップや潜在成長率を推計し、経済・物価情勢の判断に利用している。今回、GDP統計が昨年末の基準年変更によって遡及改定されたことに伴い、GDPギャップと潜在成長率の再推計を行なった。その際に、過去数年間に明確化した労働市場の構造変化を織り込むとともに、資本ストック統計など推計に利用するデータの改善、潜在GDPの概念の変更など、作成方法を全般的に見直した。

新しいGDPギャップは、資本や労働の稼働率が過去の平均的な水準にある状態を境に、プラス、マイナス双方の値をとる。最近の動きをみると、今次景気回復が始まった時点では大幅なマイナスであったが、順調に改善を続け、足もとはゼロ近傍での動きとなっている。この水準は、2000年の景気のピークを上回り、97年のピークに概ね並んでいる。また、新しい潜在成長率は、90年代末頃から1%程度ないしそれをやや下回って推移してきたが、最近は1%台後半まで回復してきている。

ただし、GDPギャップや潜在成長率の推計値は、データの追加などによって事後的に変わる可能性があるため、十分な幅を持ってみておく必要がある。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。
ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、調査統計局 齋藤克仁までお寄せ下さい。