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国債市場間の国際的な連関とわが国銀行の市場リスク

2011年10月18日
金融機構局 福田善之、今久保圭、西岡慎一

要旨

実体経済面での国際的な結び付きが強まるもと、国債市場をはじめとする金融市場でも国際的な連関が高まっている。こうした中、わが国銀行の日本国債保有にかかる市場リスクは、国内要因だけではなく、海外からの影響も受けやすくなっている。このため、海外の国債市場が不安定化すると、市場間の連関を通じて日本国債のボラティリティが上昇し、銀行の市場リスク量が増大する可能性がある。特に、中長期ゾーンの国債投資を積極化させている地域銀行は、こうした海外ショックに起因するボラティリティ上昇の影響を相対的に受けやすくなっている。銀行をはじめとする市場参加者は、様々なショックの波及経路を想定したうえで、ストレス・テストを含む複数のリスク計測手法を活用し、市場リスクを多面的に把握することが求められている。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融機構局 今久保圭(kei.imakubo@boj.or.jp)までお知らせ下さい。