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ソブリンCDS

:市場の現状と変動要因について

2010年4月14日
金融市場局 篠潤之介・高橋耕史

要旨

本稿では、ギリシャの財政問題などを契機に注目を集めているソブリンCDSについて、ソブリンCDS市場の拡大状況、CDSプレミアムと財政リスク変数との関係、CDSプレミアム変動の国際連動性、といった点を確認する。分析を通じて、(1)各国における財政支出の大幅な増加や欧州ソブリン・リスクへの関心の高まりなどを反映し、近年、ソブリンCDSの取引が急激に拡大していること、(2)もっとも、CDSプレミアムと実際の財政リスクの連関度合いは、国によって区々であること、(3)主要国のCDSプレミアム間で、国際連動性が上昇してきており、一部大陸欧州諸国でのソブリン・リスクに対する懸念が他の国にも伝播している可能性があること、などがわかった。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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